1-1「キャンペーンの出欠管理について」/キャンペーンデザイナーズノート
前回のストーリーラインを見て「ファイアーエムブレム・聖戦の系譜」を思い浮かべた方、正解です。
というわけで、ようやく本編です。
ソードワールドそのものの解説は…多分しません。特に前回の記事なんて、ソードワールドを知らない方から見たら何言ってるのかワカランかもしれません。が、やっぱり解説はしません。みんな、希少種たるゲームデザイナーのご飯のためにルールブック買ってね!
※突然ですが、グロ画像です。
こうなった瞬間にGMの心は死ぬ。
主催GMの経験がある方なら同意してくれると思うのですが、予定調整って死ぬほど面倒なんですよ。
そして主催GMのモチベーションが保てなくなった時点で、基本的にキャンペーンは終了なのです。
長期キャンペーンをするにあたって、一番のリスクはここにあります。
もちろん、出欠の返事が早く、自ら積極的に予定を空けてくれる神様みたいなプレイヤーもいらっしゃいます。崇めましょう。
が、多くの人は神様にはなれないのです。
ある程度悲しみを経験し図太くなってくると、
GM様の予定に合わせろやオラァンで済ませることで主催兼GMの精神は保たれます。
が、これをやると今度は
参加率が確保できないプレイヤーがフェードアウトする
という、自然の摂理とも呼べる残酷な現実がそこには待っています。
前々回の記事、プレイヤーキャラクター一覧に目を通された方は、ピンときたかもしれません。
これらの出欠調整問題を解決した方法は、
少々の欠席では全く揺るがないほど、多くのメンバーを集めてしまうことです。
ソードワールド2.5というシステムは、卓や状況によりますが、おおむねプレイヤー3~5名によるバランスを想定したシステムです。
そこで、5名+GM=6名の中で、多くが出席出来る日程を揃えようとするから心が破綻するのであって、
2卓出来るほどの人数が最初からいれば、1人や2人の欠席に心を震わせることもなくなります。
実際に、キャンペーンの前に「お試し会」として参加されたプレイヤーは7名。
当初はその7名に僕を加えた8名で、その中から希望制で卓を立てる方式を考えましたが、
参加したかったのに参加出来ないプレイヤーが発生して望まず消え去ってしまう可能性を鑑みて、
新たに3名をスカウトしてプレイヤー10名体制を敷くことにしました。
そして、出欠確認時に2卓立てることが出来るほどの人数が集まった場合は、参加者の中からGMを募り、好きなように単発シナリオの卓を立ててもらうことにします。
エルシィの卓は「メインストーリー」、サブ卓は「期間限定ミッション」と表現するべきでしょうか。
また、自ら参加しなかった卓の分も、一定のルールで経験点や報酬が入る仕組みにし、さらにGMをした人は少し経験点に上乗せすることにしました。
こうすることで、ソードワールドというシステムが「成長が楽しい」ことを利用し、「早く成長できる」「GMすると、若干多くの技能成長が期待出来る」という要素でモチベーションの向上を計りました。
個人ごとの出席率も管理し、2回以上欠席が続いた場合は、次回その人に都合の良い日程にすることにしました。
複数人の予定を揃えるのは無理ですが、自分ともう1人くらいなら何とかなります。
細かいルールは運用していく上で修正を適宜していきましたが、基本はこれで全部です。
もちろん、この仕組みは全く万能ではなく、様々な問題が発生します。
その1 個人ごとに異なる経験点・報酬を管理しなくてはならない
これは僕個人の姿勢によるものですが、
「予定調整で悪戦苦闘するより、こっちの方が楽」
と心から思っていました。
実際に使用した管理資料は以下に。
もう一つの、大きな問題。
その2 毎回メインストーリーに参加出来るわけではないため、ストーリーの進捗がわからなくなる
これはキャンペーンを行う上で致命的です。話の繋がりがあまりない、ゆるいキャンペーンを行う方法もありますが、僕はこの時点で「ロングストーリーをじっくりやりたい」と考えていたため、力技に出ることにしました。
前回の記事がその答えです。
ストーリーラインをまとめ、セッション終了後に速やかに共有する
これは結構な手間でしたが、勢いと情熱で走り抜けました。
毎回毎回それなりの文章量になるので、果たして読んでもらえるのかどうか不安でしたが、多分読んでくれていた…と思います。きっとね!
まとめると、
タイトルコールと共に募集を開始し、日程は基本的にGMの都合のみを優先。集まったメンバーで卓構成を編成し、経験点と報酬は若干のインセンティブを含みつつ平等に配布。ストーリーラインをまとめて公開して物語を共有。
これらのノウハウは、結局一つの結論に収束します。
嫌なことはやらない。大変だけど嫌いではないことなら、それはやってもいい
遊ぶための会で苦しんでいては、いつか嫌になってしまいます。
僕の場合は「数字の管理をする」「ある程度の長文を書く」ことに対して抵抗が薄かったため、このような手段を採る形になりました。
キャンペーンの出欠管理、大変なことなのですが、解決の方法は主催の数だけあると思います。
他人を楽しませるために手間をかけることは素晴らしいことです。なるべく主催にとって心理的負担が少ないような手段を取ることが出来れば、キャンペーンを続けられる可能性は高まるでしょう。
さて、11名で始めたこのキャンペーン。人数がいる時は2卓。集まらない時は1卓というルールで始めました。
とりあえず1卓も開催出来ないなんてことはないだろう、と思って走り出した結果。
1年間、全部で25回開催し、一度も過半数を割ることはありませんでした。
特殊な事情で、7名出席時に6名1卓で開催したことが2回ありましたが、それらはまた別の機会に個別で記そうと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
それではまた次回。
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