高級水彩紙の比較〜何もわからないけどテンション上がるよ編〜
水彩画の初心者が高級水彩紙の使い心地をそれぞれ記録していくだけのnote。今回は5種。
初心者ほどいい紙使うといいらしい(?)
水彩画においてもっとも描きやすさや仕上がりに影響する画材は意外にも水彩紙なんだとか。初心者としてはへぇ〜絵の具じゃないんだ〜って感じだ。紙か…、A4コピー用紙に塗って紙がベコベコになった人間としては気になる話題だ。
しかし水彩紙ってめっちゃお高い。相場を知らずに買おうとすると目玉飛び出る。
1枚数十円…⁉︎( д) ゚ ゚
ちなみに下に貼った製品はそんな水彩紙の中でもお高くて有名なやつだけど、反面めちゃくちゃ人気らしいアルシュというブランド。なんとA4よりちょっとでかいのが12枚入ってこのお値段。
……( д) ゚ ゚
一枚数百円…一体全体どんな大富豪用の紙なの?って感じだけど、水彩画界隈…と言うか、私が勝手にTwitterやInstagramで見ている人達は、これを愛用している人がめちゃめちゃ多い。高いけど戻れない…と皆口を揃えて言っている。そ、そんなに良いの…?気になる…。
でも初心者の私には絶対身の丈に合わないお高さ。でも初心者ほど良い紙使えとか専門ブログには書いてあるし…うぅ…。
もちろん水彩紙にはアルシュ以外にもたくさん種類があり、スケッチブックのように1冊単位とかで売られている。しかし、アルシュほどでは無いにしろ(500枚で数百円の)コピー用紙を買うような気軽なお値段ではない。1冊10ページ前後で数千円。仮に水彩紙を10種類比較しようとしたら、全て10枚入りの最小枚数形式で揃えても数万かかるわけで…。しかも水彩紙って長いこと使わないと湿気ってダメになるらしいのであまり一度に在庫を抱えるのも考え物とのこと。うぐぐ…休日にしか水彩画やらないからそんなに描けないよ…。
1番重要な画材らしいのに比較し辛いとは…困ったもんだ。でもまぁしゃあない、とりあえずAmazonで見つけたこれ、比較的安くていいって描いてあるし、これで頑張ろう!!
そんな矢先の事だった。
水彩紙をお安く比較出来ちゃうよ祭り
な、なに〜!1500円で10種類もメーカー違いを選べる上に、アルシュも含むだと〜!
最高!!( ゚∀゚)o彡°
と言うわけで、鼻息あらくビュッフェしてきたのが4月。4月なんてメチャクチャ忙しい時期に行ったんだから本気具合がわかるね。
で、最近ようやくビュッフェに行く前に開けてしまっていたオフーフの水彩スケッチブックの1冊を使い切った。(この製品についても後述する。本当に初心者なので、お安い中国の紙は練習に持ってこいだった。)
そして今回の水彩画からはついにビュッフェの紙の出番!と言うわけで、どんなふうに比較しようかワクワク考えた。最初はそれぞれの紙の特徴や適した水彩技法とかを詳しく比較しようかと思っていたんだよね。でも調べたら水彩紙の特徴を比較したりまとめている専門のブログって沢山あるのよ。あるならそれ見ればいいよな…。
てかマジモンの初心者だから、自分がどの技法を多く使うのかとかまるでわからんし、滲み具合とかだって最悪「違い…あります???😭」ってなる可能性も十分に考えられるし。
よし、それなら1枚ずつ作品を仕上げて、発色とか塗りやすさの体感などをわからないなりに記録しておく方がいいんじゃ無いだろうか。てか試し塗りだけじゃ勿体無い。(本音)
てな訳で、紙ごとの特徴とかでなく、使用時と完成後に私がぼんやり感じた事を主に記録していこうと思う。もうね、完全に主観。それも超初心者の主観。ご了承下さい。
と言うわけで前提条件
①私はプリンターでA4サイズの紙に線画を印刷して塗るので、価格は1番A4サイズに近い最小枚数の製品の1枚あたりで比較しています。値段はざっくり。
②水彩紙の作例にはBL的でややセンシティブなものもあります。あらかじめ背後をご確認の上で進んで下さい。(R18ではないよ)
まずはビュッフェ以前に使用していた紙から。
Ohuhu 水彩紙 ブロックタイプ 中紙300g(超厚口)
1枚約35円
安い割に分厚いし滲む!意外とちゃんとしてる!!と言うAmazonの高評価レビューを見て購入した。2冊入り。枚数多いので、一冊ずつ売ってくれないかなぁとか思ったり。でも300gの頑丈な紙なのに気楽に使えるのでとても頼もしい。
作品例
