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日々は点というより線だ

私の推しというのは基本的にトップランカーだ。お笑いにしろ音楽にしろスポーツにしろ何かを成し遂げ有名で聡明な人たちを私は推している。その人たちは大抵ハードワーカーだ。ワーカホリックでもある。私がSpotifyで最も聴いたアーティスト2年連続1位の星野源はまさにワーカホリックで、病気で倒れる前に書かれた彼の書籍『働く男』の初版の帯は”どれだけ忙しくても、働いていたい。ハードすぎて過労死しようが、僕には関係ありません。”だ。病気から復帰した後も依然として(本人は否定するかもしれないが)ワーカホリックだ。

あの人たちはしんどそうだなと思う。スタンダードがハードに設定されている。紅白に一度出演すれば連続出場を求められ、武道館を満員にするといざ東京ドームへ!となる。芥川賞の受賞を逃せば候補に入っただけで凄いのに「残念でしたね」と声をかけられてしまう。

何かを成し遂げるたびに線を引くための基準点が設定される。その基準点から引かれた線の上を目指し、新たな点を設定するため日々懸命にあの人たちは働く。

偉業や快挙と個人の幸せは別であると思うようになった。何かを成し遂げても何かを成し遂げた事実しか手元には残らず、頂点に至った高揚感は瞬間的に消える。

生活は習慣が4割だ。急にビジネス書のタイトルっぽくなった。必死に毎日深夜2時まで勉強する受験生は大学に入れば勉強をやめサークルで遊ぶ前提であるからそんなスタイルで勉強ができる。もしそれが大学入学後も続くとなれば、22時には勉強を切り上げても十分に入学できるレベルの大学に行った方が良い。さもなくば体か心、もしくはその両方を壊す。

生活は常にやれることの集合だから、盛り上がりが最高潮になる点を求め続けると生活が破綻する。でも世のハードワーカーたちは最高潮の点を基準にさらにまた新たな点へ歩き始める。しんどそうだ。

私は3日に一回やっても生活が破綻しない楽しみと毎日やっても心身が破壊されない義務をやり続けたい。

買いたい本を買うために使います!!