2022年11月3日

11月3日、文化の日。
明日には中間テストが控えているということを完全に忘れており、今日ちゃんと勉強しなければいけないと思い布団に入ったが、結局まともに目を覚ますことなくバイトの時間を迎えてしまった。文化の日というのに、勉強もせず娯楽にも耽らず、ただ白昼夢の中を泳ぎ続け、目覚めとともに全てを忘れてしまった。おかげで大変に目覚めが良い。


11月になって初めてアルバイトがあった。10月の頃はハロウィン仕様の飾り付けがされており、店内にカボチャやらオバケやらが点在していた。しかし11月になるとそれらは全て姿を消し、代わりにリースやらベルやらサンタやらトナカイやらが店内至る所に置いてあった。そう、クリスマス仕様の飾り付けである。
随分気が早いじゃないか、と僕は感じた。まだ2ヶ月ほど先の話だ。ここ10年ほどハロウィンというイベントの存在が大きくなってきているが、まだまだクリスマス先輩には遠く及ばないと言わんばかりの猛プッシュである。ハロウィンが無かった頃は11月頭からクリスマスシーズンを謳うことはなく、11月半ばや12月頭頃からだったのではないか、と思っている。ハロウィンが10月終わりにあることで、11月に微妙な空白の期間が出来てしまった。それを埋めるためにクリスマスシーズンが延びてきて、大して寒くもない11月頭にもうクリスマスなどと言い出してしまっているのではないだろうか。「ハロウィンはクリスマス先輩には遠く及ばない」と言うより、「ハロウィンの定着でクリスマス先輩は更に影響力を増した」と言う方が適切な気がした。
しかしクリスマス気分なのは店側だけなのではないか、と僕は思う。12月になれば飾り付けを見て「もうすぐクリスマスだなぁ」とはしゃげるものだが、最高気温が20℃を超えるような日にリースを見たところで全く心に引っかかるものが無い。まだクリスマステンションになれていないのである。ハロウィンとクリスマスの間の半月ほど何もないというのは心地が良くないもので、仕方なくクリスマス先輩が前倒しして出しゃばって来たは良いものの、世間的には「早くない?」とあまり受けが良くない。これではクリスマス先輩が可哀想である。
日本人は宗教に対して非常に寛容な民族であるというのはハロウィンやクリスマスから言える。これを無宗教と表現されがちだが、無宗教なのではなく、霊的なもの、神的なもの、仏的なものを漠然と信じていながら、そこに対してのこだわりが無いだけである、という話を以前聞いたことがある。本当に無宗教ならそもそも非科学的な宗教行事を受け入れないはずなので、この説明には納得している。日本人にはそうしたこだわりの無さ、寛容さがあるので、いっそ11月末にも何か適当なイベントを持ってきたら良いのではないかと思う。先日ハロウィンの大騒ぎがニュースになった際、「若者がはっちゃける場が減っている。だから渋谷は年に一度あんなことになってしまうのだ。」という主張を目にした。そうだ。秋のG1レースだって、中長距離王道路線として10月の天皇賞、11月のジャパンカップ、12月の有馬記念とビッグレースが1ヶ月おきに組まれているのだから、ジャパンカップにあたる季節イベントを何かしら生み出せれば、クリスマス先輩が無駄に出しゃばることもなく国民も楽しめるのではないだろうか。
一体何の話をしているのだろうか。とにかく、まだクリスマスの心になっていないのだ。やはり11月は影が薄いと感じた。

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