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【詩作日記】「異国の出来事 / トルコの文字」

「トルコの文字」

とりあえず
トルコの文字を
読むことはできるようになりました
エクザネ ロカンタ ビュフェ
ポリス オテル ジャンダルマ
しかし意味はちっとも分かりません

街を歩けば看板も何もかも
すべて特殊なアルファベット
パッと見ならばヨーロッパと同じなのに
とてもヨーロッパとは思えない
街のつくりにアルファベットの看板は
とてもアンバランス

考えてみれば
あのアラビア文字を
アルファベットに変えただけで
その言語の構造までは
簡単には学べない
メルハバ
こんにちは
テシェッキュルエデリム
ありがとう
ヤルン ギョルシェリム
またあした
こんな日常の挨拶だけ
あとは読むことはできても
理解はできない
しかし読んでみないと
どんなものかもわからず
読んでみてたまに
意味の分かるものだってある
町並みは中東のようで
とてもミステリアス
そこに溢れる文字だけ
ヨーロッパのようで
そのアンバランスさが
文字を読んでみる楽しみの
ひとつになる


「トルコの文字」 詩集「異国の出来事」より
1997年コンヤにて 2021年再推敲

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