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MATLABで三相誘導電動機のトルク-すべり特性をグラフ化する方法


三相誘導電動機のトルク-すべり特性

関連記事の三相誘導電動機のトルク-すべり特性で示したようにトルク$${T}$$は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
T &= \frac{3\frac{1}{s}{R_{2}}^{\prime}{V_{1}}^{2}}{\omega_{0}\left(\left(R_{1}+\frac{{R_{2}}^{\prime}}{s}\right)^{2}+\left(x_{1}+{x_{2}}^{\prime}\right)^{2}\right)}\tag{1}\\
\end{align}
$$

で求まる。
今回は、式(1)を図示する方法についてみていく。
まずは、パラメータの設定を行う。
パラメータは平成26年度第二種電気主任技術者二次試験機械・制御科目問1を用いている。

% パラメータの設定
V1 = 200/sqrt(3);
R1 = 0.1;
R2 = 0.15;
x1 = 0.3;
x2 = 0.4;
w0 = 50*pi;

x軸は、すべりになるので、$${s=1}$$から、$${s=0}$$までの配列を作成する。

% x軸となるすべりsの作成
s = 1:-0.01:0;

関連記事のMATLABのplot関数でx軸を1から0にする方法で解説したように、x軸の目盛ラベルが必要なので、目盛ラベルを作成する。

% x軸の目盛ラベル
xlabels = string(1:-0.1:0);

式(1)は、分母と分子に分けて計算したのちに、分子を分母で割る。
関連記事の三相誘導電動機のトルク-すべり特性の中でみたようにトルク$${T}$$は、式(1)を変形して計算することで、すべりが$${0}$$の時にトルクも$${0}$$となる。よって、すべりが$${0}$$となるところは、$${T=0}$$としている。式(1)ですべり$${s=0}$$をそのまま計算させると、NaN扱いになり、プロットされない。

% y軸となるトルクの計算
T_numerator = 3.*(R2./s).*V1.^2;
T_denominator = w0.*((R1+(R2./s)).^2+(x1+x2).^2);
T = T_numerator./T_denominator;
T(1,end) = 0;

最後にプロットを行う。

% プロット
figure;
plot(-s, T, LineWidth=1.5);
grid on;
xticklabels(xlabels);

コード全体

% パラメータの設定
V1 = 200/sqrt(3);
R1 = 0.1;
R2 = 0.15;
x1 = 0.3;
x2 = 0.4;
w0 = 50*pi;

% x軸となるすべりsの作成
s = 1:-0.01:0;

% x軸の目盛ラベル
xlabels = string(1:-0.1:0);

% y軸となるトルクの計算
T_numerator = 3.*(R2./s).*V1.^2;
T_denominator = w0.*((R1+(R2./s)).^2+(x1+x2).^2);
T = T_numerator./T_denominator;
T(1,end) = 0;

% プロット
figure;
plot(-s, T, LineWidth=1.5);
grid on;
xticklabels(xlabels);

結果

図1 三相誘導電動機のトルク-すべり特性

図1より、三相誘導電動機のトルク-すべり特性がグラフ化できていることが分かる。

関連記事

等価回路でみる三相誘導電動機
https://note.com/elemag/n/n1453fa715769?sub_rt=share_pw

MATLABのplot関数でx軸を1から0にする方法
https://note.com/elemag/n/n521c691efc8c?sub_rt=share_pw

三相誘導電動機のトルク-すべり特性
https://note.com/elemag/n/n6b765becf5ef?sub_rt=share_pw

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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