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ケモ耳の良さは何か ~絶望する現代人に差し伸べられた救いの手〜

ケモ耳の話をしよう。

ケモ耳(獣耳)とは、読んで字のごとく獣の耳を持った架空のキャラクターの特徴もしくはそれ自体を指す、伝統的な性癖、萌え要素の一つです。

「獣耳」は古くから代表的な萌え要素の一つとして認識されてきた。主に人型のキャラクターの頭頂部あるいは側頭部に動物の耳を付けたデザインをとる。単純に動物の耳のカチューシャ等のアクセサリーを付けているだけのものから、動物の耳が頭部に生えているものまで様々である。

耳以外の部分にも、尻尾など元の動物のイメージが反映される場合も多い。

Pixiv百科事典 https://dic.pixiv.net/a/%E7%8D%A3%E8%80%B3

※この記事でいうケモ耳は耳だけでなく、尻尾等を含み、所謂獣人の概念と同義とする。
また、人間がただ耳の飾りやカチューシャを後付けしたものは除外する


巨乳とかロリとかツンデレほどメジャーとは言えませんが、この属性を知らない人はいない程には知名度があり、ケモ耳キャラもたくさんいます。
にもかかわらず、その良さが分からんという人が結構いるみたいなんですよね。

と言いながらも、実は拙もケモ耳の良さに気付いたのはここ最近のことでした。

言ってしまえば、性癖は人それぞれであり、直感的・本能的に刺さるか刺さらないかで決まるので後天的に好きになるってのはまあ珍しいわけです。なのになぜ今更新しいフェティシズムに目覚めることができたのでしょうか。

それはケモ耳特有の分かりづらさにあります。
ケモ耳は他の性癖と異なり、直感的に観測できない趣を秘めています。
つまり、この分かりづらさのせいで本来刺さるはずの人にも刺さっていないだけなので、きっかけさえあれば誰しもケモ耳に魅了されうるのです。

てことで、今回はケモ耳の魅力を語り、この素晴らしきフェティシズムを理解できない紳士諸君に”啓蒙”(けしていきたいと思います。
ケモ耳だけにね!(大爆笑)

ブルーアーカイブとかいう性癖開拓ゲーム


皆さんはブルーアーカイブというソシャゲをご存知でしょうか。
透き通るような世界観で送る学園RPG」というキャッチコピーで有名な、最近人気が凄いソシャゲです。

拙も丁度1年前に始めてたまに遊んでいるのですが、実際は「な~にが透き通る世界観だよ!!」って突っ込みたくなるようなドエロい女の子、過激な性癖がバンバン登場します。(ほんまに全年齢対象でええんか?

よって普通にゲームをプレイしているだけなのに、既存の性癖が更に加速したり、あらぬ方向に性癖が捻じ曲げられる先生達が後を絶たないんですよね。

御多分に漏れず、ケモ耳キャラも一定数いるのですが、ブルーアーカイブが供給してくるケモ耳成分の破壊力がもう本当に凄まじく、ケモ耳に無関心だった拙も、ケモ耳狂いにならざるをえませんでした。

しかし、性癖大開拓時代である思春期もとうに過ぎて性欲が右肩下がりになり、後は死ぬだけの成人男性がなぜここまで新しい性癖に情熱的になれたのかが不思議でなりませんでした。

拙は、分からないこと、不思議なことを解明せずにはいられないのです。例えそれが身も蓋もないスケベなことであってもね。よって、少し真面目に考察してみることにしました。


ケモ耳の良さは静止画では伝わりにくい


ケモ耳が理解されづらい原因の一つとして、標題の通り、静止画ではその魅力がちゃんと伝わらないことが考えられます。ケモ耳は、動いているのを見て、初めて良さが分かるのです。


前述したブルーアーカイブでは、戦闘シーンをはじめ、いろんな場面でキャラがデフォルメされた3Dモデルが使われています。等身が低く、SDキャラ(スーパーデフォルメ)とか言われていますね。

むちむちしてて可愛い

で、このSD、めちゃくちゃクオリティが高い。
細かいモーションが多いうえにぴょこぴょこ元気に動くのでとても可愛いです。

特に、生徒達の日常的な側面を見ることができる「カフェ」では、SD化した生徒たちがくつろいだり遊んだりしているので、見ているだけで癒されます。

タッチすると手を振ってくれる


そしてこの、「元気に動き回るが故に可愛い」SDは、ケモ耳属性ととても相性が良いです。

百聞は一見に如かず。とりあえず拙の推しであるイズナちゃんの可愛さ満載の動画を見てください。にんにん!!

