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行き先はどこでもいい。

夏の間に一度会おうということになって、7月に連休をとって新幹線に乗った。ちょうど東京オリンピックが開幕するタイミングだったけど、コロナは収まる気配すらなかったし、どこも自粛モードだった。そういう状況でも私はもう会わずには居られない気持ちだった。

事前に、何処行く何する的なやり取りがあって、私が「フィッシュマンズ」というドキュメンタリー映画が観たいとストーリーにあげたら、彼も気になっていたらしく、観に行こうという話になったんだけど、オリンピック開催前に緊急事態宣言が解除される予定が当たり前のように延長されて、お互いにいろいろと気になったのと、初めて会うタイミングでいきなり2時間くらい沈黙する状況になるのはどうなんだろ?と思ったので、とりあえずドライブしながらいろいろ話そうということになった。

不思議と緊張とかは全くなく、久しぶりに友人に会うみたいな感覚でいた。

「ポルシェで来たからすぐわかると思う笑」というメールを軽く流して(笑)軽自動車で来ていた彼に「ヤッホー!」と挨拶した。

当たり前のように連日もの凄く暑い日が続いていて、その日も殺人的な暑さだったのに、ロンTにフルレンのジーパンとスニーカーという姿だった。

「暑くないの?」と聞くと

「めちゃくちゃ暑い。」と。

初めて会う女子に、Tシャツ短パンではマズイと思ったらしい笑

車を走らせて、すぐにコンビニに寄った。タバコとペットボトルのコーヒーを買って戻って来て、路駐の車内で、

「本当にメールありがとう。」とお礼を言われた。自分が心底弱っている時にくれたDMで支えられた。と。このタイミング?と思ったけど、忘れずに最初に伝えなければと思っていたのだと思う。

いつも感じていることだけど、人が人と関わる時、自分は何も与えることが出来ない、何も持っていないと思っていても、必ず何かしらの影響を与えてる。ポジティブなこと、ネガティブなこと、どちらでもありえる。彼が支えられたと感じていると同時に私も支えられていた。だから、その時相槌のように「こちらこそ。」と返した。本当に正直な気持ちだった。

初めて会ったその日、結局、車内にあった棒を倒して、倒れた方角にひたすら車を走らせるというドラマみたいなことをして、最終的に県をまたいでラーメンを食べて帰ってきた。こういう提案が彼らしくてとても好きで、漫画みたいなセリフを本気で言うから笑いが尽きない。はなしのネタも全く尽きない。

ただただ本当に、すごく楽しかった。