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就職活動中の大学生は就職する会社に何を求めているのか?

就職活動をするとき、自分が就職する会社にあなたは何を求めていますか?

今回は、2011 年に行われた研究結果から当時の就職活動中の大学生が企業や職場に何を求めていたかを紹介します

引用:大学生の職業志向性に関する実証研究 : 就職活動 中の大学生に対するアンケート調査から(著者:尾形 真実哉)

早期離職とミスマッチ採用

新卒社員の早期離職は問題視されています。

早期離職の起こる原因の1つに「ミスマッチ採用」が考えられます。つまり、企業が求める人材と、内定をもらった学生の特性との間に不適合が含まれたまま採用してしまうことです。

ここでのミスマッチは様々なケースがあります。個人と組織のミスマッチ、個人特性と職務特性のミスマッチ、個人が期待していた理想と現実の心理的ミスマッチなど。

企業としては、ミスマッチ採用を防ぐために、Web サイトや企業説明会などで、求める人物像を "見える化" しています。

しかし、就活をしている学生側はどうでしょうか?

ありのままの自分をさらけ出して、自分に合う企業を見つける...
というよりも、本来の自分の姿を隠して企業の求める人物像に近づけようとしていませんか?

この結果、採用ミスマッチが生じてしまうと企業にとっても学生にとっても不幸な結末になってしまいます。

採用のミスマッチを防ぐには自分が就職する企業に何を求めているのかを明確にすることで、働くモチベーションを高めてあげる必要があります。

職業志向性

職業志向性とは、論文の中で以下のように定義されています。

職業志向性とは職業選択の際に,職場や仕事に何を求めるかという仕事の
条件やその結果に対する期待や好みのことをいう(堀他,1994,497頁)

つまり、就職活動中の大学生が企業に対して何を求めているのかを意味します。

この職業志向性は時代とともに変化するようで、その時の環境や社会情勢によってまちまちのようです。

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調査結果

この論文では、職務挑戦志向、人間関係志向、労働条件志向の3つの志向性に関する質問によって、当時の学生が何を求めていたのかを測定しました。質問項目と選択肢は以下のようです。

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各質問ごとに回答した番号の平均値を取り、さらに志向性の分類ごとにも平均値を出しています。

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その結果、職務挑戦志向は(男性 : 4.01,女性 : 3.89)、人間関係志向(男性 : 4.47,女性 : 4.46)、労働条件志向(男性 : 2.96,女性 : 2.90)でした。つまり、男女ともに人間関係を最も重視しており、労働条件はあまり考慮していないようです。男性は労働条件志向である 「高い給与やボーナス」 や、職務挑戦志向の「困難な仕事に挑戦する機会」、「実力本位・能 力本位の処遇や報酬」を求めていたようです。

女性が男性よりも大きく上回っている項目が少ないことに驚きました。

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また、文系・理系での差も調査されています。(理系少なw)
職務挑戦志向は(文系 : 3.92,理系 : 4.05)、人間関係志向は(文系 : 4.47,理系 : 4.31)、労働条件志向は(文系 : 2.95,理系 : 2.83)でした。文理の違いとしては、文系の学生よりも理系の学生のほうが職務挑戦志向性の値で差が大きいものが多いですね。また、文系学生のほうが人間関係志向を重視していたようです。

まとめ

今回は 2011 年の調査研究結果をみなさんにお伝えしました。すでに 10 年が経過しており、今はコロナもあるので、同じ調査を行ってもかなり値が変わってくる可能性はあります。

また、重要なことは、自分は何を重視するかです。今回のこの表を元に自分は一体何を企業に求めているのかを考えてみてください。

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