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America's Best Family Resortへようこそ

今年もN州の海での1週間が終わり、長い夏休みも終わりが近いな、という気持ち。家族で海に滞在するのは夫の祖父母の代からの決まりだそうで、わたしも結婚した2004年から毎年参加している。義父母+義姉家族+うちの家族合わせて10人の集団生活は正直きついし、毎日が縁日みたいな食生活で胃が疲れてしまうのだが、なんとなく楽しみなのもまた事実。日本人のわたしには結構おもしろい場所なので記録しておきたい。
日帰りだったり、2、3日の滞在だったりする人もいるが、かなりの人がコンドミニアムや家を借りて1週間滞在していると思う。別荘を持っているリッチな人たちはもっとひっそりしたビーチに行く。ここはわちゃわちゃとした庶民のリゾートだと理解している。

ボードウォークを行ったり来たりする一週間

このリゾートの中心はなんといってもビーチ沿いのボードウォーク。4㎞にも及ぶボードウォークに沿ってレストラン、店、遊園地etc.がみっちり並ぶ。

夜もにぎわうボードウォーク

朝起きたらボードウォークをジョギングしてひと汗流す。朝ごはんをボードウォークのレストランで食べてから海へ、お腹がすいたら水着のままボードウォークで軽食を買って、海に飽きたらボードウォークのミニゴルフで遊んだり、ショッピングをしたり。夜はボードウォークの遊園地やストリートパフォーマンスを楽しむ。帰る前にボードウォークのお菓子屋さんでお土産を、そんな風に過ごす人が多いと思う。
そんなわけで、1週間飽きないようにしょっちゅう何かしらのイベントがある。一番楽しみにしているのは、Baby Parade。仮装した赤ちゃん(と親とベビーカー)たちが練り歩くだけなのだが、毎年かわいいものを見せていただき本当にありがとうございます。パレードじゃなくてもボードウォークを歩けばかわいい赤ちゃんにたくさん会えて、それだけでも毎年来る価値があると思っている。

PHIL17 NEWSより すいかの妖精かわいい
たぶん一番上手いパフォーミンググループ。踊る子どもたち。

America's Best (White) Family Resort

海にいると様々な注意とともにWelcome to America's Best Family Resort!というアナウンスがよく聴こえてくる。このビーチは有料で、お酒も煙草も犬も禁止だ。そもそも町に酒屋がない。小さい子ども連れが本当に多く、レストランで子どもが泣いてもお互いさま!という感じで気楽だ。ボードウォークに限れば、12歳を過ぎたら子どもたちだけで外出させても大丈夫な感じ(この国ではあり得ないこと)。そういう意味で確かにBest Family Resortなのだろう。こうやって海で過ごした子どもたちが大きくなってまた自分の家族を連れてくる。だからこのリゾートはなんとなくノスタルジックな雰囲気に満ちている。うちの子どもたちはこのfamily traditionを引き継ぐのだろうか。

久々に乗ったノスタルジーの王様

ひとつだけ異様に感じるのは人種の偏りだ。白人ばかりというわけではないこの州なのに、海にいるのは圧倒的に白人。特にアジア人には1日に10人も会わないと思う。ビーチでひたすらのんびりするというのは白人カルチャーなのだろうか…そんな感じなので、わたしはお店の人にすぐに顔を覚えられてしまう。2回目に行くと「ハーイ!あ!あれ(前回買った/見ていたもの)でしょ?」とにこにこ言われる。絶対悪いことはできない。

食事(つらい)

最初に「毎日が縁日みたいな食生活」と書いたが、ピザ、タコス、揚げもの&冷たいものの連続パンチに今年は本当にやられてしまって、楽しみにしていたソフトシェルクラブも1回しか食べられなかった。「郷に入っては」主義だったわたしも来年はいよいよ素麺と梅干を持って来なければいけないと思う。(そもそも揚げ物のつけ合わせがポテトチップスっておかしいな?

値段もかなり上がっている。よく食べていたDole Whipというパイナップルのアイスクリームは小さいサイズが廃止され、巨大サイズ一択で9ドルと酷いことになっている。確かに売る方としてはそっちがいいよな。
いつも行っている「たらばがに食べ放題」も、去年までひとり47ドルだったのが今年は67ドルになっていて相当食べないともとが取れない…と義母が早くも来年の中止を宣言した。
去年までいくつも支店があった韓国フライドチキンとタピオカティーのお店が今年はひとつを残して全部なくなっていて、アジア系の店はかなり苦戦する様子。10年前にお寿司のお店ができたが、1年しかもたなかった。食に保守的な人が多いのかもしれない。

お土産のトレンド観察

お土産屋さんで、ほう、今年はこういうのが流行ってるのか…と観察するのも楽しい。Tシャツは、過去にはI pooped today!(今日💩でたよ!)とかキャトルミューティレーションとか色々な流行りがあった。今年はトランプのジョークTシャツあたり?と予想していたのだけど、トランプのTシャツはどれも真面目なものばかりで、これと言って今年はこのTシャツが熱い!というデザインはなかった。
おもちゃは、Palm Palsという小さいぬいぐるみが人気で、こういういかにもかわいいでしょ!っていうのはね…となるべく冷めた目で見るように頑張って…いたのだが、我慢できなくなって一番ひしゃげていた子を最終日に買ってしまった。

キャンディストアもたくさんあって、甘いものはあまり食べられないのだけど、味は二の次で子どもの夢がもりもりのお菓子は見てると嬉しくなる。

泡で出てくるキャンディ、トイレキャンディ、いいぞもっとやれ。

で、肝心の海は?

中学生の時溺れかけてから海が怖いので、膝ぐらいまでしか入れないのだが、大西洋、グレーです。

晴れててもグレー

しかも、ここ数年問題になっていた浸食が今年はぐっと進んで、ビーチ部分が激せまに。こんなに混みあったビーチは初めてだった。来年はどうなってしまうのかちょっと心配。それでもボードウォークがあるエリアを離れると、上の写真のように静かなビーチの散歩を楽しむことができた。

満潮近くなるとビーチは更に狭くなる
満潮まであと1時間。ほぼ水中

また来年ね。

たいていどこも土曜日10時にチェックアウトなので帰りの朝はとても慌ただしい。どうせクリーニングサービスが入るのだからそんなにしなくても…とも思うけど、義母はできるだけきれいに掃除をして、バスマットなど洗えるものは洗う。
最後に家族写真を撮って、次はサンクスギビングにね、と言ってお別れ。帰りにザ・アメリカという感じのダイナーでブランチを食べるところまでがうちの海の休暇だ。

ブルーベリーパンケーキは焼きこんであるのが好き。


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