結構すぐに乾くので、滲ませようとすると忙しいけど、慣れれば多分平気な気がする。凸凹がもうすこし控えめだといいのになぁとたまに思う。これも慣れかな。
とにかく安いので練習用にピッタリ。でも、(…アタイってば高級紙に描いちゃって…むふ)みたいな謎の優越感みたいなのは無い。高い紙だと「緊張する…」とか「もっと安かったらなぁ」とか思っちゃうくせに、安いけりゃ安いでこう言うふざけたこと考えるのよな。これだから人間ってやつぁ。(お前だよ)
マルマンヴィフアール水彩紙中目242g
1枚約63円
オフーフの印象が強くて忘れていたけど、1番最初に絵の具と一緒に買ったのはこれだった。水張りのために濡らしたら、みるみる丸まってびっくりしたなぁ。
その後「300gの紙は水張りなしでも平気」と知り、300gの紙信者になった為この紙は選択肢から外れた。水張りは板から水張りテープを剥がすのがめんどくさ過ぎるので厚みのある300gが第一条件ってわけ。指もスケッパーでざっくり切ったし。
ヴィフアールの紙の色は優しい黄色。割とムラになりやすいというか水を弾いて吸い込みが悪い印象がある。
あとマスキングテープを剥がしたり消しゴムをかけたりしたとこはぬらすと毛玉がついた安い布みたいになりがち。繊細な紙なのかもしれない。お値段は良心的だし近所の画材店でも売られているメジャーな製品。
滲みを楽しむって感じでは無かったかな。実力不足もあるんだろうけどなんせ弾くのよ。染み込むまで待てなくて次の色塗っちゃって滲むと言うより混ざって濁ると言うループに陥りがち…。
紙の凸凹は控えめだけどちゃんとあるって感じで好み。黄色っぽいこともあってか素朴な感じに仕上がる。因みにこの裸天使のイラストは、練習で塗ったのにとても気に入ってしまった為自室の壁にデカデカと飾ってある。これを飾っている間は不慮の事故で死ねないぜ…と毎日気を引き締めている。
アルシュ300g細目
1枚約248円
これが噂のアルシュ…、お高過ぎて鼻水出ちゃう。などとドキドキしながら線画を印刷したら、重なってたコピー用紙も同時に吸い込まれてしまい、焦りまくった。まったく、どうしてそう言うときに限っていつもは無い紙がセットされてるのかね…。
一応印刷されたけど、下にちょっぴり余白ができてしまった。分厚くてかなり硬く、裏面はザラザラしている紙なので、印刷するときは1枚だけセットして指をしっかり添えて押してあげないと給紙スペースにちゃんと入りにくいのかもしれない。
塗り心地はとても良かった。ものすごく水の吸い込みが良くて、絵の具を置くと「スッ…」と染みこみ、すぐに次の色をのせられて、かと言ってすぐにカサカサになって滲まないなんてこともなく、結構長いことぼかせて楽しかった。布に描いてるみたい。コットンだから布なんかな。いや紙だよな?わからん…。
描いているときはお高いだけあって発色がいいなぁ!とか思ってたんだけど、今こうして同じタイミングで塗った他二枚と比べると、仕上がりが全然違う!!って程では無かった。あれはプラシーボ効果だったんだろうか。
いや!俺ならアルシュがどれなのか滲み具合で当てられるぜ!!って人は、ぜひ下のテストをやって見てね。
どれがアルシュかクイズ
全部違う紙で1枚だけアルシュ。
まぁ答えが間違っていたとしても落ち込まなくて大丈夫。私の実力ではこの紙の良さを引き出すには至らなかっただけって線が濃厚なので。
正直、描く時の心地よさと引き換えにこのお値段だわよと言われるとちょっと購入を尻込む。ただ値段を気にしないならぜひ買いたい、そんな印象の紙だった。これは細目なので凸凹はほぼなくて綺麗な見た目だった。
そう言えば、紙の一部に「アルシュ」って透かしみたいなのが入っていたなぁ。A4にするために切り落としたとこに入ってたから、画像では見えないんだけど英語でかなりデカかったし目立つなぁと思った。普通は切り落とさないと思うんだけど、作品に載せたくない人とかいないのかしらアレ。それともそれを凌駕するブランド名なのだろうか。
ミューズランプライト300g
1枚約170円
アルシュで印刷がややズレ、ホワイトワトソンで盛大にズレたので指でしっかり押し込んで印刷した。おかげでほぼ中央に印刷されたと思う。それでも多少はずれているけど、硬い紙を印刷するときのコツを覚えた感じある。
