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【インタビュー】ELYZA Labを牽引するMLエンジニア、中村さんが見据える次の課題を聞いてみた

【Profile】
中村 朝陽 nakamura tomoaki/東京大学 情報理工学研究科 卒
松尾研主催のDeep Learning for NLP スプリングセミナー講師を務める。大学在学中からELYZAに関わり『ELYZA Brain』『ELYZA Digest』などの独自モデルを開発。現在は主にLab(ラボ)部門にて自然言語処理やLLMの研究開発をリードしている。

言語処理技術の社会実装に関わりたかった

中村さんは大学在学中からELYZAに関わってくださっていますが、どのようなきっかけだったのですか?

2018年の末頃から、ELYZAで長期インターンとして関わり始めました。松尾研究室が主催するスクールや『DL Hacks』という勉強会に参加し、懇親会で曽根岡さんと話したことがきっかけでしたね。機械学習を扱いつつ、社会実装に関われることに魅力を感じました。

もともと機械学習を研究していたのですか?

元々は映像やゲームなどのクリエイティブ領域に興味を持っていました。プロジェクションマッピングなども好きでしたね。カッコいい映像を創るために遺伝的アルゴリズムを用いたプランニングなどを研究するうち、画像や言語処理に多く用いられるディープラーニングに出会いました。先述のスクールに参加したところ、それが面白く、特に技術難易度が高いと感じた自然言語処理に興味が強くなっていきましたね。

大学の研究室ではより計算効率の高い言語モデルの生成手法や、音声認識の情報欠損を補う方法などを研究していました。並行してELYZAでのプロジェクトもやっていたので大変でした(笑)。

そのままELYZAに入社を決めた理由は何だったのでしょう?

まず、一緒に働く人が見えていたのは大きいですね。技術的なスキルが高い人が多いことはもちろんですし、コミュニケーションも穏やかです。CTOの垣内さんとは付き合いが長くなりますが、常にこちらの目線に立ってくれますし、技術アドバイスだけでなく業務以外の相談に乗ってもらったりもしています。

他のインターン先での経験と比べるわけではないのですが、ELYZAは全体としてエンジニア気質が高いですよね。エンジニア以外でもSlackやNotionを使いこなしていたり、誰でもマークダウンが記述できたり。気合いと根性で解決だという話は聞かないですよね(笑)。

未踏に挑戦することは、「想像もできなかったこと」を現実にすること。

技術者の視点で、ELYZAで得られるものは何だと感じますか?

ELYZAは挑戦する機会を与えてくれると思っています。印象に残っているのは、法律文章を扱うプロジェクトの中で、OCRエンジンをスクラッチで開発したことですね。当時はデータセットも良いライブラリも無かった中で、「より良いものを生み出し提供できる可能性があるならやってみよう」と背中を押してもらいました。

結果を追求され過ぎるとまた難しさがあると思うのですが、「未踏課題なんだから何事も仮説検証だよね」という社風もありがたいです。だからこそそこに甘えず本気で挑戦しようと思えますね。

あとは『未踏の領域で当たり前をつくる』の言葉の通り、そもそもプロジェクトが技術的に難易度が高いことが多いです。チャレンジングな課題が常にあるとも言えますね。常に新しいことを調査し、つくり、知識を蓄積していくことができています。

ChatGPTの登場によって、挑戦機会に変化はありましたか?

これまで出来なかった多くのことが出来るようになったのは間違いないと思います。ただそれは「未踏」の場所が変わっただけで、今までは出来るともやろうとも思っていなかった新たな課題が出てきていると思います。例えば『AI Tuber』なんてほんの少し前まで想像もしていませんでした。

現在もELYZA Lab部門で新たに出てきた課題を解決しようと取り組んでいます。たとえば、Post-Trainingと呼ばれるモデル学習の基盤を作ることや、モデルの軽量化などです。

個人的にも取り組みたいことは多くありますが、例えばLLM(大規模言語モデル)のレスポンスをリアルタイム化したいですね。軽量化、高速化する余地はたくさんあると感じています。1秒間に60回くらい、例えばGoogle検索のサジェスト機能くらい反応速度が早くなれば世界が変わります。ゲームのキャラクターや現実世界のロボットが人間よりも早く思考して即座に動くような、「想像もできなかったこと」が現実になっていく未来にはやはり刺激や魅力を感じますね。

課題解決力の高いMLエンジニアを目指して

今後どのようなエンジニアになりたいと考えていますか?

私個人としては、ELYZAやお客様の事業としての優先事項を見極め、それに対して最高の手法を用いて成果につなげるということがやりたいです。ひたすらに技術力を追求する、例えばより美しいコードを追求するという道もあると思います。私がやりたいのは、目的を見極め、目的のために全力を尽くすということですね。

解決策として適切であれば技術的な難度にはこだわらない姿勢を持ちたい。それを実現するために「T型人材」と呼ばれるような、専門技術と幅広い基礎力を併せ持つエンジニアになりたいと思っています。ELYZAは事業があってお客様がいますし、同時に研究開発を担うLab部門があるのでそこは面白さのひとつですね。

※編集より
中村さんらが研究開発した、Metaの「Llama 2」をベースとした商用利用可能な日本語LLM「ELYZA-japanese-Llama-2-7b」が2023年8月29日に公開されました。こちらのnoteもぜひ読んでみてださい!
https://note.com/elyza/n/na405acaca130

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