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投票率は与党と野党のどっちが有利か?


序論


今回は投票率についての研究を行います。
取り上げるデータは
・2012年〜2024年(2月15日まで)
県庁所在地と県知事選の選挙で行った。
(候補者が1名で選挙が行われなかった所と熊本市はデータが一部取れなかったので除外)

用いたデータ
・選挙ドットコム
・内閣支持率、報道ステーション
・支持や支援などはwikpedaを参照した。

検証1
内閣支持率と投票率との相関
→投票日付近で近い時期のデータを用いた。

検証2(県知事選のみとした)
有効票の中の与党の票割合と内閣支持率
有効票の中の野党票の割合と内閣支持率

相乗りの場合は
自民が行なっている所は与党とした
例 自民 立憲→自民
野党は国会議席がある所を野党とした。
また、国会にない団体と野党の場合は
野党とした。
例 立憲 連合 →野党

検証3(県知事選のみ)
有効票の中の与党の票割合と投票率
有効票の中の野党票の割合と投票率

※追加検証4(県知事選のみ)
自民党が勝った選挙と投票率の検証で、投票率を
0.20よりも小さい、0.20~0.25,0.25〜0.30・・・というように0.05毎で分割して行った。

結果

検証1と2
いずれの検証も
-0.1〜0.1の間にあり、
無相間であった。

検証3では
投票率と
与党の得票割合は-0.40という負の相関を示し
野党の得票割合は0.20という正の相関を示した。

※追記 2024/4/30の追調査の結果

自民党の勝率と投票率の検討を行ってみた

値は20%以下、20~25%以下・・・と5%ずつを挙げてみると

勝者のグループの人の人数と投票率


与党の勝率


与党の勝率の具体的な値

 
 自民党の勝率を投票率別に分析した結果、以下の傾向が明らかになりました。投票率が低いほど自民党の勝率は高く、40%付近までは相対的に安定しています。しかし、投票率が50~55%に達すると勝率は60%台へと低下し、60%を超えると急激に16.7%まで落ち込みます。55%台で一時的に回復するものの、最終的な勝率は62%に落ち着くことが分かりました。

 また、55%以上の投票率では期待勝率12.4に対し実際の勝利回数は13回、50%以上では期待勝率10.4に対し実際は10回と、期待値に近い結果が得られました。これは45~60%の投票率範囲では与党の勝率が62%前後で安定していることを示唆しています。

投票率60%以上の選挙の特徴

 
上記の結果を見ると疑問に思うのが60%以上であると16.7%となっているが、これはやっぱり野党が有利なのかという疑問が湧くだろう。しかし、下記の内訳を見ると必ずしもそうだとは言い切れない。

投票率60%以上の選挙

 
 ほぼ野党の力で勝ったとはっきり言い切れるのは2018年沖縄県知事選と2021年山形県知事選である。前者は基地問題で大きくもめて、基地問題に対しての民意を的確に捉えた玉城さんが勝利をしました。後者は当時の知事を3期勤めていた事による知名度と適切なコロナ対策を行った事が評価された事で吉村さんが当選した。
 では、他の4つはそれぞれどうなのか、4つとも保守分裂という言葉に象徴されるように自民党内で候補が割れる事態が発生した事で起きた事が注目点であろう。

 2014年の沖縄県知事選は普天間基地問題を巡り保守界隈で分裂を引きおこす事態に発展し、結果翁長さんが当選する事になりました。
 2019年の島根県知事選挙は県議会と自民党間で揉めた中で地元の声でかつ新人だった丸山さんが当選する事となった。
 2022年の石川県知事選は前回の投票率が39.07%であったが、この年は61.82%であった。ここもまた、保守で分裂して自民党からは自主投票という状態になった。最終的には安倍元首相などの重鎮を用いた事で人を引き付けた「はせ」さんが勝利する事となた。
 2020年の富山県知事選挙は自民党の公認の側の候補者は重鎮を用いて選挙戦を戦ったもののコロナ下で自民党の評価もあってか、新しいイメージを訴えた新田八郎さんが当選する事態になった。

 そう考えると6個の中の4つは自民党から2〜3の選択肢が渡されると投票率が増える事から日本人10%前後は自民党か自民党に近い存在の中からしか選択しないという部分が見えるのではないだろうか。
 また、この保守分裂の投票の有利・不利は富山と石川の例を見ると一概にどちらが優位になりやすいかは言えない。というのも、富山は自民党の重鎮を用いなかった方が勝ち、石川は重鎮を用いた方が勝ったという展開になっているからである。

結論

 
 内閣の支持率または不支持率によって投票活動を行うという事が増加・減少する事は無く、投票先もそれで変化する事は無かった。
 ただ、投票率が高い選挙では与党の票の割合は少なくなり、野党の票の割合は大きかったのでこの事からこの様な事が言えると思います。投票率が高い方が野党が若干有利ではあるものの、その投票行動が増える要因には国政の支持率以外の要因で決まると思われる。
   総じて、投票率が45%以下であれば与党の勝率は70~80%と高く、45~60%の範囲では勝率が約60%にまで低下します。さらに、60%を超えると勝率は16.7%と著しく低下します。
 高投票率が見られる選挙では、自民党の内部分裂や特定の政治的イシューが影響を大きくしている可能性があることを示唆する。

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