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精子運動率と質の関係性

【ご質問原文】

いつも勉強になってます。 自己タイミング6回、病院でのタイミング指導2回、人工授精5回を経て、 都内の体外専門の大手に転院し先月初めて採卵をしました。 現在、自然周期で移植待ちです。

精子の運動率の低さは、顕微授精をした際も一つ一つの精子の質の低さにもつながるのでしょうか。

転院前はめちゃくちゃ良い!
という訳ではありませんが、精子の運動率に気になる点はありませんでした。

ですが、転院先で受けた精液検査が2回中、2回ともとても低く、採卵した卵すべてが顕微受精となりました。
(気をつけられる事は日常生活の中で気をつけていました。)

夫はそれが気がかりなようで、無事に拡張中胚盤胞まで卵が成長したものの、「運動率が低いってことは、精子の質が低いんじゃないか…・・」 と言っていて、私も少し気になっています。

もし、ご回答頂けると嬉しいです。 
よろしくお願いします。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

精子の質というのは、精子の中に入っているDNAの安定性で評価される場合が多いです。
精子DNAの断片化率(DFI)を測定して、精子の質を評価しています。

そして、精子の運動率と精子のDNAの断片化率は負の相関関係にあるという報告が多いです。

つまり、運動率が高いとDNAの断片化率は低く、運動率が低いとDNA断片化率が高いといったように関連性があるという事です。

しかし、あくまでも負の相関があるというだけで、全ての精子が質の低い精子であったというわけではありません。

DNAの断片化は、見た目では完璧にはわからないため、運動率が低いと質の低い精子を選んでしまう可能性が上がると考える程度で良いと思います。

一般的には顕微授精の際に、精子の運動性や形態を観察して注入するため、ある程度のセレクションは行われた状態で受精をさせています。

今回、胚盤胞まで成長したとのことですので、胚の質はある程度は担保されていると考えて良いかと思います。

最終的には何が原因かはわからないですからね。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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