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RCJJ2024名古屋二次電池取扱注意事項に基づいた 最強バッテリー考

はじめに

大切な試合で、対処不能の事態に陥らない為には、最新版の競技大会ルールを熟読することが大切です。
ロボットのバッテリーや保護回路などが、車検を通過できない事態になった場合、対応は困難を極めます。
ブロック大会で車検OKだったロボットがジャパンオープンで車検NGになる事も珍しくありませんので、常に情報更新をチェックすることをお勧めします。

バッテリーに求める性能

対戦競技では、モーターを強力に回転させる電力が重要です。
先ず、電力特性の高いバッテリーを選択します。
下図の通りモーターは電圧が下がると、出力は2乗則で低下します。
競技において、常に高い出力を維持する為には放電特性がフラットなバッテリーを選定する必要があります。

モーターの電圧・出力特性 (定格電圧12Vの場合)

放電特性をロボットの実力に反映させるには、縦軸をモーター出力にする必要があります。入手性の良いバッテリーとして、Ni-MH、Li-Fe、Li-Po、の3種類について比較検討します。
公称電圧が異なるので、初期電圧を基準に百分率にして、放電特性を比較します。

Ni-MH Li-Fe Li-Po 放電特性

乾電池の様に、放電と共に電圧が下がる放電特性と熱暴走を起こす危険性があるLi-Poの欠点克服を目指して開発されたのがLi-Feですので、放電特性のフラットさは圧倒的です。
下図は、A123システムズ製Li-Feバッテリーの放電特性です。高放電レート20Cでもフラットな放電特性を示します。

参考資料 A123システムズ製Li-Fe放電特性

モーターとセットで使用

モーターとの組み合わせでパワーが決まります。
バッテリーの選定は、モーターとセットで考える必要があります。
モーターについてはこの↓記事をご参照下さい。
DCモーターは電圧が高いとパワーがある?|あるちざんラボ (note.com)
高出力で製品展開の多い電動ラジコンカー用のモーターを使用する事を前提にすると、6.6VのLi-Feバッテリーがベストチョイスとなります。

RCJJ2024名古屋二次電池取扱注意事項に基づく選定

充電電流を一律 "最大1C" とした時期もありましたが、2024大会では
4.3 充電モード
 充電電流はメーカー推奨値を強く推奨します。

とあります。
つまり、Li-Fe(A123システムズ)の特徴の一つである "4C充電" がメーカー推奨値であればOKとなります。
また、バッテリーのデータ開示が必須ですので、取扱説明書や銘板に必要事項が明示されている必要があります。
この点を踏まえて、タミヤ LF1100-6.6Vレーシングパック(Mサイズ)を選定しました。
タミヤ バッテリーと充電器シリーズ タミヤ LF1100-6.6V レーシングパック(M) | タミヤ (tamiya.com)
取扱説明書はダウンロードできないので、付属の取扱説明書は大事に保管して下さい。
手元の取扱説明書(2016年購入品)の主要諸元に最大充電電流:4.4A (4C充電)と記載があります。
充電管理要員が確保できるチームはバッテリー2本で運用できます。
前半10分、インターバル5分、後半10分の試合中25分でフル充電可能です。
うっかり充電管理ミスした時用の予備を含めて3本あれば余裕だと思います。試合時間の2倍以上充電時間が必要なバッテリーを使用しているチームは10本前後のバッテリーを用意しているようですので、LF1100は単価は高いですが、3本で済むので実運用コストは低く抑えられます。
【 基本スペック 】公称容量 1100mAh。公称電圧 6.6V。電力量 7.26Wh。重量 約100g サイズ 70×38×20mm とロボットにレイアウトするのに無理のないサイズです。

出典:
・RCJJ2024名古屋二次電池取扱注意事項_20240204_2.pdf
・株式会社タミヤHP
・A123システムズLi-Feデータシート

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