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隣の畑を体感してみる │ イートローカル援農部

当たり前ですが、東京にも畑があります。多摩地域では駅から少し離れると畑が広がってたり、直売所で東京産の野菜を購入できたりしますよね。でも実際に「畑で農家さんと作業する」経験をした人って少ないのではないでしょうか。私もそうでした。

隣の畑で何が起こってるんだろう?農業って具体的にどんなことするの?
そんな興味を持っていたとき、イートローカル探検隊・援農部に出会いました。これは国分寺市の中村農園さんにて、2022年1月から3月の2ヶ月間にわたり農業のお手伝いをさせていただくというもの。私と同じく、農業に興味がある大人たちが毎週火・土曜に参加しています。

今回の記事では、援農部の活動と中村農園さんについて部員の松本がご紹介。寒い冬から春に向けて、農園では様々なことが起こっていました。

舞台は国分寺の中村農園さん

中村農園さんは西国分寺駅から徒歩15分ほどに位置しています。代表の中村さんは、「人によりそう農業」を大切に、野菜づくりだけでなく地域を巻き込んだ様々な活動をされています。

中村農園では、イチゴやトマト、にんじん、ネギなど年間30品目ほどを育てているのだそう。これらのお野菜は、国分寺市内の飲食店や国分寺駅前のマルシェ、そしてエマリコのお店で出会うことができますよ!(その他、パルシステム等でも取り扱いあり)

私たちが活動した1-3月はトマト、いちご、うど、ブロッコリー、キャベツ、里芋などがありました。とにかく広い。

援農って何するの?素人でもできるの?

農業やったことないけど、何ができるんだろうか……。そんな不安も中村さんの指導があれば大丈夫。農業は奥深いし大変だけど、私にもできることがありました。具体的にはこんな作業をやっています。収穫がメインですね。

収穫作業:トマト、にんじん、ネギ、里芋、ブロッコリーetc..
そのほか:温室(いちご、トマト)の苗・茎のカット等

実際にどんな作業をしてるのか、トマトとネギに焦点を当ててお伝えします。

色彩感覚がオカシくなる?トマトの収穫

1月〜2月はトマト収穫がメイン作業のひとつでした。トマト独特のいい香りに包まれて、あったかい温室での作業。一見楽しそうだけど、かなり大変なお仕事でした。

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収穫された真っ赤なトマトたち

トマトの収穫はすべて手作業で行われます。ヘタをつけるようにして、真っ赤なトマトだけを1つずつ摘み取っていくのです。ハサミは使用せず、すべて手で。

作業前に中村さんからは「途中で赤とオレンジがわからなくなるから、気をつけて下さいね〜」というアドバイスが。正直「わからなくなるのか…?」と思ったけど、本当に途中からオレンジが赤く見えてくる。「これは本当に赤なのか?」と問いながら、黙々と赤いトマトを摘み取っていきます。

トマトの収穫作業は集中力と中腰との戦いでもありました。終わらぬトマトを相手に、ひたすら中腰。ローテーションで脇芽を切ったり、床掃除したりできたので「もう無理……」とはならなかった。

そうして収穫されたトマトちゃんたちは、パックに詰められて出荷されていきます。丁寧に育てられ、大切に摘み取られたトマトは甘酸っぱくて本当においしい。摘みたてだと、なおさら。

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緑のトマトは毒性があると言われていますが、大量摂取しなければ問題ないようです
(参照:日本植物生理学会│トマチンについて

おまけ:収穫の最終回は、緑色のトマトも摘み取りました。これはピクルスにして食べられるのだそう。オタカフェで購入できるそう。ちなみにアメリカでは「青いトマトのフライ」というレシピもあるんだとか。

ネギ坊主が来る前に!ネギを引っこ抜く

晴れた日にずっとやりたい作業、それがネギの収穫でした。2月にピークを迎えるこの作業はクワをつかって周囲の土を柔らかくし、ネギを抜いて、枯れた部分を切っていくというもの。(クワは中村さんが行ってくれたので、私たちはネギを引っこ抜いてキレイにする作業を担当)

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見渡す限りのネギ!

ネギはスパっと抜けるから気持ちいい。しかもふかふかの土に触れられるから、とても好きな作業でした。北風が吹く日の作業は寒かったけど……(本当に農家さんはすごい)

1列の作業にかかる時間は、大人4人で約1時間。そして収穫したネギを計量器で測って袋詰めしていきました。卸先によっては泥を洗う作業も発生するのだそう。

なぜ2月はネギの収穫がピークなのか?それはネギ坊主の存在があるからです。名前は可愛いネギ坊主。しかしこいつが現れると、「このネギはもう硬い」の合図なんですって(中村さん曰く、「ネギ坊主は天ぷらにすると美味しい」らしい。食べてみたい!)

花であるネギ坊主は、暖かくなると現れます。つまり冬の間にネギを収穫しきる必要があるんです。

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必死に収穫する援農部員のみなさん

春直前に収穫されたネギは、なんとなく太い気がする。一冬越したからか、普通のネギ以上にあまーい!

農業って想像以上に大変だけど奥深い!

トマトやネギだけでなく、いろんな野菜の収穫作業を体験させてもらっています。そこでの発見は、「手作業が多い」ということ。一つひとつのお野菜が、丁寧に扱われていたのです。機械を使用する場面もありますが、収穫は手作業がメイン。朝から晩まで、寒い日も暑い日も作業する農家さんって本当にすごいし、正直めちゃくちゃ大変だなと思いました。

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もう一つの発見が「品種ごとに様々な工夫がされている」ことでした。保管の方法や温度など、本当に色んな「へぇ」があって奥深いのです。これって、実際に農家さんと作業しないとわからないことだと思います。

援農部の活動期間は残りあと1ヶ月。訪れるたびに表情を変える畑にワクワクしています。これから春に向けて、畑ではどんな変化が起こるのか。そして農作業を通じてどのような発見ができるのか、楽しみでなりません。

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