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2020年9月25日今日の一枚

「なあなあ、せっかくやから三人で撮ってもらおうやあ」
全日本実業団女子10000m決勝でのできごと。

世界陸上ドーハでの出場を決めておきながらも、直前の故障で長期離脱をよぎなくされていた、日本郵政の鍋島莉奈選手がラスト1周でキレキレのスパートを決めて優勝したレースだ。

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優勝こそ逃したが「こりゃ、強い」と会場がうなったのは中盤以降、ラスト1周まで先頭を引き続けた前田穂南選手だ。

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マラソンをやりながら、トラックのタイムをあげていく。その証拠に彼女のシューズはスパイクではなく、ホクレンから一貫してマラソンシューズ。彼女のテーマはハイペースで押し続けていくこと。全日本実業団女子10000mは「復活」そして「現在地を確認する」レースでもあった。トラックで日本代表を狙う松田瑞生選手は2位に入った。

「なんかいろいろ良かった」と思ってゴール後にレンズをつけかえて、ポジションを変えることにした。

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という今日の一枚は「なあなあ、せっかくやから三人で撮ってもらおうやあ」「カメラマンさんいいですか?」と撮ったもの。

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音頭を取ったのは松田瑞生選手。ひととおり撮らせてもらったあと、
写真を撮ってる姿を見つけて、たくさんのカメラマンが背後にかけつけた。
たくさんの報道陣にむかって鍋島選手がこういった。
「大阪薫英の先輩後輩の2ショットをどうぞ!」と。

松田、前田の二人は大阪薫英の先輩後輩の仲である。すでにオリンピック出場を決めている前田、破れたとはいえ、再スタートを切った松田。そういうアングルで記事がでてきてもおかしくない。確かに前田穂南はすごかった。
そして、松田瑞生もトラックに向けてスタートを切った。けれどもこの日の主役はやっぱり鍋島であった。

みんな、鍋島選手の復活を待ち望んでいたのだ。
カメラのフラッシュは再び、三人を照らし続けた。







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