見出し画像

教師の夏休み

1学期が終わり、生徒は夏休みに入りましたが、教職員は普通に勤務です。
生徒が来ないのに何をやっているのでしょうか?。

研修

夏休み中に一番多い仕事が研修です。

今年度、校内で行われるものとしては、
・不審者対応訓練
・救命救急講習会
・校内研修(研修部主催。本校教師を講師にしてテーマ別に研修)
・地域支援センター研修(外部講師招聘)
・県特別支援教育研究会研修(外部講師招聘)
・ICT研修会←私が自主的に開催するものですが・・・

あと、自分は参加しませんが、本校を会場にして訪問教育担当者研修、養護教諭研修、看護師研修、寄宿舎職員研修等が開かれるようです。

それから、私は今年は申し込んでいませんが、校外での研修もあります。

例えば、「認定講習」と呼ばれる、現職向けの教員免許の追加に使う単位を修得するための講習が大学で行われます。
小中高の普通免許状しか持っていない先生が、特別支援学校教諭の免許状を特別支援教育の経験年数と認定講習の単位を使って取得できます。
特別支援学校だと、特別支援学校教諭免許状の障害領域の追加のために受講する人が多いです。
私は以前、筑波大学の免許法認定公開講座で視覚障害と聴覚障害の領域を追加する単位を取得しました。

学習指導要領が改定になると、各教科の教育課程講習会が開かれます。
改定のポイントについて、指導主事から話があります。
10年に1回ですが、全員が受講する必要があります。

教員免許更新制があったころは、免許状更新講習も夏に行われるものが多くあり、自腹で受講料を払って大学等へ行かなくてはいけませんでした。

あと、国立大学では学校図書館司書教諭講習が開かれていました。
エアコンの利いた講義室で無料で受けられるので、自分も何単位か取得していましたが、今は開講されなくなってしまいました。
よっぽどの図書館好きでないと、わざわざ有料の講習を通信や遠方の大学まで行って受けてまで司書教諭免許が欲しいとは思いません。
今後は司書教諭免許を取得する人が少なくなってしまうと思います。

博物館や水族館等が開く、教師向けの研修会もあります。
私も昔、水族館の教師向け研修会に参加したことがありますが、勉強になったのはもちろん、興味を惹かれて楽しかったです。

これらの研修はたいていは義務免(職務に専念する義務の免除)扱いなので、交通費は自腹です。

自主的に参加する研修だと、場合によっては「承認研修」となります。
これは、”校長が承認すれば”「義務免(承認研修)」として学校を離れて研修ができるというもので、計画書と報告書の提出が求められます。
そのため、「どの研修なら校長に承認されるのか」という問題があります。

また、制度上、「承認研修」は「義務免」の一種なので、ひどい教頭だと、
教師「この研修は承認研修ですか?。」
教頭「義務免です。」
教師「計画書は必要ですか?。」
教頭「義務免です。」
教師「(じゃあ承認研修じゃないから計画書は不要だな)」
(数日後)
教頭「承認研修計画書が出ていませんよ。承認研修も義務免ですから。」
という嫌がらせをされます。

自分はそのようなやり取りが嫌ですし、書類を書くのが面倒なので、業者や団体主催のICT関係の研修会や、大学の先生が個人的に開く勉強会は管理職に相談せずに「年休」や「夏季休暇」で行っていました。

初任者は企業等体験研修や社会体験研修などで何日も学校を離れます。
「出張」なので旅費は出ますが、大変です。

生徒の大会

県内の特別支援学校の生徒が参加する大会があるので、その準備や当日の運営、引率の仕事があります。
うちの学校は部活の大会が無いので、まだ良い方ですが。

進路関係

卒業生のアフターケアで進路先を訪問します。
在校生に関しても、進路関係の保護者懇談や関係者会議等が入ってくることがあります。

停電対応

停電を伴う配電設備の点検は、児童生徒がいるときに行う訳にはいかないので、夏休み中に行われます。
情報担当としては、サーバーやネットワーク機器のシャットダウンと、停電復帰後の再起動をしなくてはいけません。
エアコンも止まるのでつらいですが、電話番をしなくてはいけない教頭に比べればましです。

ICT機器の整備

今年度は文部科学省の事業があるため、業者対応や様々な機器の納品があります。
納品されれば、2学期の授業で使えるように設定したり、マニュアルを作ったりしなくてはいけません。
あと、今年度は校務用ネットワークの切り替えや校務用パソコンの更新等もある"らしい"ので、その設定や全体への周知も入ってきそうです。
ただ、具体的な作業内容がまだ教育委員会から降りてきていないので、どれだけ手間がかかるのかが怖いのですが。

2学期の授業の準備

これができればどれだけ幸せか!。
授業の準備は楽しいものです。
でも、ここまでたどり着けるのかなぁ。

休暇

とは言うものの、夏休み中は休暇が取りやすいのは事実です。
研修はなるべく7月中やお盆明けに企画されるようになっており、8月に休みやすいようになっています。

都道府県によって違うようですが、うちの県では夏季休暇が5日あり、これは消化しなくてはいけません。
今は閉庁日が4日あるので、その日に夏季休暇を充てると、自分で日程を決められるのは1日になります。
あとは年間20日ある年休を使えば休みを増やすことができます。
でも、まだ子供が幼くて子育て休暇を使い切ってしまいそうな先生や、体調不良で普段休みがちの先生は、年休を残すために出勤していることが多いです。
私も以前、2学期に体調を崩して年休を使いまくったことがあるので、夏休みに特に理由が無いのに年休で休むことには躊躇します。

週5日制が始まる前の、土曜日にも授業があった時代は、「週休日の振り替え」で、土曜日に出勤した分を夏に振り替えて休むことができました。
何日も振り替えなくてはいけないので、休みを消化するのが逆に大変でした。

夏休み削減?

何週間か前に、アンケートで「夏休みを短くしてほしい」という要望が多かったという記事を見ました。
でも、教師は今でも夏休みにたくさんの仕事を抱えています。
夏休みが短くなっても、この記事に挙げた仕事はほとんど減らないでしょう。
自主的な勉強や授業の準備に使うことができる、自分の裁量で使える時間は減ってほしくないなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?