遊羽

ただの身体が不自由な病人。

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【日記】 (2021年10月13日更新)

<最終更新日:2021年10月13日>  よくある日記のタイトルに「徒然」という言葉がある。僕自身は使ったことがないのだが。思った事をそのまま書き綴る時、徒然の…

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3年前
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【詩作日記】「異国の出来事/パムッカレ」

「パムッカレ」 石灰分を含んだ温泉が 白い芸術を作り出す それがパムッカレ そっと足を水に浸して 大地の脅威を 直に感じてみる 日本の温泉と 明らかに違う何かゞあるの…

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2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(88)」

さびりかげでもなんじょもなんね 残暑の道端で西瓜切る 眼鏡曇って道踏み外す たゞならぬ光景も三日で見慣れる 夕暮れ時包丁をしまう

遊羽
2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(87)」

 軌道と言うより線路  青い鳥に逃げられる夢ばかり  空き地に群れるカラスの数かぞえ  通り過ぎる電車どこへ行くか気にかゝる  ずぶぬれのまゝ海へ行く

遊羽
2年前
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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《島根県》

島根県大社駅  JRにはかつて大社線というこれまた枝線みたいなローカル線があった。と言っても廃線になってからすでに30年以上も経っている。当然だが平成生まれの人…

遊羽
2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(86)」

 足音潜ませ希望の明日逃げてゆく  銃口と言論が今日も人を踊らせ  夜中のゴミ捨てにも概念を分析する  ネギ切って朝が来る  三遍回って自由と叫ぶ

遊羽
2年前
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【詩作日記】「四行詩・北海道 / 風の強い町」

「風の強い町」/ Ветреный город 僕は別に あなたに会いに来たわけではない たまたまこゝにたどり着いたゞけのことだ いつ来てもこゝは風が強い 函館の知ら…

遊羽
2年前

【詩作日記】「異国の出来事 / ディナール」

「ディナール」 湖の地方をぬけ山を越えると そこはディナールという街 この街は大地震に襲われ 街の中は未だに瓦礫の山だった あっと言う間に通過してしまった街 目に…

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2年前
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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《山口県》

山口県仙崎港  山陰本線に枝線がある。長門市駅から仙崎までの短い枝線だが、ここになぜわざわざ枝線があるのか、その理由はわりと奥の深い話かも知れない。  終戦後…

遊羽
2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(85)」

 デイライフにコミットでもしてみるか  対岸の島から悲鳴が聞こえる  雪だるま避けわんこ歩く  外から見ているだけで良かった  昨日よりもさらに縮む

遊羽
2年前
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【詩作日記】「四行詩・北海道 / 江差追分」

「江差追分」/Эсаши Оиваке のびて響く 響いて届く 哀歌のような情熱が波濤のように届く 今日の夕陽もまた紅かった 江差の音が一つ混ざってゆく 「江差追分…

遊羽
2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(84)」

 あんなに渇望し翌週は机の下  そんな道具あったなら隠遁しなかった  時計多く持ちまた約束守れず  勝手にそれでいゝと決めるな  謂れのない言葉死ぬまで呪い続け…

遊羽
2年前
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【詩作日記】「異国の出来事 / エザン(3)」

「エザン(3)」 湖の畔の街 エールイディルの昼下がり 英字新聞を求めて ふらふら歩いていた 小学校が終わったところで 子ども達の視線に晒されて 日本人だと小声で囁か…

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2年前
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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《広島県》

広島県向島  今から15年くらい前に尾道に行った事があった。日本中旅して回っていたが尾道は初めてだったのだが、その時に高台から海峡の対岸にある向島が見えた。船…

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2年前
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【自由律日記】「食べられる退屈(83)」

 存在の軽さ較べ瞼なお重くなる  爆竹でアリの巣拡張工事  たゞならぬ角度で本開く  どこまで似る似たもの同士  春の緩みのせいにしておこう

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2年前
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【詩作日記】「四行詩・北海道 / 松前挽歌」

「松前挽歌」/Мацумаэ Элегия こゝまで来れば北海道とは雖も こゝまで来て尚北海道は感じ難き 思いのほか行きにくいこの町 今日も津軽海峡が輝いていた 「…

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2年前
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【日記】 (2021年10月13日更新)

<最終更新日:2021年10月13日>  よくある日記のタイトルに「徒然」という言葉がある。僕自身は使ったことがないのだが。思った事をそのまま書き綴る時、徒然のスタイルでいいと思うこともよくある。  ここでは何かに関連した一連のことを一つの「日記」として記録したい。それはリアルな生活日記から創作のテーマに沿った日記まで雑多なものになるだろう。  何か、何でも良いので続く日記を、続かなくても他の日記をつなげてでも続ける日記帳のようなものをここで展開したいと思う。 【コン

【詩作日記】「異国の出来事/パムッカレ」

「パムッカレ」 石灰分を含んだ温泉が 白い芸術を作り出す それがパムッカレ そっと足を水に浸して 大地の脅威を 直に感じてみる 日本の温泉と 明らかに違う何かゞあるのに 歯痒いまでに 言葉で言い表せない 石灰棚の上で じっと下の街を眺めていた デニズリという名の街 確かにこゝも 異国の街 温かいところにやってくると 白人の観光客が増えてくる カッパドキアとは異なる あか抜けた雰囲気が わざとらしささえ 感じられていた 「パムッカレ」 詩集「異国の出来事」より 199

