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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《島根県》

33島根県大社駅

島根県大社駅

 JRにはかつて大社線というこれまた枝線みたいなローカル線があった。と言っても廃線になってからすでに30年以上も経っている。当然だが平成生まれの人達には「日本国有鉄道」いわゆる「国鉄」というものは知らないことになるが、この大社線はそんな国鉄が終わりを遂げて間もなく姿を消した。

 大社線の目的は出雲大社へ参拝する人を出雲市から運ぶものだったと考えられる。他に何か目的があったかどうかはわからない、ただ国鉄全盛期だった頃関西方面から直接大社まで行く列車が運行されていたのは覚えている。

 この大社駅、鉄道はなくなっても建物が立派だった事もあり国や島根県の重文に指定されていて、駅舎もいまだに存在している(だからストリートビューでも追えるのだ)。

 まだ国鉄だった時代、早朝にこの大社駅に行っている。出雲市駅に朝到着する特急「出雲」が乗客を全員降ろしたあと、寝台をたたんで普通列車扱いで大社まで行っていたのに乗った事があった。早朝に大社まで行き、そこから出雲大社まで歩いて行った時、まだ誰もいない参道を7〜8人くらい横一列になって所謂「Gメン歩き」をした事を覚えている。一人一人じゃ何もできないのにそれだけの人数集まるとGメン歩きでも何でもやっていたバカ連中の一人だった。でもあれはあれでいい思い出でもある。

 その時あたりまえだが縁結びの神様に素敵な彼女が現れますようにと願をかけた。恐らく自分以外も全員同じお願いをしたはずだ。しかしそれを聞き入れてもらえた者は誰一人としていなかった。そんなわけでさらに大社線がなくなってから改めてお願いに上がったが、その時もその願い入れは却下されてしまった事を覚えている。何が縁結びの神様だとたいそう無礼な事を口にもしたが、やはりそれ相当の支度も調わぬ未熟者だったからしかたがなかったなと後になって思うし、その後良縁にも恵まれていることを考えればお祈りとそれを受け入れてもらうまでのタイミングのずれまでは神様であっても責任持てないものなのだろうと思う。

 その後島根県はやはり遠く、松江までは行けても出雲には行けなくて出雲大社にもまだお礼参りができていない。当時縁結びの事ばかりで頭がいっぱいだったが、次は別の願い事をぜひにしたいものだと思っている■

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