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無料添削デザインスクール #152「除菌スプレーのラベル」

添削

除菌スプレーのラベルですね。
強力そうなラベルですね。

■商品の情報整理

まず、この商品が「指定医薬部外品」なのかどうかでデザインは多きく変わります。
ザックリ言うと、ちゃんと殺菌できるのは「消毒」と名乗っていい。
何となく殺菌できるのは「消毒」を名乗ってはいけないので「除菌」としか言ってはいけない。

「除菌」も「消毒」もどっちも一緒かと思われますが、明確に線引きされています。
「消毒」系の商品は文字ベースで業務用のようなデザインが多いです。
なぜかというと、商品の性能が確かなのでデザインで勝負する必要が無いからです。
お店に置かれている消毒液も業務用で黙っていてもみんな買うので簡素なデザインです。

今回のラベルデザインは「除菌」なので、そこまで消毒の性能が高くないと思われます。
そうなると、性能で勝負すると負けるので、デザインで勝負することになります。
そもそも「消毒」と言えないので仕方なく「除菌」と入れています。
商品名に「ピカ」とかを入れて響きで勝負している商品も多いです。

今回は業務用ではない除菌スプレーとして添削していきます。

■メインを決める

パッと見た感じ「除菌」という文字も目立つのですが、同じくらい右にあるガンツ玉の存在感が強いです。

簡単な図形にするとこんな感じです。
メインが二つになっているので、まとまりのなさが出てしまいます。

菅田将暉の隣に生田斗真もいるけど、サイン色紙は1枚しか持っていないくらいどっちに行っていいのか迷ってしまいます。

商品のラベルは商品の説明も大切ですが、店頭に並んだ時に力を発揮しないといけないものです。
単体で並べられているなら競争相手もいないのですが、隣には業務用の殺菌力を持つ「消臭スプレー」も並びます。

言い方は悪いですが、殺菌力で負けているところをデザインでより殺菌しているように見せる必要があります。
そこで勝負しても負けると分かっている時は「優しさ」とかで勝負したり、とにかく文字を大きくして目立たせたりして、とにかく目立つという手法もあります。
目立つところを大きく一つ用意して、シンボルのようにして棚に並んだ時に目立つようにとにかくする必要があります。

学校内で使用してもらうのが目的なので、可愛いとか優しさよりも強力、清潔な感じを出してあげるといいかと思います。

■細かいデザイン

細かいデザインのあしらいがちょっと古い印象を受けます。

キラキラしているのもシャープさに欠けているので、使うのであれば、鋭いキラキラしているのにするといいです。

波のところも中途半端にイラストと組み合わさっているので、パキっとさせるか、ふわっとさせるかを決めてあげるといいです。

イラストの部分も可愛さが入ってしまっているので、方向性がブレます。
バイキンをあえて入れる必要もないかと思うので、キラキラ方向だけで構成してもいいかと思います。

背景の青いグラデーションも全体の印象をボヤっとさせています。
強力な除菌力、力強さを出すのであれば、パキっとした色合いにしてあげるといいです。

グラデーションを使うかどうかで印象は大きく変わります。

■同系色を重ねない

「ウィルス」の文字や下の説明が同系色でまとめられているので見えなくなっています。
濃い寒色にさらに濃い寒色を置くと同化して見にくくなります。

画面の前の距離で見にくいということは、商品棚に並んだら青いかたまりにしか見えなくなります。

青に青を重ねるよりも前面に明るい色を重ねると全体も明るくなり、メリハリが出ます。

そこに文字やアイコンを追加するとより目立つようになります。
目の錯覚で浮き出ているように見えるという効果もあります。

カラーパターンはこれだけではないので、時と場合によって逆の方が目立つという時もあるので使い分けましょう。

ここまで青と白しか使わなくても目立たせたりすることができるので、差し色を使うとさらに目立たせたいところを目立たすことができます。

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