見出し画像

ワールドクラスの油布ジャンプ

「油布ジャンプ」という言葉はご存知だろうか?
もし、知っていたら、かなり癖の強めな箱根駅伝ファン。

油布ジャンプ  
2011年、スタートラインに立った油布郁人(大分東明→駒大→富士通)が繰り返したとてつもなく高さのあるジャンプ。以前、宮崎県延岡市の治療院の先生から「跳ぶとリラックスするよ」とアドバイスを受けたことがきっかけなんだとか。駒大の選手には油布ジャンプが受け継がれている(ような気がする)。2018年度、その活躍を惜しまれながらも引退。最後のレースはホクレンディスタンスチャレンジ深川5000mで記録は14分13秒68。その後、中谷雄飛(佐久長聖→早大)のスタート前のジャンプが油布クラスであることが判明。「ユヒジャンプ」と勝手に命名された。
あまこま用語集より)

スクリーンショット 2020-06-28 13.31.10

これを観て以来、国内外の選手の「油布ジャンプ」を採取していくのが、密かなライフワークとなっている。

現役を引退した油布選手がOTT(オトナのタイムトライアル)PMとして参加されたときは、スタート前は油布選手のジャンプをみんなで見守るという「儀式」が執り行われた。

油布ジャンプが有名になったのは、長距離選手とは思えないバネ。これまでも、数々の長距離選手が油布ジャンプをする姿を観てきたが、ほとんどの選手が「ただ、真上に跳ぶだけ」で本家油布ジャンプのような美しさがない。たくさんの選手の油布ジャンプを採取しつづけてきて気づいたことがある。それは注目したのは「骨盤の角度」だ。

マニアさんが白黒で撮った油布選手の写真をよくみてもらいたい。骨盤と上半身の傾きがスピードを上げるときの前傾姿勢のそれと同じなのだ。そして、骨盤はこの傾きのまま着地する。骨盤の角度が変わらないから、無重力状態のような錯覚がおこるのだ。油布ジャンプの魅力は飛距離ではない、無重力状態の一瞬こそが油布ジャンプの美しさの正体だ。

ということで、世界陸上ドーハで採取したワールドクラスの油布ジャンプをおすそ分けしたい。イギリスの短距離選手ディナ・アッシャー=スミスの油布ジャンプだ。(連続写真で観ると、その美しさを堪能できる)

画像2

ここから先は

95字 / 5画像
ツイッターや「今日の一枚」では掲載するタイミングをうしなった写真やテキスト、これからやってみたいことなどを、ここでこっそりとはじめています。ちょっとびびって月10回と書いてますが、一日10回更新する日もたまにあると思います(笑)情報誌のようなことを期待している方はやめておいたほうがよいかも。ツイッターやオープンなネットとは違ってクローズドかつバズらない場を作ろうと思います。

月刊 EKIDEN NEWS

¥700 / 月

月刊といいながら、一日に何度も更新する日もあります。「いつかビジュアルがたくさんある陸上雑誌ができるといいなあ」と仲間と話していたんですが…

サポートと激励や感想メッセージありがとうございます!いただいたサポートは国内外での取材移動費や機材補強などにありがたく使わせていただきます。サポートしてくださるときにメッセージを添えていただけると励みになります!