にんげん。
人間というものが、よく分からなくなる時がある。
同じ言語を話しているのに、自分の言葉だけが通じず、僕以外の全員はお互いを理解し合っているような。
自分だけが違うルールの世界で育ってきたような。
違う種族が暮らす、とんでもなく場違いな場所に生きているような。
何でそんなに簡単に嘘がつける?
何でそんなに人に愛情を持てる?
なぜ、疑いながら信用しているふりができる?
自分に障害があるのかもしれないと思ったこともある。
診断を受ければ傾向は認められるんじゃないかと思っている。
だけれど、どうしても、世間で生きている僕以外の大多数の人が不自然に見えてしまう。
僕が生まれながらのモンスターであってほしい。おかしいのは僕くらいであって欲しい。
だって、みんながこんな矛盾に苦しみながら生きているならば、世の中は辛すぎるでしょう。
メッキ加工された嘘ばかりに見える社会の中で、時々、そうでない人がいる。
純粋な人たち。
心と一致した重みのある言葉を話す人たち。
世間では白い目で見られるような、1人で生きている人に多い気がする。
「人間失格」の主人公が太宰治本人のうつし鏡なら、彼もそう。
そんな人たちの美しさに励まされて、なんとかにんげんを続けていられる。
ご飯が炊けたみたい。
それでは、また。
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