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開業数ヶ月の未経験不動産仲介屋って、毎日何やってんの?

仲間内からよく聞かれる。

「不動産業」というだけで、なんとなく金がある、勝手に金が入ってくるイメージがあるようだ。・・・はっきり言うが”未経験”不動産仲介屋にそんなものあるわけない。余裕もない。時間もない。やることたくさん、、、なのに金がない。そして嫌でも毎回やってくる月末の恐怖だ。本当に怖い。

では、この底辺不動産屋が一日何をやっているか、、、

朝6:00頃、目が覚める。会社は10時から。しかし開業してから不安でこの時間に目が覚めるようになってしまった。二度寝しようにも仕事のことが頭から離れずソワソワして眠れない。・・・仕方なく起きる。

コーヒーを飲みながらSUUMO、HOME'S、at homeなどの反響をチェック。・・・なにもない。反響は3、4日に1回程度。物件ごとのアクセスをチェックし、反応の弱い物件は別の物件に差し替えるが、この弱小不動産屋には人気物件など手に入らないのだ。仕方ないので手持ちのゴミ物件で対処するしか無い。

朝飯を食い、着替え、8時ころ会社へ向かう。会社でコーヒーを飲みながら抱えている案件を確認。お客に「このような物件はいかがですか?」のメールのネタになる物件を探す。それを見つけては送信するが9割は返信がない。とても虚しくとても無駄な作業だといつも思う。1割のお客様本当にありがとう。貴方の返信にどれほど救われるか・・・

10時、女性スタッフ出勤。書類作成をお願いする。書類と言ってもたくさんある訳じゃなく、賃貸契約のたった3名分のみ。しかしこの書類の類が鬼門。とても面倒で時間がかかる。慣れてないせいもあるが、丸一日かかっても完成しない。

10時になると電話が鳴り出す。8割が営業電話。「ネット回線安くなりますよ」「追客ツールはどうですか?」「Google広告しませんか?」などなど。もううるせぇよ。勘弁してください。お金下さい。

1割は反響やお問い合わ頂いたお客さん。「SUUMO見て」「空き状況を教え」「見積もりください」などなど。HOME'Sから反響なんて来やしねえ。

反響や問い合わせなど、細かな仕事がしんしんと蓄積していく。どんどんリストに上積みされていく。「とっととやれよ」と思われるだろうが、それがなかなか叶わない。とにかく一つの処理に時間の掛かることが多いのだ。賃貸住宅探し一つとっても小一時間は軽く掛かる。この案件たち、時間が掛かってもお金になるなら良いのだが、成約率が15%程度の世界なので相当効率が悪い。賃貸は客単価も低いので相当非効率。

案件は賃貸仲介だけではない。ありがたいことに土地の売買、中古マンション売買、飲食用テナント、事務所、中古住宅売買、などなど頂いているが、なかなか利益に変えられない。だれか助けてください。教えてください。

そんなこんなでもうお昼。ランチだ♪・・・なんてわけ無い。12時にランチ食べれる会社員時代に戻りたい。嗚呼腹減った。このメールだけ返して飯にしよう・・・あ、もう13時15分だ。

糖質補給が必要だ。多めに米やパンを補給。こりゃ美味しい。コンビニってこんなに美味しかったのか。

食事後は架電。お客さんや知人不動産会社、業者さんにネタ探しの電話を入れてみる。少しでも話しが出そうなら「今から行きます!」と即アポ。何もなければ写真撮影や物件探しに出かける。会社に居たくないのかもしれない。

最近が物件探しへ出かけることが多い。
事業用物件や店舗など、パソコンで見られる情報なんて誰でも知ってる。お客も知ってる。そんなものを勧めたら、「この不動産屋、良い情報持って無いな」と思われて終わりだと思う。

土地や事業用などはまずは知人の不動産会社に聞いてみる。めぼしいのが無いようなら実際に希望の出店場所に出向き、窓に貼られた「募集中」を探し求め、発見したら即電話。また近くに不動産会社を見かけたら、突入し「情報ないですか?」と恥も外聞もなく聞いてみる。2,3件回ると未公開物件が出てくる。嬉しくなる。でもこういう場合「仲手分かれ」が多いのが痛い。
それを持ってお客に勧めるが、無論即契約とはならない。
こういうことに貴重な時間が莫大に消えていく。お金同じく。

物件案内(内見)の場合。
お客が来るか不安になる。来てくれるとホッとする。客の顔を見ながら説明するが、「そんなことわかってる」顔をされる。未経験不動産屋の下手な営業トークは何の参考にもならないらしい。これでも20年以上営業をやってきた。教育委員会、医者、議員、上場企業の社長などいろんな人に会ってきた。今の相手はずっとずっと若いのに緊張するのだ。自信をなくす。正直お客が怖い。

知人の不動産会社へ行ってみる。
「ネタください」と直球でお願いする。すると「うちも暇だよ~」なんて決まり文句が返ってくる。でもちらっと見える見積書や事務員さんの電話している内容に耳を立てると暇でもなさそう・・・焦りを感じる。
皆は「そのうち仕事来るよ。大丈夫だよ」と慰めを言ってくれる。もちろんそんな言葉を鵜呑みにするほど若くない。

もう夕方だ。会社員時代ならこのまま直帰してた。しかしそんな余裕もないので会社に戻る。時間は16:00~17:00くらい。疲れた。
会社にいる事務員さんから「◯◯から電話ありました」とか聞くとホッとするが、何も無かったときは世の中から取り残された気分になる。
事務員さんは18時まで。今日もありがとう。こんな会社でごめんなさい。貴方には感謝しかありません。

一人になったら無駄な電気を消し、暗い中でパソコンワーク。音楽を掛けて、コーヒーを入れる。机の中にあるドーナツで糖分補給。

追客、物件の案内メール、物件資料の作成、ホームページの内容変更、SUUMO、HOME'S、at homeの更新、メールへの返信、次の日の仕事の準備、事務員さんへの指示書作成、、、、

腹減ったな、、、あ、21時だ。今日は早くあがって家帰ってビールでも飲もう。もうジムには10日も行ってないなぁ、行こうかなぁ、、、と思いながら家に帰ってきてもパソコンを開いて深夜1時まで仕事している。

疲れたから寝る。
すると一番上に戻るのだ。