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アーユルヴェーダで使用する薬剤用語

アーユルヴェーダで使用される薬剤用語についてはスシュルタ・サンヒターととチャラカ・サンヒター古典の中に記され、現在でもサンスクリット語のままの言語で使用されています。
アーユルヴェーダのトリートメントを受けたり、アーユルヴェーダのハーブを購入する時に説明の中に基本的なアーユルヴェーダ 用語がでてきます。
今回はその基本的ないくつかの言語について解説します。

Kashayam カシャヤム


アーユルヴェーダのさまざまな種類の薬用調合薬の総称をカシャヤムと言います。
Kashaya、Kashay、Kwatham、Kwathなどが同義語です。
五千年にわたり古代から使用されてきた主に薬草から作られた薬です。
味は非常に苦く、液体はとても濃い色です。

カシャヤムの調剤には、一般的に知られているものではトゥルシー、ジンジャー、ニームの葉、シナモン、クローブ、ロングペッパー、ペッパーなどが使用されています。
カシャヤムの吸収を促進させて患者の消化や新陳代謝促進のためにクミン、グッグル、岩塩、シラジット、生姜、黒胡椒、長胡椒などが加えられています。
アーユルヴェーダの診療所でよく使用されているひとつがダシャムーラです。
ダシャムーラという薬草はバスティ(ドーシャを調和させるための1つで、浣腸治療)で使用されたり、スチームをあてる時などに使用されます。
またダシャムーラと他の薬草と混合されたカシャヤムをアーユルヴェーダの医師はヴァータの治療に使用します。
一般のインドの家庭ではカシャヤムをよく使います。
目を酷使したりした時や目が汚れている時の感染症の予防など、目の若返りにトリファラカシャヤで目を洗ったり、傷口を洗い流す時にも使用したり、蜂蜜と煎じた生姜をトリファラに加えて、喉の洗浄をするためのうがいに使用したりします。
その他、ミルク、ギー、ジャガリー(インドの糖蜜)、オイル、牛の尿などの液体を、48mlのカシャヤムに12mlの用量で加えられた薬剤もあります。

50℃以下で精製された非加熱の蜂蜜もアーユルヴェーダのカシャヤムに使用されています。
例えば関節/神経障害などのヴァータドーシャの問題には、カシャヤムの投与量の1/16の蜂蜜が加えられます。
過酸性、胃炎、肝臓障害などのピッタドーシャの問題にはカシャヤムの1/8のの蜂蜜が加えられます。
肥満、風邪、咳などのカファドーシャの問題にはカシャヤムの1/4の蜂蜜が加えられます。
蜂蜜はカファを切り取るという表現があります。脂肪を取り除くという意味です。

Chrna チュルナ   粉末

チュルナは基本的に、アーユルヴェーダ医学に使用される粉末化合物を指し、病気や病気の治療法として使用されるハーブやミネラルが混合された粉末です。
チュルナに使用されるハーブは洗浄され、完全に乾燥され、粉砕され、ふるいにかけられ完成したチュルナは気密容器に正しく保管された場合は最長で1年間使用することができます。

チュルナは粒子が小さければ小さいほど胃腸管での吸収率が高くなるため、一般的に医薬品として適しています。

市販されているもっとも一般的なチュルナ

  • Triphalaトリファラ-3つの果物という意味。 アマラキ、ハリタキ、ビビタキの果実の粉末です。3つのドーシャおどれにも対応でき、抗酸化作用、免疫力と消化力、便秘改善、目の栄養などに使用されます。

  • Sitopaladi Churnaスィタパラディチュルナ-砂糖、タバシク(竹のフシから出る白い液体をかためたもの)、ヒハツ (Long pepper)、カルダモン、シナモンなどで作られたチュルナです。呼吸器疾患の治療に使用されます。

  • Trikatu Churnaトリカトゥチュルナ-乾燥生姜、長胡椒、黒胡椒を等量で作った消化不良、   鼓腸、ガス、咳、その他の頸静脈疾患に使用されます。「Tri」は3を「katu」は鋭いや辛味を意味します。

  • Drakshadi Churnaドラクシャディチュルナ -23種類のハーブとレーズン、砂糖の混合物で、ドラクシャはレーズンのことです。ヴァータとカファの鎮静、衰弱、倦怠感の症状の治療に使用されます。

  • Sudarshan Churnaスダルシャナチュルナ-熱の治療に使用されています。


Arishtamアリシュタム

アリシュタス(アリシュタム)は、薬草を煎じて発酵させたアーユルヴェーダの薬です。
Abhayarishtaアバヤリシュタは消化を助け、便秘や痔の治療などに使用されます。