※Arisu Archive様より



ぬぉ~~~~~~~!!!!モフりてぇ~~~~~~~!!!!!


耳もそうですが、もっちりした尻尾も可愛いですよね。嬉しいときにフリフリしてるとことか最高!!


これを見ているとやっぱりケモ耳は動いているからこそ可愛いんだと認識させられますね。というのも、耳や尻尾がニュートラルな状態→元気に動く というこの差、起伏が可愛いからです。

また、これはプラスの矢印だけでなく、マイナス方向に動いたときも可愛いです。(悲しい気持ちや不安な気持ちになったときに耳や尻尾がしょんぼりするのとか)

そして、イズナちゃんのように元気いっぱいキャラがケモ耳属性によってその元気さにバフがかかるのもいいですが、クール系のキャラにケモ耳属性が搭載されているのもまた違った趣があります。
代表的なものはブルーアーカイブの看板娘ともいえるシロコちゃん。


焦って耳が垂れちゃうところとか、刺さる人がいるんじゃないでしょうか。

こちらはSDではないですが、クールな表情とは裏腹に耳がぴょこぴょこ動いていて、クール系×ギャップ萌えという最強コンボが自然と成立しています。

「ぐへへ…口ではそう言っても耳は正直だな…」って言いたくなるような。


よってケモ耳は、プラスマイナスにかかわらず、感情とリンクした動きが最大の魅力だといえるでしょう。こういったケモ耳の魅力を最大限に生かす動画は世の中にありふれているものではなく(ケモ耳出て来るアニメとかも実はあんまない?)、それが未だにケモ耳に目覚めていない人達が多くいる大きな要因だと推測しています。
いいから男は黙ってブルーアーカイブを始めなさい。

ケモ耳は人間関係に疲弊した現代人を救う


また、ケモ耳は単なる一性癖にとどまらず、分断された現代社会における希望にさえなりうると考えています。

拙が「大人になってから」異様にケモ耳にハマった理由も考えていたのですが、おそらくそれはケモ耳故の癒し要素だけでなく、「純粋さ、正直さ」という要素が起因しているという結論にたどり着きました。
大袈裟かもしれませんが、拙はケモ耳が持つこれらの要素に救われたのです。

我々現代人は今、どの世代も様々な場面において、人間関係に疲弊しています。
少子高齢化や長期にわたる経済不況により、個々人への負担は益々増加し、経済格差やルッキズムが加速した結果、互いに騙し、嘲笑し、蔑み合う文化はとどまるところを知りません。
ネットやSNSの発展によって、逆説的に人々の繋がりは希薄になり、交友関係は狭くなり社会は分断されています。

「あいつは表ではああ言っているが、裏ではどんなことを考えているのか分からない」

「人を信頼できない」

「誰も愛せないし愛してくれない」

こういった悩みを持った人は特にコロナ禍で爆発的に増えたとされています。

人間という生き物は本来、社交的な動物であり、信頼できるグループに属することで安心感、幸福感を感じます。

しかし今、学校や職場、果ては家庭内においてさえ、心の底から信頼できない人々に囲まれる日々を送っており、心が休まるときがありません。我々は、このような嘘と偽りだらけの人間関係に辟易しているのです。

そんな現代において、ケモ耳を持ったキャラクターは言わば希望の光です。
耳や尻尾から伝わる彼女達の感情は、嘘偽りがなく真っ直ぐで、純粋で、信頼できる

普段、互いに一歩引いて、仮面を被りながら社会を生きている我々にとって、彼女達の純粋で正直な感情表現は新鮮で、眩しく、愛おしく感じます。
そしてある種の安心感も感じるはずです。

なぜなら相手の、嘘偽りのない素直な気持ち、感情が伝わってくることで、安心してその人のことを信頼できるからです。
そして、信頼できる相手には自分の素直な感情を伝えることができる。

我々は、ケモ耳の前では素直な人間になれるのです。

ネットやSNSの発展により、人々は簡単に"つながる"ことができるようになりました。
しかし、本当の意味で人と"つながる"ためには、互いに嘘偽りなく素直な気持ちを伝え合い、信頼関係を築くことが不可欠です。
元来、人々はそうやって信頼し合ってきたのだから。

「相手に素直な気持ちを伝える」
そんな当たり前だけど、とても大事なことをケモ耳は思い出させてくれる。

我々は彼女達に学び、心に「ケモ耳」を宿して、自ら感情を伝える素直さを身に付けるべきなのかもしれない。