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アーユルヴェーダがシロダーラを重要視する理由

アーユルヴェーダの薬草オイルを使用する頭部の治療にはシロダーラ、シロピチュ、シロバスティがあり、体質や病によって、さまざまなオイルが使用されています。
サンスクリット語の「shiro」は額、「dhara」は流れを意味します。
古代の伝統医学アーユルヴェーダは病気のほとんどが心の乱れが悪化することによって発生することをよくわかっていたようです。
頭は生活活動を支配する重要な器官であり、頭のメンテナンスをすることは体の機能をスムーズにすることに繋がります。
アーユルヴェーダの診療所の医師は特にヴァータの問題、頭と感覚器官のため、また脱毛、若白髪、頭皮のケア、肩こり、頭痛、うつ病、高血圧、意識の喪失、活動の喪失、どもり、息切れ、不眠症のなどにシロダーラ、シロピチュ、シロバスティをしますが、シロピチュやシロバスティでは治らない場合に、シロダーラとシロアビヤンガを治療として行います。
私は二人のインド人のアーユルヴェーダの医師の診療所で、それぞれ、うつ病、不眠症、精神疾患などの患者が通院し、シロダーラ&シロアビヤンガの治療をするのを見てきました。
医師はサプタダハトゥすべてに巡らせるため、アーユルヴェーダのルールに則り一定の期間を定め、患者は結果を出すために、最低でも7日間通います。
※サプタダハトゥとは

現代の早いこと、簡単なことに慣れてしまった人間にとっては簡単ではない治療です。
アーユルヴェーダは時間をかけることを非常に重んじる理論ですので、薬草オイルをつくるのも非常に手間と時間がかかります。

以前、外面的にも内面的にもかなりのヴァータ体質な叔母が関節痛があり、インドで作ったダシャムーラオイルでアビヤンガとスチームをしたところ、とても喜ばれオイルがほしいと言っていたのですが、かなりの手間と時間、材料をそろえるのも一苦労したことを覚えています。
その時、手間と時間をたっぷりかけてこそ、良いものができるんだと確信しました。

アーユルヴェーダには次のような考察があります。
頭はまたUttamangaとも言われます。
体の中の最上級の器官という意味です。
人体を一本の木に見立てます。
人体を上下逆さまにすると、頭が根、体の中央部の胸部と腹部が木の幹、手と脚は木の枝と見立てれば、根が木のすべての生命にかかわる重要な部分であるのと同じに人体の頭は全身を操作する重要な器官であり、すべての活動と幸福を育むためのUttamangaであると言われています。

頭は木の根のように、なくては生きることが難しい器官であるためにアーユルヴェーダは頭のトリートメントを重要視しているのです。

次の記事は主にアーユルヴェーダのセラピスト入門の方用にシロダーラとシロアビヤンガについて解説した記事ですが、ご家庭でもできるように解説しています。



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