Kalkaカルカ

カルカはアーユルヴェーダで「ペースト」を意味する医学用語です。
細かく、または粗く粉砕された新鮮なハーブをペースト状にしたものをカルカと言います。
ほとんどが薬草ですが金属や鉱物が使用される場合もあります。
古代のインドでは少量の水で石にこすりつけてペーストにしていました。
生薬または乾燥薬は、最初に薬草を水で洗浄して乾燥させ粉末にし、布で濾して適量の水と混合した後に乳鉢でこすり、ペースト状にします。
生薬の場合、最初に細かく刻み、乳鉢と乳棒で乳棒と乳棒を使って、ペーストが細くなるまで叩き、浸軟させます。
植物の葉だけでなく、茎、根、種なども使用されるため、水分が少ない植物を使用する時の方法の1つとしてカルカが準備されます。
食物繊維が豊富で腸内に長く留まるため消化器系の病気に役立ちます。
通常は外用薬に使用されますが、内服の場合の適量は1カルシャ(12g)です。

Tailamタイラム

薬草とごま油で作られた薬用オイルの事です。
次に記載したいくつかのタイラムは一般的なアーユルヴェーダの診療所でよく使用されているものです。

Dhanwantharamダヌワンタラム アビヤンガでよく使用されているヴァータのためのタイラムです。神経系の機能, 筋肉、関節炎、変形性関節症、膝の痛み、腰痛、脊椎症などの痛みに使用されます

ChandanbalarakshadiThailamチャンダンバララクシャディタイラは冷却効果があり、神経障害、痔、関節リウマチ、灼熱感の治療に使用されます。

Asanavilwadi Thailamアスナヴィワディは、浮腫、耳、鼻、喉の障害の治療に使用されています。

  Karpasathyadi Thailam カルパサシュヤディは、関節の痛み、痛み、片麻痺(全体的または部分的な麻痺)の影響を緩和するために使用されます。Dhanwantharamダヌワンタラム アビヤンガでよく使用されているヴァータのためのタイラムです。神経系の機能, 筋肉、関節炎、変形性関節症、膝の痛み、腰痛、脊椎症などの痛みに使用されます。


Ghritamグリタム

Ghrithamはギーとさまざまな薬草から作られたアーユルヴェーダの薬用ギーです。ジャム状になっている製剤です。
薬は組織の層を通過する必要があります。アーユルヴェーダでは薬はダハトゥRasa(リンパと体の水)、Rakta(血液、特に赤血球と循環器系)、Mamsa(筋肉)、Meda(脂肪)、Asthi(骨)、Majja(骨髄)、最後のShukra (生殖)を通過する必要があると言われています。
ハーブのアルコールチンキの形では深く吸収される前に燃え尽きてしまいシュクラダハトゥに到達することがほとんどできないため、ゆっくり深くまで吸収されるグリタムをシュクラダトゥの治療にアーユルヴェーダの医師は使います。

治療で使われる薬剤用語


Virya ヴィ―ルヤ


植物の「効力」を意味します。

摂取した薬草が体内でどのような性質の働きをするかにより、カシャヤムの配合が決定されます。アーユルヴェーダではヴィ―ルヤは熱い、冷たいの二種類の薬力を製剤に用いています。
アーユルヴェーダでは食べたものが舌の上で瞬時に感じる味の事をラサと言います。
ラサの次に、消化の段階でヴィ―ルヤが胃と小腸に影響を与えます。ヴァータとカファには熱いヴィ―ルヤ、ピッタには冷たいヴィ―ルヤのエネルギーを用いることでドーシャのバランスをとります。
vipakaヴィパークはヴィ―ルヤの影響の後、消化の最終段階での排泄物に影響を与え、個々の細胞に栄養を与えます。

Pachanaパチャナ

消化の促進を意味し、消化不良のための治療法です。
未消化物/毒素(ama)を体から取り除くことを目的としており、浄化療法の前に行います。
軽度の病気の治療としてドーシャの鎮静化のために処方されています。
アーユルヴェーダの医師はヴァータ、ピッタ、カッファのドーシャ別のアーマパチャナを処方します。

ラサヤナ

若返り法です。
全身を若返らせ、長寿、記憶、知性、健康、若々しさ、顔色の輝き、声のつや、免疫力、細胞、感覚器官に役立ちます。
スワスタナ オージャスカラとも呼ばれています。オージャスは健康と免疫の本質の意味です。
アーユルヴェーダにはラサヤナのための数多くのトリートメントと製剤があり、医師が検診して患者に適したラサヤナを処方したり治療法を選びます。

Anulomanaアヌロマナ

 下向きの流れ、体毛の流れ、心臓から離れていくことを意味します。
ドラヴィヤではアーユルヴェーダの下剤のことです。
一般的には鼓腸、駆風のために特にヴァータアヌローマナのためのハーブの下剤が市販されています。


Shothaショタハラ

痛みと炎症を治療することです。
サンスクリット語では「Shotha」は腫れや浮腫を意味します。
あらゆる種類の炎症はShotha/ShophaまたはShvayathuと呼ばれています。

アーユルヴェーダのではショタハラ用のチュルナをレパ(シップのこと)にして外用薬として抗炎症と鎮痛のために使用します。

以上、アーユルヴェーダで使用されている一般的ないくつかの薬剤用語について解説しました。
お役にたてたらうれしいです。

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