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Satmyaサトミヤ

サトミヤとは


一般的に日本のアーユルヴェーダではサトミヤという言葉は慣れ親しんだ食事、自分の生まれ育った場所で食べなれている食習慣として伝わっています。

例えば日本では味噌、納豆などの発酵食品は、あるひとつのサトーミヤのカテゴリーに入ります。
日本以外の国から来た人が急に体に良いと聞いて、日本の大豆発酵食品を食べると不調になったりすることがあります。
逆に日本人がインドで辛いものを食べてお腹を壊したり、慣れていないものを食べると不調になるが、インド人はスパイスをたくさん使った辛いカレーを食べていれば元気に生活できるというように、食べ物との適合性がアーユルヴェーダの古代の文献に記されています。

この記事では8つのサトーミヤについて解説します。


チャラカ・サンヒターによれば

サトミヤという言葉は、文字通り、習慣、適性、健全性、自然への適合性、または自然な体質を指します。

サトミヤの概念を理解することは健康状態を維持するために不可欠で病気の管理においても同様に重要です。

Satmyaとupashayaは同じ意味です。

慣れ(Satmya)とは、自分に合ったものを意味します。

rasa ラサ (味覚)ではsatmyaは3つのタイプに分類できます。


サトーミヤのラサの3つのレベル



1.優れている:すべてのラサを食事に取り入れた場合
2.中/平均:2〜5種類のラサの組み合わせ
3.劣る:1つのラサのみ

一回の食事で6つのラサ 甘味、塩味、辛味、酸味、渋味、苦味が全て入っていれば、優秀、6つの味の中の2-5種類が入っている食事なら中レベル、1つの味しかしない食事をした場合は劣となります。

例えば、塩味のポテトチップスだけを食べた場合は1つだけのラサになりますので、劣になります。
最近では塩味プラス酸っぱかったり、塩味プラス辛かったりするポテトチップスもありますが、それはラサが2つということにはなりません。

種類が少ないほど消化に悪く、6つそろっているほど消化に良くサプタダハトゥ―(体の7つの構成 )に巡りわたり健康な丈夫な体になると言うことです。

ラサを考慮する場合は、消化後の効力も知っているとさらに優秀な食事となりますが、中レベル以下にならないように意識することが大切です。

ラサとは…アグニ 消化についての詳しい解説の中にあります。


8種類のサトミヤ

サトミヤは8種類に分類されています。

1.Prakriti satmya プラクリティ サトミヤ

体質に合った自然な食事とライフスタイルを指します。
たとえば、甘酸っぱくて塩辛い味の食べ物はヴァータドーシャを調和するためヴァータが第一ドーシャの人の体質の人に本質的に適しています。
同じようにピッタには甘味や苦味の食べ物、カファには辛味や渋味などの食べ物がドーシャを調和させるという意味です。

2.Desha satmya デシャサトミヤ

地理的な適応を指します。
それぞれの土地で育つ食品はそれぞれの特性を持っています。
たとえば乾燥地域で育つものは消化が軽く、湿地帯で育つ食品は消化が重く、同様に動物もその地域に応じた性質を持っています。
それぞれの土地の特性とは逆の性質を持つ食生活や生活習慣は、その土地に住む人々の健康維持に適していると考えられています。
例えば、寒冷地で湿度がある新潟などは温かい食べ物や少し辛味を加えた食べ物をとり、湿度を下げ温かい部屋で過ごすことなどです。


3.Ritusatmya リトゥサトミヤ

季節に応じた食事とライフスタイルを指します。
日本には四季があり、春夏秋冬によって登場する野菜や果物があります。
日本の風土の旬の食べ物を摂取すること、季節に応じた味付け、調理法を実践することは健康で長生きをすることに役立ちます。

4.Vyadhi satmya ヴィヤディ サトミヤ 

特定の病気に特に効果的であることを指します。
病気とは反対の性質を持っている食べ物を食べることです。
米粥は発熱があった時に食べることで熱を下げたり、ヴァータが増悪している時にはバターミルクを飲んだり、カッファやヴァータの問題が小腸にある時にはひまし油を飲んだりお腹に貼ったりするように病気や症状によって特定の食品が対応することです。

5.Swabhava satmya スワバハサトミヤ

普遍的な性質を持つ健康のための特定の物質や食べ物です。
たとえば、母乳は乳児のためにベストな物質です。
人間の母乳、羊の母乳、ライオンの母乳というようにそれぞれの動物には適した母乳があると言うことです。
また適切な生息地に住む動物の肉は栄養を与えます。
この意味は本来住むべき場所で生きている動物の肉は健全で本来の栄養価があるという意味であり、適していない環境にいる動物は病気になったり、栄養不足になるためにその肉は不健全であるということです。

6.Jati satmya ジャティ サトミヤ

動物と食べ物の適合性を指します。
米は人間に適しており、鳩は鳩が食べるものを選んで食べ、草は鹿に適しているように動物は本来適合する食べ物でなければ摂取しないという事です。
生き物は本能的に健康でいられる食べ物を選んでいるということですね。

7.Vaya satmya ヴァヤ サトミヤ

年齢に応じた適合性を指します。
強い効力のある食べ物や薬や治療は幼児や老人には強力過ぎて適さないということです。

8.Okasatmya オカサトミヤ

人は慣れていない食事をとると不調になったり病気を引き起こす可能性があります。
例えば、温かく辛い味に慣れている人が甘くて冷たい食事をすると不調になったりすることです。
本来はアーユルヴェーダでは消化に良くない食べ物であっても、繰り返し食べたり、習慣になったり、長期間続けることで後天的な適応力を持つことです。
例えば、大豆は消化に重く、納豆はねばねばで粘着質で経路を詰まらせるためアーユルヴェーダでは消化に良くないとされています。
しかし日本人は長い歴史の中で大豆を食べてきたので日本人の体は適応力があるということです。
他の国でも同様にチーズは発酵食品で消化に重くても、代々食べてきた人種にとっては適応する消化力があるということです。



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