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自分に必要な休息は春鬱が教えてくれる

こんにちは!いけかよです。
みなさんは、春に起きるメンタル不調「春鬱」をご存知ですか?
5月病じゃないですよ。もうちょっと手前の、桜の咲くポカポカ陽気の頃に起きる鬱状態です。
最近だと「春鬱」と検索するとけっこういろんな記事がヒットするようになって、それなりに認知が広がってきたなと思います。

今回は、そんなわたしのある意味“風物詩”でもある春鬱について、お話したいと思います。もし「自分もそうだ」という方がいらっしゃったら、ぜひお読みいただけると嬉しいです。

子供の頃から春鬱だった

春が憂鬱だったのは、思い出せば小学校の頃から始まっていたかもしれません。
学生時代って、春はいつも環境が変わります。クラス替えや卒業や進級など。慣れない環境にあれば、そりゃあストレスフルでしんどいでしょう。
今でも、小学校のときの4月に「今月のうた」として歌っていた「春の小川」を聴くと、童謡ならではの切なさとともに、なんともいえない重たい気持ちになります。

しかし、春だからといって必ずしも変化のない社会人となってからも、春のメンタル不調は続いたのです。

余談ですが、鬱といえば日照時間の短さや気温の低さからくる「冬季鬱」は、春鬱よりもよく知られることかもしれません。
しかしわたしの場合、冬場はけっこう大丈夫。寒いのは厚着すればいいし、冬場のビールはまた格別でおいしいし、なんの予定もないけどクリスマスソングは大好きだし、年末は忙しいけど忘年会がたくさんあって楽しいし、お正月は遠慮なくグータラできるし!!!

むしろ、そんな冬が少しずつ存在感を弱め、ちょっとずつ春めいてくる3月頃になると、わたしの気持ちは落ち始めます。

世の中は「桜前線」などと言い始め、新学期だ新年度だと浮かれだします。気温は15℃越えがデフォルトになり、花粉が舞い始める。
わたしは花粉症は持っていないのですが、この頃になると自身の落ち込みを警戒するようになります。

春眠暁を覚へず?

わたしの具体的な春鬱の症状は

  • なにもやる気が起きない

  • 特に何かあったわけでもないのにいつも悲しい

  • アイデアが冴えない

  • とにかく眠い

  • パワーが湧いてこない

というようなもの。
それって「春はやたら眠い」っていうだけの話ちゃうん、とお思いでしょうか。じゃあこのメランコリーはいったいどう説明がつくというのでしょう……!

♪窓の外清々しく晴れてれば晴れてるほど
悲しくなるのはとっても寂しいことだとおもいます♪

わたしの大好きなアーティストはこう歌ったけど、まさにこんな状態。外がとっても美しいお天気で桜も満開なのに、自分は憂鬱なのです。その状況に更に落ち込みます。

ちなみに、調べてみると日本で自ら命を絶ってしまう人が最も多いのはやはり(というべきか?)4〜5月なのだそう(厚労省HPより)。フィンランドでも1年でもっともさわやかな季節である5月に自殺する人が多いのだそうです。

春鬱がそれなりに知名度を得てきた近年では、ネットで調べてみるとその理由を寒暖差による自律神経の乱れだとか、生活環境の変化によるストレスだとかの分析をされています。
いけかよも、以前書いたコラムで気候やホルモンバランスによる心身への影響は自覚しています。

でも、だからってその原因探しをしても春鬱の対抗策には限界がある気がしています。なぜなら、これは季節由来のもので、「わたしのバイオリズム」なのだと思うからです。
野生動物が冬には冬眠するように、ムーミンも冬には冬眠して春になったら起き出して旅から戻ってくるスナフキンを待つように、そういう抗えない「生き物としてのサイクル」なのだと開き直っています。
だから春鬱はいわば、わたしにとっては「心の花粉症」なのだと思っています。

その証拠に、だいたい夏っぽくなってくるGW明けには、春鬱は回復しています。「5月病」なんていう言葉もありますが、まさにその時期にわたしは元気になるのです。

自分のバイオリズムを知る

たまには鬱にならない春もありますが、ここ何年かで、1年でいつどんなことが起きているかをふと考えてみました。
わたしは日記をつけたりしてるわけではないので、記憶の範囲内なのですが、

年明け〜3月上旬:淡々とやりすごす
3〜4月:鬱っぽくなってがんばれない
5月以降:仕事が本格的に忙しくなってくる
6月:早々に夏バテ
8月:大好きな季節。フェス!夏休み!元気!だけど、転機となるような出来事も起こりやすい
10月:ちょっとおセンチになる。夏が終わるの悲しい
12月:めっちゃ楽しい&忙しい&転機となるような出来事も起こりやすい

