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実力アップに欠かせない! 目的と目標の設定方法

 みなさん、ごきげんよう。

 今回は「目的と目標」について考えてみたいと思います。

 「目標があった方がいいと思うのでTOEICでも受けてみようと思うのですが…」といったご相談を受けることがしばしばあります。

 たしかに英語の勉強を進めるにあたって、目標がある方がモチベーションも上がり、成果が出やすいように思われるかもしれません。

 しかし「とりあえずTOEICでも…」と言った方で所期の目標スコアに予定通りに到達した人を私はほとんど知りません。

 英語の学習において目標を持つことはとても大事です。しかしもっと大事なのはどのような目標をどのように設定するかということです。

 それでは効果的な目標の設定方法について考えてみることにしましょう。

「目標」は「目的」のもとに存在する

 「とりあえずTOEICでも…」という目標が機能しないのはなぜしょうか?それは目標の前段階にあるはずの「目的」が検討されていないからです。

 目標は単独では存在しないと私は考えています。英語を学ぶ目的、身に着けた英語を使って何をやりたいのかという目的がまず存在するはずです。

 その目的を果たすためにはどのようなレベルの英語を身に着けるべきか、それレベルの英語を身に着けるためには何をすべきかが順番に明らかになり、そこで初めて目標が設定されるはずです。

 このような目的意識を欠いた目標には実質が伴っていません

「とりあえずTOEICでも…」という目標には実質がないのです。そして実質のない目標には達成の必要性がないので、英語学習が難所、切所に至ったときに「踏ん張り」がきかず、結局のところ目標を到達することができないのです。

 「とりあえず…」の目標を立てた人は、意識的にせよ無意識的にせよ、心のどこかで「この目標は実は到達する必要性がない」と感じているものではないでしょうか。そのひっかかりのようなものが目標到達を困難にする原因になっていると思われます。

まず英語を学ぶ「目的」を考えてみる

 上のような考えに立ってみると、まず英語を学ぶ目的をちゃんと考え検討しておくことが重要だということになります。

 目的を考えるときに大切なのはできるだけ具体的なイメージを持つということです。

 たとえば「ビジネスで使えるように英語を学ぶ」という目的を持っている人と、「ビジネスミーティングで相手の意見を聞き取り、自分の意見も言えるようになるために英語を学ぶ」という目的を持っている人では、学習をどう進めるかという指針の具体性に違いが出てきます。

 英語を学ぶのは何のためかという目的を考えておくことで、学習へのアプローチが明確になり成果を上げやすくなるわけです。

「目的」は段階的に考える

 目的と考えるときは段階的に考えていくとよいと思います。

 まず大目的を考えます。「ビジネスで使う」「旅行で使う」「友達と会話する」など、この段階の目的はある程度アバウトでよいでしょう。

 次にもう少し具体的な中目的を考えてみます。ビジネスを例にとってみると「ミーティングで使う」「商談で使う」「プレゼンで使う」などです。中目的は英語を使う場面を想像してみると設定しやすくなると思います。

 最後にかなり具体的な小目的を考えてみます。ビジネスミーティングで英語を使うという前提で考えてみると、どんなことが議題となるミーティングなのか、どれくらいの頻度で開かれるのか、対面ミーティングかテレフォンカンファレンスか、相手の意見を聞き取るのが主か、自分の意見を言うのが主か、できるかぎり具体的に考えてみましょう。

 小目的を考えるときはいわゆる5W1H(いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように)を目安にして考えてみるとよいでしょう。

「目的」の変化には柔軟に対応する

 気を付けておきたいのが、中目的や小目的は変更される可能性が多分にあるということです。大目的が変わることもありますが、中目的や小目的はその時々の状況に応じて変化していくことがよくあります。

 英語を学ぶ目的が変わったとしても、学習に対する基本的なアプローチが劇的に変化することはないかもしれません。しかし学習のアクセント置き方は変化すると思いますし、目的が変わればモチベーション管理の方法も変わってくるでしょう。

