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一番欲しいマスクの話

こういう時期なので、あまり家から出歩くこともないから
マスク不足というわけではないのだけれど、
「このマスクは欲しいなあ」と密かに思っているマスクがある。

New Balanceのマスクだ。
「Made shoes yesterday. Making masks today.」
というコピーもかっこいいけど、
マスクのデザインが奮ってる。
スポーツブランドが作るマスクだけに
つけても息苦しくなさそうな気がするのはぼくだけか笑

確かに工場にはシューレースもあるし、
足中が蒸れないような機能性素材もある。
最初、このプロトタイプがインスタグラムに現れたとき、
「広告」かと思っていたら、
すぐに工場で作り始めたことが報じられた。

地元の2つの工場で週10万枚ペースを目指し生産するらしい。

New Balanceの地元、ボストンに行くとわかるのだが、
街のあらゆるところにNew Balanceがかかわっている。
ボストンを本拠地とする
NBAのセルティックスもMLBのレッドソックスも
New Balanceがスポンサーとして名を連ねている。
ちなみにボストン・マラソンのメインスポンサーはadidas。
マラソンシックスメジャーのうち、
ロンドン、ニューヨークのスポンサーはNew Balance。
なのに、なぜか地元で開催されるボストン・マラソンは押さえない。
マーケティングがうまいのかへたなのか?ちょっと変わった会社だ。

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このマスクの話。
単にスポーツメーカーが強みを活かしてマスクを作ったという話ではない。
地元のボストンの雇用を守ることとセットである。
この試みがすぐに動き出せたのは
New Balanceが非上場企業ということも背景にある。

聞いた話では、(聞いた話なので、ホントのところは知らないが)New Balanceの社員は海外出張時はどんな社員でもビジネスクラスでの移動となるらしい。「出張先でいい仕事をしてもらいたいから、移動疲れがでないように」というNew Balanceオーナー家の意向らしい。「配慮は大変ありがたいのだけれども、毎回ビジネスクラスの移動で経費がかかるため、頻度も人数も限られるから、おいそれと海外出張ができない」ということでもあるらしい笑
そんな従業員思いのなんかちょっと変わった会社。

ボストン・マラソンを取材したついでに
レッドソックスの試合を観にフェンウェイパークに行った。
ネットでとったチケットは外野席の奥まったところ。
取材もあってスタジアムに着くとゲームはすでに始まっていた。
自分の席までたどり着くには、数々の人に
「すんません!すんません!」と謝りながら行く必要がある。
困ったなあ。思っていると、場内案内役のおじいちゃんがチケットを見て、
「おお、お前、俺の横にいろよ」と、空いていた良席に座らせてくれた。
ぼくが履いてたNew Balanceを指差して、
そのおじいちゃんがごっついリングをつけた手でサムアップ。
「グットシューズ」と言って褒めてくれた。

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New Balanceとボストンという街はそんな関係。
ボストン・マラソンは秋に延期になったから
事態がおさまったら、また行きたいなあ。ボストン。


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