結構たくさん重ねて塗ってるのに色が濃くならないなぁと思った記憶。滲みもものすごく滲むと言う訳ではなかった。ただ塗ってる時に「この紙、オシャレでいい感じだなぁ」と思うことが多かった。黄色っぽい紙は青が映えないのかなとか、好みじゃないかも〜とか思っていたんだけど案外好きなのかもしれない。
あと単純にスケッチブックの表紙デザインが好み。私、青色を画面全体に効果的に使う絵描き、と言うかもはや「作風が青」みたいな人にめちゃくちゃ憧れがあるのに、大好きなのは山吹色…と言う自己矛盾を抱えているんだよね。多分有名な絵画に使われている青い絵の具は高級なラピスラズリって言う石から作ったよみたいなロマンのある話を聞いたせいで「憧れ」と「好き」が分裂した。なのでこの絵も「あぁ〜;青い絵を描きたいのに黄色くなる〜でも黄色好き〜」とか思いながら塗った。
ミューズホワイトワトソン300g
1枚約123円
印刷するときに取り込みが悪くてめちゃくちゃ上にズレたので要注意だなぁと思った。アルシュの印刷のあと、これ一枚だけ置いとけば問題ないでしょと舐めてたらめっっちゃズレたのよね。反省。しっかり指で押し込めば無事にいけたかもだけど、押しても多少ずれそうな気もする。そんな感じの硬さ。てか同じ300gの紙でも結構厚みとか紙の柔らかさは違うんだなぁと思った。同じなのは重さだけなんだねきっと。
ぬりごこちとしてはアルシュの「うわ吸い込む!!」みたいに特筆するような何か優れた印象は無かった。普通に濡れるし普通に吸い込むというか…。けど、オフーフの紙よりは滲ませやすかったし、完成後の雰囲気も好み。ただ、マスキングインクを使ったりその後剥がすためにラバーで擦ったところが軒並み紙ごと剥がれてしまい、補修する羽目になった。その点は凄い弱い紙なんだなぁって印象。
でも水彩画の専門ブログを見ると、皆それぞれ言ってることが違ってたりして興味深い。この紙も「マスキングに強いです」って言う人もいれば「弱いのでマスキングは向いてないです」って人もそれぞれいてさ。多分同じ水彩画でも水の量や塗り方が全然違うからなんだろうね。
まとめ
因みにアルシュ・ホワイトワトソン・ランプライトの3枚はほぼおなじ色で塗ったので完成を見比べることができたんだけど、ものすごく違う!!!ってのはなかった。塗ってる時、アルシュだけはやたら水の吸い込みがいいので「これアルシュだわ」ってわかるけど完成しちゃえばわからないし、むしろそれ以外は各自の好みの領域なのではって感じ。まぁ細かく書き込む技量のない初心者の感想だから、もっと細かく書き込める人は感じ方が変わると思うけど。
てなわけで今回はここまで。
どれアルクイズの答えを言うと、左から順にホワイトワトソン・アルシュ・ランプライトです。青は絵の具の濃さが少し違うかもだけど雲はほぼ同じはず。
まだ試してないビュッフェの紙は
W&Nコットマン270g荒目
W&Nコットマン270g中目
W&Nコットマン270g細目
モロー水彩300g細目
ストーンヘンジアクア300g細目
ファブリアーノトラディショナルホワイト300g
セザンヌ300g細目
あと他にも試したいなぁと思っている紙が
モンバルキャンソン300g
ウォーターフォード中目300g
アクリルデネブ
ってところ。この3つは自分でスケッチブックを買わないとダメだ。
ふ〜む、道のりは長い…。まぁまた何種類か描けたら、noteに続き書くね。
んでは長々とお付き合いありがとう。んまぁ〜たね〜👋
超暇な人向け↓
ぼやき
そう言えばなんだけど良かったらお願いを聞いてほしい。
何かというと、ツイッターでキラキラ絵の具とか金箔に関する知識を共有できるようなコミュニティに入ってる人がいたらぜひ教えて欲しいって言うお願い。
透明水彩画材と白熊の画材沼ʕ•ᴥ•ʔって言うコミュには入らせて貰っているんだけど、キラキラ画材特化コミュでは無いのよね。当たり前だけど。
だから『キラキラ絵の具』とかで検索してるんだけど、コミュニティの検索って出来てんだか出来てないんだかって感じで全然見つからない。なので現状は孤独にヘラヘラと自分の絵をキラキラさせて楽しんでいる。
因みにキラキラ絵の具を好む個人アカウントはほぼほぼフォロー済み。センシティブ絵見られてブロックされると困るので、見る用アカウントからだけど。
そんな感じ。情報、お待ちしております。
ついでだし孤独なキラキラも見てって〜٩( ᐛ )و
これもキラキラ凄いよ( ゚∀゚)o彡°