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襲われる夫婦

 そこはちょっと古臭いアパートのような場所…。

 薄っぺらな布団を並べて、私たち夫婦は寝転がり

 ただただ、天井を見ながら眠りにつこうとしていた。


 しかし、ふと隣りを見ると、体を動かすことなく、目をガン開きにして、すごい形相で天井を見ている嫁がいた。


 明らかに様子がおかしい


 「ママ………?」


 声をかけるが、一つも身動きせず目をガン開きにしているのだ。


 「………死ぬ…。」


 たった、このひとこと言ったのを聞いて、俺も天井を恐る恐る見上げた。




 天井には、人とは思えないほどの大きい真っ黒な長い髪の毛の女が、嫁に向かってゆっくりと降りて来ようとしていた。


 今にも、嫁を連れて行ってしまうのではないかと思った。


 俺は、嫁に覆いかぶさり、必死に守りながら娘にも何かあってはと、子どもたちの名前を叫んだ。







・・・・・・・・・そんな夢を主人が見たそうです。

 唸っていた主人を起こし、目覚めた時に私に全部話してくれました。

 最後に主人が言った一言



 「ママと手を繋いで寝なかったのが悪かったんだ」



 ………可愛いなと思いました。

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