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『マイリトルポニー:新しい世界』感想(気になった所と、よかった所)※ネタバレあり

『マイリトルポニー:新しい世界』は、とても良かった部分と、ちょっと引っかかる部分が両方有りました。
良かった部分はキャラクターとテーマ、引っかかったのはシナリオ上の主人公たちの行動(大きく二箇所)です。

1.旅の目的がすり替わった?

サニーの旅に出た目的は、本来「三種族の仲直り」であり、「魔法の復活」はあくまで仲直りのための手段だったと思うのですが、その手段と目的がいつの間にか入れ替わってしまったように見えました。
魔法が復活しなくても、ペガサスとユニコーンが協力してくれているんだから、この時点で本来の目的は達成されているのでは?と思ったら落ち込んでしまったので、ちょっと不思議でした。

2.G4映画との構造的な反発

これはこの作品の問題というより、G4の世界観と繋がっているせいで、本来気にしなくて良いポイントが気になってしまったところです。
『プリンセスの大冒険』では「自分の事情より、出会った先で困っている人を助ける」という展開が繰り返し描かれていました。それこそが「友情の魔法」だと結ばれます。
それに対し今回は、いく先々で、主人公が自分の都合で引っ掻き回す展開が続くのが気になりました。とくにクリスタルを盗む展開は、シーポニーの宝石を盗むシーンを彷彿とさせ「お前ここにピンキー先輩がいたら説教タイムだぞ」と思ってしまいました。
これは、本作を前シリーズと独立した作品として見た場合は、気にならないポイントである事を繰り返しておきます。

良かったポイント

今作は、根強い差別をテーマにしており、この問題はここ数年でさらに強まっています。だからこそ、よりストレートで、より強いメッセージを打ち出すという製作者の危機感と目的も感じられました。

キャラクターも魅力的でした。視聴者と同じ視点のサニー、イジー、ジップは最後まで志がブレず、周囲のキャラクターが変化・成長していく展開は良かった。とくに、ヒッチとピップの変化は大きかったですね。
今回のポニーたちの、これからのエピソードが観たいと思いました。個人的には、クイーンヘイブンとアルファビットルのエピソードがあるととても嬉しい。

現在、リアルタイムで重大化している問題に対して強いメッセージを子供達に伝える。
マイリトルポニーのタイトルを継げるような、魅力的なメーンキャラクターを生み出す。
この二つのハードルをクリアしている時点で、今作は充分成功していると言えるのではないでしょうか。

サニーがアリコーンになるシーンや、ラストでCMCを思わせる幼い三種族のポニーが仲良く走っていくシーンは、テーマとの合致もあり、とても感動的でした。

最後になりますが、歌もよかったですね!特にみんなでユニコーンの真似をするときの『fit right in』、和訳ラップパートの韻の踏み方!天才!
めちゃくちゃニルバーナな『danger danger』も笑いました。
しかし、今作版のオープニング主題歌が無かったのは返す返すも残念でした

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