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SNSフォロワー数と得票数の関係 - 東京都知事選2024のケーススタディ

東京都知事選2024年のSNS動向分析

2024年7月7日に行われた東京都知事選で、小池百合子さんが当選しました。本選挙におけるSNSの影響を分析するために、8人の候補者(敬称略)に注目し、フォロワー数の増加数を基に選挙期間中のSNS動向を調べました。

対象の候補者

  • 小池百合子

  • 石丸伸二

  • 蓮舫

  • 田母神俊雄

  • 安野貴博

  • 暇空茜

  • 清水国明

  • 内野愛理

分析の期間と方法

フォロワー数の変化を6月21日から7月14日まで、毎日朝7時頃(9日は7時50分、13日は8時15分)時点で記録しました。フォローおよびフォロワー数の変動を分析しました。


フォロワー数の増加、前日と比べていくつ増えたかを示した。なお、一部の候補者の値が途切れているのはマイナスの値を記録したためである。
6月29日に+なのは内野さんが異常な増加数を示したから(値は4.01である。除いた場合は-0.21)

主な発見

  1. フォロワー増加の傾向

    • 選挙開始から5日間は大きな増加を見せ、その後は一定の増加に推移しました。投票日の翌日から4〜5日間は再び大きく増加し、その後は通常の増加に戻りました。

    • フォロワー数が多い候補者は、SNSでの影響力も大きく、フォロワーを増やしやすい。

    • 「大きくバズルコンテンツを提示する」とその影響が2~3日後に表れる。

  2. フォロワー数と投票数の相関

    • フォロワー数と投票数には一定の相関が見られるが、必ずしも絶対的な指標にはなりません。大手マスコミは小池さん、蓮舫さん、石丸伸二さんを中心に報道し、一部で田母神さんや清水国明さんが紹介されました。

6月21日から7月8日までのフォロワー数の変化と最大と中央値
  •  顔出しとフォロワー数

  • 暇空茜さんの例は、顔出しをしなくてもSNSを効果的に活用することで注目を集めることができることを示しています。ただし、得票数に結びつけるためには、顔出しやマスコミの取り上げなど、他の要素も重要であることがわかります。

泡末候補達の得票率と各戦略における状況
  • 特異なフォロワー増加の例

  1. 石丸伸二さんは期間中、平均で5172人、投票日前では最大で9464人のフォロワーが増加しました。選挙終了の翌日は2万658人ものフォロワーが増え、知名度向上に成功しました。 この数字は今回の8人のフォロワー数が増えた人数は8日までに合計で214,885人だが、この内の41%を石丸伸二さんが占めるという程でした(因みに2位と3位を合わせて37%でそれぞれ安野さんと暇空さんとなっています)。石丸さんの選挙戦略の詳細はこちらを参照してください。

石丸現象とは何か 石丸伸二氏「165万票」の中身を独自データで分析する(米重克洋) - エキスパート - Yahoo!ニュース

2.内野愛理さんは27日の政見放送で注目を集め、29日には2463人で30日には1210人と大幅なフォロワー増加を見せました。YouTubeの再生回数では101万回と他の候補者を大きく上回りました(7月13日(土)の12時30分ごろの政見放送の数字であり、ちなみにトップ3の小池さん2.6万回、石丸さん12万回、蓮舫さん10万回である)。

当時の放送様子(上着だけとはいえ脱ぐとは・・・)

3.安野さんは最終日から数日間で大きく増加し、投票日当日は3860人増加と6月21日から当日までの変化数で2番目に高い値を示し選挙終了翌日には1万8000人のフォロワーが増えました。特定の候補者をヤジする行為を問題視した発言が共感を呼んだと推測されます。

7月13日11時30分での数字、因みに安野さんに関する右の同ツイートは投票日当日の7月7日9時58分ごろには1028万回となっていた。

結論

 東京都知事選2024において、SNSは候補者の知名度向上や選挙活動に重要な役割を果たしました。フォロワー数の増加は投票数とある程度相関が見られるものの、絶対的な指標ではありません。顔を出すことや特定の行動がSNS上での影響力に影響を与えることが分かりました。今回の分析を通じて、SNSの活用が選挙戦略において重要であることが再確認されました。

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