 目的が変化しそうなときは柔軟に対応することが必要です。最初に決めた目的に固執する必要はありません。新たな目的について少し時間を取って考えてみるとよいでしょう。

 一度決めたら最後までやり通すことは美徳とされますが、学習の目的については状況に応じて柔軟に変更・再検討してみることが重要です。

目的が定まれば目標も決まる

 何のために英語を勉強するのかという「目的」が定まれば「目標」も決めやすくなります。

 「金融商品のビジネスミーティングで英語を使う」という目的で勉強する人ならば、ミーティングでよく使う表現を覚えたり、金融関係の単語を覚えたりすることが必要になります。

 もちろん特定の分野に特化した訓練が成果を発揮するための前提条件として、基本的な英語力は欠かせませんから、英文法や一般的な単語の習得も必要となるでしょう。

 英語を使う目的に近づくためにクリアすべき課題、それが目標です。ただぼんやりと「とりあえず…」的な雰囲気の中で決まるものではありません。

目標はsmall stepsに落とし込む

 中長期的な目標を持つことは学習全体のロードマップを作る上で重要です。しかしそれをより実のあるものにするためにはsmall stepsに落とし込むことが欠かせません。

 たとえば「外資系に転職する」という目的を果たすため、「TOEICで800点を取る」という目標を立てたとします。

 しかしこれでは目標がアバウトすぎます。目標はアバウトになればなるほど到達可能性が低下します

 いつまでに800点取るのか、そのためにはいつまでにどの分野をどのレベルまで引き上げる必要があるのか、そこまで落とし込まなければなりません。

 すると目標を達成するために「〇月〇日までには英文法の□□の項目をマスターしなければならない」「×月×日までには単語帳の△ページまで覚えなければならない」という小さな到達目標が設定されるはずです。

 この小さな到達目標を1つずつクリアしていくことが中長期目標の達成につながり、中長期目標の達成によって、目的を果たすために必要な英語力が身についていく。これが理想的な学習サイクルです。

目標設定における「あそび」の時間

 せっかく立てた目標が到達できないまま計画倒れに終わってしまう人もいます。

 そんな人たちを「意志薄弱」と切り捨てるのは簡単ですが、大事なのはなぜ目標が達成できないかを考えることではないでしょうか。

 目標が到達できない理由の1つは目標に実質が伴っていないということで、これはすでに述べました。

 もう1つの原因として「あそび」の時間が作られていないということがあると思います。

 「あそび」の時間とは単なるリラックスタイムということではありません。「あそび」の時間とは「予備時間」という意味です。

 社会に出て働きながら、また家庭の用事をこなしながら学習を進める場合、どうしても不測の事態は生じます。急な残業だったり、子どもが熱を出したり、それで予定が狂ってしまうことがあります。

 その狂った予定を取り戻すための予備時間、それが「あそび」の時間です。

 この「あそび」の時間を作っておかないと、何か1つ予定が遅れ目標到達が難しくなると、その後はどんどん歯車が狂っていきます。そして計画の狂いや乱れはモチベーション低下の大きな要因となってしまいます。

 「あそび」の時間は気持ち多めに取ってあげるとよいでしょう。そしてその週はすべてが予定通りに行き、「あそび」の時間は必要ないとなったら、その時間で学習を先に進めるもよし、復習の時間に充てるのもよし、文字通り「遊び」に出かけてもよいと思います。

 いかがでしたか? 目的と目標の関係性や設定の方法について参考にしていただけたでしょうか?

 目的や目標は人によってそれぞれです。特に目標は「立てては挫折し」を繰り返すこともあるでしょう。そんなときは思い切ってすでに立てた目標を一度捨て去ってみることも大事です。

この記事のまとめ

1.「目標」を立てる前に英語を学ぶ「目的」を考えることが重要です。
2.「目的」は大中小の三段階で考えてみましょう。
3.「目的」に応じて「目標」を考えてみましょう。
4.「目標」はsmall stepsに落とし込みましょう。
5.「目標」到達のためには「あそび」の時間も重要です。
 
 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 それではまた。ごきげんよう。

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