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【読書録】人の心や記憶にすっと入り込む文章を書きたい

移動中、川内有緒さん著『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を読んでいた。

この本は、全盲である白鳥さんと、著書やその友人がともに美術館を巡る様子を綿密に記述したもので、

紹介されている美術館に行ったこともなく、そこに飾られている絵画を観たこともないのに、

著書や白鳥さんらが行っている美術鑑賞のあり方を追体験でき、
視点の違いから、美術鑑賞の新たな面白さが生まれていく過程を追うことができる、とても素敵な本だと思う。

まだ半分くらいしか読めていないけれど、今年読んだ本の中で最も読んでいて楽しかったものの1つになるような気がする。

全盲の白鳥さんとともに美術鑑賞をする。
そのスタイルの面白さも勿論、この本の魅力に繋がっているのだと思うけれど、
それ以上に、著者の軽やかでバランスの取れた筆致が内容の面白さをさらに引き立てているように思う。


本を読んでいると、
ああ、こんな文章を書けたらなと思う人によく出会う。
川内さんもそのうちの1人で。

障害というテーマ、障害を持つ人が経験する現実という面と、
多様な視点から生まれるユニークな美術鑑賞のあり方という面を、
調和させ、
受け手側が重たくならないような丁度良いバランスを保つ。

丁寧かつ朗らかな川内さんの語り口は、読んでいても全然胃もたれしないのに、その両面性がどちらも真っ直ぐに伝わってくる。

こんな文章を書けたら、どんなテーマでも、一見受け入れることが難しい題材でも、人の心や記憶にすっと入っていけるような気がするけれど。

どうやったらこんな文章を書けるのかしら。
まずは、不足した語彙力を補うところからだろうか。

そういえば毎日noteを書いていると、使用頻度の高い言葉があるなと気づく。
例えば、楽しい、素敵とか。

自分の中でついつい使ってしまう便利屋な言葉たちを、何か他の言葉、もっとその時の状況に相応しい言葉に言い換えられたら、
自分にも、他者にも届きやすい、伝わりやすい文章になるのだろうか。

せっかくこうやって毎日noteを書いてみているのだから、
言葉を丁寧に選ぶことを心掛けていきたいと思った。

読了したら感想もちゃんと書こうっと。



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