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アーユルヴェーダー  セルフケア アビヤンガ

アーユルヴェーダー 入門者・初心者用 セルフケアとしてアビヤンガという全身オイルマッサージを自宅ですることを推奨しています。

全身を油を使ってマッサージすることをアビヤンガと言います。

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入門者・初心者の方はごま油かココナッツオイルでマッサージしてください。

ごま油はもともと抗酸化作用が強く、抗菌作用や抗炎症作用があるオイルです。

初めに伝えておきますが、
実際、アーユルヴェーダのクリニックで医師はアビヤンガに使用する様々な種類のオイルに数種類の薬草を入れ煎じたものを使います。


薬草オイルも販売されていますが、入門者・初心者には積極的におすすめしません。


その理由としては
・薬草オイルを使うには経験値と知識が必要なんです。
インドやスリランカではアーユルヴェーダの医師が患者の疾患に治療のために使用するが一般の人にはそれはできない。

・高価なものが多い、個人輸入はリスクが高い、アーユルヴェーダスクールの生徒はスクールから高価なオイルを購入することでふところが痛く悩みの種になるが個人輸入するとリスクが高く、インド人やスリランカ人からぼったくりされてる金額でも気が付かない日本人がいるので、入手がめんどうになり続かない。


・インドやスリランカ産のいくつかの有名な薬用製剤には重金属や牛の尿が含まれていたりする


・日本に薬草オイルを輸入しても医薬品や化粧品扱いでなく雑貨扱いでしか販売できない。


・薬草オイルは自分でも作れるが、下準備や煎じるのに長時間かかり、薬草やオイル代も安価ではないし、毎回、安定した薬草オイルを作ることは簡単ではなく、作ったオイルは薬事法により販売もできないし、サロンでのマッサージにも使用することも違法、友人にプレゼントすることも法的に認められない。

実を言うと私も過去に数種の本格的なアーユルヴェーダの薬草オイルを作ってきました。

しっかり作ることができて、自分の体質や症状に合えばとても素晴らしいものになりますが、手間暇もお金もかけて失敗することもあり、それに懲りて作らなくなってしまう人の話も聞いてきました。

アーユルヴェーダを少し知り始めると本格的な様々な薬草オイルに興味を持つ方が多いですが、適切な知識を十分に持ち合わせていないビギナーがむやみに手をだすと、ドーシャとオイルがマッチせず、いい結果はえられません。

どうしても薬草オイルを作りたいなら趣味の範囲内、自分専用として使ってください。

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アビヤンガ手順

色のついていない太白ごま油をキュアリングします。
日本で販売されている太白ごま油は加熱処理をされているそうですが、アビヤンガマッサージの際はキュアリングすることでごま油はサラサラっと軽くなり肌からの浸透性を高めます。




キュアリングのやり方

ステンレス製の鍋はオイルを加熱して高温の状態を保っても有害物質が溶け出さないので安全です。


鍋にキュアリングする太白ごま油を入れます。


温度が100度から110度くらいまで弱火で温めます。


オイルは温度が低い時は少し重い感じですが、温度が上がってくるとサラサラっと軽い感じに変わります。


最も気を付けるべきことは、80度を超えたくらいから、急激に高温になるので、ぼ~っとしているとあっという間に110度を超え焦げたような臭いになり、少し茶色っぽくなってしまって使用できなくなってしまいます。


また火を止めた後も、急激に短時間で加熱してしまうと温度はまだ10度くらい上昇しますので注意してください。


アーユルヴェーダではアビヤンガ以外にもキュアリングしたごま油をうがいや耳や鼻の孔のトリートメントにも使用するので丸ごとキュアリングして保管すると便利です。

保存容器は煮沸消毒した後は、完全に水分がなくなったことを確認してください。


保存容器に入れる時は完全に冷めてから、注ぎ入れてください。まだ粗熱が残っているうちに蓋をしめてしまうと水蒸気がたまりオイルの腐食原因になります。


お勧めはマルホンか九鬼の透明な生絞りごま油です。


高価でもなく、入手しやすく品質管理がしっかりしているということや入手しやすいのでアーユルヴェーダをやっている人にはメジャーです。


ココナツオイルを使用したい場合はキュアリングをする必要はありませんが、気温が低いと固まっているので、サラサラになるくらいに温めてください。

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アビヤンガ マッサージをする前の準備


アビヤンガのベストタイミングは朝と空腹時です。


アーユルヴェーダでは朝は排泄・排出の時間ですので朝にアビヤンガするとデトックスしやすくなります。

また全身のアビヤンガは血液やリンパなどの流れを良くし身体全体の循環を促すため、食後などに全身マッサージを行うことは消化活動を阻害してしまうので空腹時にアビヤンガをすることで効果が発揮できます。

