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10. 山口県長門湯本に移住する(4):共生

こんにちは。山口県長門市湯本のComeShineです。

去年、植えたイチジクの木が、
無事、冬を乗り越えて、
この春、新芽をだしてくれた。

青々とした葉っぱが、
次々に出てくるのが嬉しくて、
朝に、夕に、飽きずに眺めていた。

それが、今朝、見てみると、
新芽がない?!
鹿さん達の仕業だ。
イチジクは、大丈夫だと思っていたのに。

新芽が無くなったイチジク

冬の間、元気に育ってくれた、パクチーも、
線路脇から、内庭に移した途端に
綺麗に咲いた花を食べられた。

奈良で育った私にとって、
鹿さんは、神獣。
奈良公園で、いったい何頭の鹿さんに
ご挨拶をして、鹿せんべいを差し上げただろう。

その鹿を、自分が食べることになるなんて、
思ってもいなかった。

初めて、鹿肉料理を食べたのは、フランス。
馬肉料理を出された、イギリス人の気持ちって、
こんな?と同情した。

でも、馴れとは恐ろしいもので、
スイスに暮らすようになってからは、
秋の狩猟料理を楽しみにするようになった。

鹿、猪、キジ等のジビエが、
ベリージャム、栗や紫キャベツのピクルスなどと、
美しく盛り付けられて供される。
赤ワインに、とても良く合うので、
いつも飲み過ぎる。

ご近所に、ワナを仕掛けている友人がいて、
時々、ジビエのお裾分けに預かる。
臭みがなくて、美味しい。
少しのお塩だけで、味が調う。

抗生物質、ホルモン剤、消毒剤まみれで育った
市販の家畜肉とは、全く別物だ。

私が育てた木や花を食べて、
伸び伸び育った鹿さんをいただく。
循環してるなぁ。
ありがたいなぁ。

そう思えば、
イチジクの新芽や、パクチーの花なんて、
僅かなコントリビューションで、
申し訳ないくらい。

鹿さん達は、ほぼ毎晩やって来る。
独特の鳴き声が聞こえてくるから、
あ、来た!とわかるのだ。

一度、トイレの窓から、そーっと覗いたら、
6頭ほどの親子連れが、
白いお尻をこちらに向けて、
幸せそうに草を食んでいた。

この間は、線路をはさんだ向かいの家の庭で、
15頭ほどが朝食中だった。
私に気づくと、一斉に山を駆け上がっていった。

朝の爽やかな外気と、
鹿が駆け上がって行く響き。
遠ざかる、美しい後ろ姿。
夢の中かと、思うような風景だった。


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