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レスキューロボットコンテスト階段評価

はじめに

レスキューロボットコンテストに関わる機会に恵まれて、ルールに目を通しました。
推奨電池が設定されており、安全性について責任を持って対応している姿勢が伺えます。
リチウムリン酸鉄電池(6.6V、9.9V、13.2V)、 ニッケル水素電池(6V、7.2V、12V)に限定しており、電気化学に精通する方が居られるのだろうと想像します。
大会の動画も沢山あります。プレゼンテーションタイムがあるようで、階段の攻略が鍵であることが語られていました。
ということで、階段を攻略するロボットを設計・製作してみることにしました。

実験機製作

” 階段攻略の何が難しいのか? ”  はメカ屋の勘でイメージできます。
車両設計の基本としてタイヤが常に接地状態にあることが重要で、可能な限り地面とタイヤの接地面積を大きくする工夫が必要です。
これに対して、階段の角部分は点接触に近づき、グリップが低下します。
”角” を蹴り上げる為の凸凹をタイヤに設けると、振動によってタイヤが浮き上がり荷重が抜ける原因になるのと背中合わせです。
前輪と後輪が ”角” にアプローチをするタイミングが重要になると想像できます。
そこで、ホイルベースを容易に変更できる実験機を製作して、HFRカメラで撮影・観察することで、階段攻略の要件を導き出すことにします。
実験機はホイールベースを10mmステップで設定できる仕様としました。

ホイールベース最小設定
ホイールベース最大設定

最悪条件から必要要件を導き出す

以下の動画は、全く階段を登れなかったホイールベース設定です。
タイヤが浮き上がって空転している様子が観測できます。

レスキューロボットコンテスト 階段評価 実験機 HPR撮影動画 (960FPS)

跳ね上がりが発生しない条件を導き出すのが実験のゴールです。

デモ用ロボットのコンセプト

階段攻略の理論的解説を行う為のデモ用ロボットを製作するのですが、理由があって(サプライズ的な)、” 如何にもロボット持ち込みました ” という感じにならない必要があります。
・ビジネスリュックにPCとロボットを収納できる状態が望ましい。
・省電力・高効率 (モバイルバッテリー使用)
・レスコン対応オリジナル設計のタイヤ

実験機によって得られた知見を基にデモ用ロボットを製作しました。

レスキューロボットコンテスト 階段評価  デモ用ロボット HPR撮影動画 (960FPS)

速度が速いと、ロボットの慣性でデッドポイントを超えてしまうので、低速で評価しています。
一方で特定の速度で共振して振動が激しくなり、グリップを失う可能性もあるので、色々な速度でアプローチして評価する必要があります。

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