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6月30日 99.9パーセントうれしい

上の子と一緒にいると、ああこれを書き留めておきたいと思って、翌日には忘れてしまっている、ということが多い。昨日も、あの、交差点の前に小さな広場で、遠くをガタゴト走る私鉄を見ながらこの会話を覚えておこうと決めたのに、なんのことだったか忘れてしまった。
今朝も、下の子を抱っこ紐に入れて、手をつなぎながら歩く。唐突に、あのね、保育園のAくんによく押されたり乗っかられたりするんだよ、としかめつらで言いはじめる。Aくんと子のやり取りはよく見かけているので、「それ、いやなの?うれしいの?」と聞いてみたところ、「0.1パーセントいやだ」との返事。「残りの99.9パーセントは?」と聞くと、「うれしい」とニヤニヤしている。
彼らはいつもきゃーきゃーうれしそうに、軽く押してみたり、背中から乗っかってみたり、追いかけっこをしたりしている。楽しくなるとヒートアップしてしまい、突然「Aくんが押した!」などと片方が泣きはじめることがある。いや、あなたさっきまで、「ちょっとおして(ニヤニヤ)」とか言ってたじゃないか…
園の先生とおしゃべりして、なんか楽しそうなのに泣きますよねえ、そうなのよまったく、と笑う。それでもやっぱり、押したり乗っかったりはケガをするかもしれないので注意しているそう。
わたしも、ニヤニヤしている自分の子に、楽しいのは何よりだけど、ケガに気をつけること(ペン持ってたらものすごく危険だし、棚の角にぶつかっても危ない)、相手がいやじゃないかを確かめることをつたえる。
子どもたちは、さっきまで楽しかったのが急にいやになって怒る、ということがとても多い。そうなると相手の子は「さっきまで楽しそうだったのに…!」とぷりぷりしつつ、でも「ごめん」とそれを受け入れる。
相手の顔色を見ながら、トライアンドエラーを繰り返して付き合っていくというのを、あきらめないてほしいと思う。私もあきらめないようにしなくてはならない。

たしか、だいぶ前に読んだ、上間陽子さんと信田さよ子さんの対談本で、「暴力のせいで、人に少しでもふれられるのが怖い子どもにどう接するか」というくだりがあった。上間陽子さんが、「上手な先生は、自分がふれるのではなくて、さりげなく子どもたち同士に、身体を使う遊びをさせるんですよ」というようなはなしをしていた。少しずつ、身体がふれること=暴力ではない、安心につながる、ということを感じられるように。楽しそうにじゃれあっている子たちを見て、ふと思い出したのでした。

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