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大切にされていたから言えなかった

『大切にされていたから言えなかった』

正確な台詞は忘れてしまったけど、
「きみの色」の中で耳にした言葉。

何でも言っていいよと言われても言えないこともある。
大切にされていた大事にされていた
とわかっているから言えないことも。

言葉にすることが正解でもなく
言葉にしないことが正解でもない。

できないしたくないということもある。
誰しもそんな経験もあるのではないだろうか?
親には言えなかったみたいな経験も含めて。

性格もあるでしょう。
ズバズバ言える人もいれば、
言葉を内にしまっておく人もいる。

言葉を返そうと思ったけど、何を返したらいいのかわからなくて、言葉を見失っているうちに消えていった言葉もある。

映画を観て言葉では表現したくないような表現できないような気持ちがあったから、感想を書くのはやめようと思っていた。

ただ、このタイミングでこの言葉だけは残したくなった。
言葉は大切だけれど出さない言葉があってもいい。
言葉がないから感情がないわけではない。
言うから強い、言わないから弱い。というわけでもない。

言葉にすることで違う方向に向かってしまうこともある。
言ったから伝わるものでもないこともある。

この映画が「言葉にしない表現」で作品が届けられている。
言葉にすると断定になってしまうが解釈は一つではない。
観て感じたことは一つでも一緒でなくてもいい。

強いインパクトが残るわけではないが、
そっと寄り添い続けてくれる優しい映画だった。
心の中にポツっと残りつづけていくような気がしている。

▼映画「きみの色」


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