マッサージする時にごま油を人肌程度に温めます。


100ml前後くらい用意。


ただし、大きい人、小さい人、痩せている人、太っている人、肌が乾燥している人、みずみずしく潤っている人、乾燥している季節、湿気の多い季節、部屋の中の乾燥具合などで、オイルの浸透量はあきらかに異なります。

様々な状態でやってみることで経験値がついてきますので、とにかくやってみましょう。


お風呂場の床でもいいし、部屋にマットやタオルを敷いてもいいです。


アビヤンガ用のふき取り専用タオルを用意してください。


このタオルは古い使いこんだものがいいです。


タオルを洗う時はバケツに入れて食器洗い洗剤とお湯で洗って、
万が一の発火の可能性を考慮して絶対に乾燥機には入れないでください。

※オイルを加熱する時は、加熱後もまだ温度が上昇するのでやけどに気をつけてください。

アビヤンガマッサージのやり方


掌に少しオイルを取り、顔全体と頭頂部から頭皮全体をマッサージします。
次に足裏のツボを軽く押すくらいの強さでマッサージした足首、ふくらはぎ、すね、太もも、そけいぶ、尻、お腹、背中、胸、鎖骨、腕、脇、首と体中、耳や鼻の孔までも、まんべんなく、たっぷりめの油で流れるようなストロークでマッサージします。

強い圧はかけずに、摩るくらいでも大丈夫です。

アビヤンガはオイルなしのマッサージとは違い、全身の循環のために強く押したりしないのが特徴です。


※オイルを使わないマッサージでは筋肉は強くもんだり押したりするほど、硬くなって柔軟性がなくなってしまうともいわれています。


マッサージしている間にオイルは身体に浸透します。


マッサージし終わったら、余分なオイルをふき取ってください。


その後、熱めのシャワーを浴びます。

軽く発汗するくらいがベストです。

発汗することを含めることまでが本格的な全身アビヤンガです。

この全身アビヤンガの目的は主に全身のリンパや血液の循環を良くすること、デトックス、皮膚、体組織に栄養を与え強くすることで若さをたもつことです。

この時、石鹸を使って洗わないのがアビヤンガです。


オイルの抗酸化力や抗菌力で余分な汚れが落ち、肌は潤った状態なので石鹸で洗うと肌表面の潤いがなくなってしまいます。


アビヤンガの後は白湯か温かいハーブティーを飲むことで全身をオイルマッサージした循環のよくなった身体の老廃物が更に排泄しやすくなります。


人によってはアビヤンガの後に疲れやだるさを感じたりします。


メンタルも含め体内デトックスをすることは体中で毒素を排泄させるためのエネルギーが使われるため、人によってはアビヤンガの後にとても疲れを感じたり、だるくなったり、蓄積していた感情が表面に上がり涙がでたり、心も体も軽くなり爽快感を感じたり、乾いた心や身体に潤いを感じてほっとしたり、心や身体の不快な熱がなくなり涼しさを感じるなど様々な変化を感じることができます。


アーユルヴェーダではこの変化はヴィクリティが減り、ドーシャのバランスが戻ってきたと考えます。


月一のサロンでのマッサージは気持ちよいものですが、実は回数を増やし自分でルーティーンを決めてするアビヤンガの方がメンタルも含めてデトックスにはもってこいです。


顔から始めてと言いましたが、足裏からマッサージを始めてももちろんいいのですが、目や口元をその後に触ることに抵抗があるので私は顔から始めます。また髪にオイルがついて、ペタッとしてしまうのが嫌なら頭ははずしても大丈夫ですよ。


私はちょっとでも頭頂部にオイルが付いたまま一日過ごすのは苦手なので、頭だけはシャンプーの前にしたり、頭だけのオイルマッサージの日を別に作っています。

疲れている時には無理してやらないでください。

デトックスするのでけっこう疲れます。

しかし時間がない時は部分的にアビヤンガする方法があります。

アーユルヴェーダでは特に足首から下、足裏をアビヤンガすることを推奨しています。

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足裏のアビヤンガだけで疲れがとれることが実感できます。

緊張した日や不安がある時に足裏をアビヤンガするとホッとして精神的に落ち着き、安眠しやすくなります。

就寝前か朝いちばんにやってみてください。

ルールにすべて縛られてしまうと続かないので、完璧を目指さずに心地よさを感じることを優先してくださいね。


次回はアーユルヴェーダの日課、朝晩のアーマ除去 舌の清掃、口内清掃についての記事を書きます。




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