【自由律日記】「食べられる退屈(88)」

さびりかげでもなんじょもなんね 残暑の道端で西瓜切る 眼鏡曇って道踏み外す たゞならぬ光景も三日で見慣れる 夕暮れ時包丁をしまう

【自由律日記】「食べられる退屈(87)」

 軌道と言うより線路  青い鳥に逃げられる夢ばかり  空き地に群れるカラスの数かぞえ  通り過ぎる電車どこへ行くか気にかゝる  ずぶぬれのまゝ海へ行く

【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《島根県》

島根県大社駅  JRにはかつて大社線というこれまた枝線みたいなローカル線があった。と言っても廃線になってからすでに30年以上も経っている。当然だが平成生まれの人達には「日本国有鉄道」いわゆる「国鉄」というものは知らないことになるが、この大社線はそんな国鉄が終わりを遂げて間もなく姿を消した。  大社線の目的は出雲大社へ参拝する人を出雲市から運ぶものだったと考えられる。他に何か目的があったかどうかはわからない、ただ国鉄全盛期だった頃関西方面から直接大社まで行く列車が運行され

【自由律日記】「食べられる退屈(86)」

 足音潜ませ希望の明日逃げてゆく  銃口と言論が今日も人を踊らせ  夜中のゴミ捨てにも概念を分析する  ネギ切って朝が来る  三遍回って自由と叫ぶ

【詩作日記】「四行詩・北海道 / 風の強い町」

「風の強い町」/ Ветреный город 僕は別に あなたに会いに来たわけではない たまたまこゝにたどり着いたゞけのことだ いつ来てもこゝは風が強い 函館の知られざる碑の前で足を止める 「風の強い町」 2022年

【詩作日記】「異国の出来事 / ディナール」

「ディナール」 湖の地方をぬけ山を越えると そこはディナールという街 この街は大地震に襲われ 街の中は未だに瓦礫の山だった あっと言う間に通過してしまった街 目に入ってきたのは 家の修繕をしている人々だった がんばれの一言が あまりに無責任だと言われたが 僕はこの街の風景を見て がんばれ以外に 何も思い浮かぶ言葉もなかった 町外れで休憩をした 土産物屋の値段は カッパドキアに比べたら 高くなっていたのだが 値切りをすることもなく アミュレットと地図を買った 地図がな

【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《山口県》

山口県仙崎港  山陰本線に枝線がある。長門市駅から仙崎までの短い枝線だが、ここになぜわざわざ枝線があるのか、その理由はわりと奥の深い話かも知れない。  終戦後大陸にいた日本人は何らかの形で本土に戻ってくるわけだが、その大半は日本海を渡って帰って来た。これを「引き上げ」といい、夥しい数の引き上げ船が日本海沿岸の港に到着した。引き揚げ船が到着し引き上げ援護局が開かれた港が18カ所。そのうち日本海沿いの港は舞鶴と仙崎だった。(新潟や敦賀からも援護局はないが上陸できたと思う)。

【自由律日記】「食べられる退屈(85)」

 デイライフにコミットでもしてみるか  対岸の島から悲鳴が聞こえる  雪だるま避けわんこ歩く  外から見ているだけで良かった  昨日よりもさらに縮む

【詩作日記】「四行詩・北海道 / 江差追分」

「江差追分」/Эсаши Оиваке のびて響く 響いて届く 哀歌のような情熱が波濤のように届く 今日の夕陽もまた紅かった 江差の音が一つ混ざってゆく 「江差追分」2022年

【自由律日記】「食べられる退屈(84)」

 あんなに渇望し翌週は机の下  そんな道具あったなら隠遁しなかった  時計多く持ちまた約束守れず  勝手にそれでいゝと決めるな  謂れのない言葉死ぬまで呪い続ける

【詩作日記】「異国の出来事 / エザン(3)」

「エザン(3)」 湖の畔の街 エールイディルの昼下がり 英字新聞を求めて ふらふら歩いていた 小学校が終わったところで 子ども達の視線に晒されて 日本人だと小声で囁かれている 小さな店をのぞき込んだとき 突然街の通りにあるジャミイから エザンが聞こえてきた 急ぎ足でジャミィへと歩き出す男達の 流れに逆らって歩いていく 真昼に響く祈りの声に もう新聞なんてどうでも良くなってしまう 乾いた色の街の中 耳を澄ませて佇んでいた 異国の異教徒である僕にも 昼の祝福を分け与えてく

【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《広島県》

広島県向島  今から15年くらい前に尾道に行った事があった。日本中旅して回っていたが尾道は初めてだったのだが、その時に高台から海峡の対岸にある向島が見えた。船のない造船所、そして「ろ」とだけでかでかとかかれた看板が妙に目を引いたものだ。直後に知ったが尾道でだけ今でも船の艪を作っているということだった。もうひとつ思い出したのが大林映画のどれだか忘れたが向島へ行く船がなくなって帰れなくなるエピソードだけ思い出した。その向島、現実として自分の目の前にあった。それだけでもなんとな

【自由律日記】「食べられる退屈(83)」

 存在の軽さ較べ瞼なお重くなる  爆竹でアリの巣拡張工事  たゞならぬ角度で本開く  どこまで似る似たもの同士  春の緩みのせいにしておこう

【詩作日記】「四行詩・北海道 / 松前挽歌」

「松前挽歌」/Мацумаэ Элегия こゝまで来れば北海道とは雖も こゝまで来て尚北海道は感じ難き 思いのほか行きにくいこの町 今日も津軽海峡が輝いていた 「松前挽歌」 2021年