ざっくりと、なんとなくこんな感じがするのです。

わたしはけっこう浮き沈みの激しいバイオリズムで、すごい落ち込みとすごいハイテンションを繰り返す傾向にあるようだ、ということにも気づきました。

人によっては、いつも淡々と一定のテンションを保つことができる人もいて、それは自分にはない感覚なので羨ましくもありますが、どちらがいいか悪いかということでもありません。自分がどんな生き方を選ぶか、です。

そして、大きな「浮き」を味わいたければ、大きな「沈み」も受け入れなければいけない。
だからこそ、わたしにはこういうバイオリズムが形成されたんだろうな、とも思ったのです。浮き沈みの激しいジェットコースターみたいな人生って、しんどそうやけど楽しそうやん!と思うから。

ずーっと絶好調で走り続けられる人はいません。どんな人にも波はあります。
それは振り子のようなもので、+10があればー10もあるということ。人間の感覚とすれば、いつも+10であることが最高なような気もするけれど、でもなんだかそれって体に悪い気もします。いくら体にいいからといってアサイーばっかり食べてればいいのかっていうのと同じで、人にはいろんな栄養素=経験が必要です。

そしてそれは、一見あんまり受け入れたくない感覚として起こることが多いということも感じます。
それの象徴が、わたしでいうところの「春鬱」なのです。

「+」を受け入れるための「ー」

自分が春鬱を自覚してから、「GW過ぎれば治る」という感覚だけは持っていました。それは、経験として蓄積した体感です。
春鬱、どうしようもなくしんどいです。いろいろ対処のしようはあるものの、そもそも「なにもやる気がおきない」のですから、わかってはいても体がいうことを聞かないという状態。
そんな状況において、「GW明けまでは」という「ゴール」があることが、なによりの救いです。

つまりこれが「自分のバイオリズムを知る」ということ。
次の波がいつ来るのかを知っていることがすごく重要な気がするのです。

みなさんも、自分の過去何年かを振り返ってみると、なんらかの傾向が見えてくるかもしれません。
もちろん、それは思い込みで、「春は鬱になるんだ」と思っているからそうなる、という考え方もあるでしょう。4月を新年度とする日本のカレンダーによる影響もないとは言えません。
ただ、やはりそういうこと以外に、そうなるなりの理由があって、それこそが「+10を受け入れる準備をするためのー10」だと思うのです。

わたしがわたしのバイオリズムをなんとなくわかったとき、大きな転機が起きる8月や12月、仕事が忙しくなってくる5月、これらの季節はいうなれば「+」の時期。そして、考えてみれば当たり前ですがそのちょっと手前の4月とか6月とか10月とか、ここらへんは「ー」もしくは「0」の状態。

つまり、大きくジャンプするために腰をかがめている状態。もしくは、体力温存、回復期とでもいいましょうか。
充電期間とも言えるのです。

自分の感覚を信じる

いけかよはお調子者です。
自分のエネルギーを調整することがすごく苦手で、元気で頑張れそうなときはいくらでも頑張ってしまいます。
エラマプロジェクトでいろんな「立ち止まるため」のコンテンツづくりをしておきながらお恥ずかしいですが、依然「休む」ことが下手です。自分の限界が、よくわかりません。

だからこそ、ある意味の「OFF」のスイッチを、自分のバイオリズムが教えてくれることがありがたいと思います。

ついつい生真面目に働いてしまうわたしたちは、自分の感覚を押し殺してしまいがち。いけかよの「春鬱」も、基本的には他者に理解されるものではありませんでした。

でも、これからより重要なのは「自分の感覚」です。
そこに理由はいりません。
もしあなたが、自分の「感覚」で行動を選択できる状況にあるならば、どうぞ自由に寝て休んで遊んでほしい。
そこまで自由にはできひんわ!という方でも、なんらかのかたちで自分の行動パターンを見直してみていただくとよいかもしれません。思い込んでいるだけで、ぜんぜん楽にやっちゃっても大丈夫かもしれませんよ??

そして、どうぞご自身のバイオリズムを発見してください。
100人いれば100通りのバイオリズムがあるはずです。
そしてそれが一生そのまま一定ということでもない気がします。
大事なのは、今、自分が納得できているということ。+もーも、すべて自分に必要なプロセスとして、じたばたしてもいいから、受け入れるということが重要な気がするのです。

というわけで、いけかよは5月から本気出します。

では、また!

Text by いけかよ(よむエラマ編集長/エラマプロジェクトCPO)

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