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無料イラストで損害賠償請求されないために

ネットで見つけた無料画像を使ったら使用料を請求された、という話があります。
自治体や学校でも実際に高額の使用料が請求されたケースがあります。
どうすれば防ぐことができるでしょうか?。

原因

プリントやWebページにイラストを入れたい時、学校にイラストの原稿料の予算はありません。
イラストを描くのが得意な先生がいたとしても、なかなか描く時間はありません。
そうするとどうするか。

Google等のサーチエンジンで
「入学式 イラスト 無料」
などと無料画像を検索するわけです。
でも、そこでヒットした画像が無料ではない場合があります。
どういうことか。

無料の条件

素材サイトでは、規約に無料の条件が決められています。
「無料」という言葉が入っていても、規約を読まなければ無料になる条件まではわかりません。

たとえば、
・印刷物なら無料、Webページは有料
昔の素材集の規約でよく見ました。今でもあります。
印刷物をWebページにPDFで掲載することが後から決まったときなど、うっかり見過ごす恐れがあります。
・会員登録していれば無料
ネットで見つけた画像がサンプルで、会員登録しなかったので賠償請求される、ということが考えられます。
「(有料)会員になれば無料で使えます」という、誤読しそうな説明もあるので注意が必要です。
・個数制限内なら無料
これも規約を読まないと気づきません。

安全なサイト

わざわざ規約まで読み込んで、本当に無料なのかを確認する作業は面倒です。
そのため、普段使いできる安全なサイトを自分で探しておき、その中から検索する方が現実的です。
いくつか紹介します。

いらすとや

紹介するのも恥ずかしいくらいの、無料画像の定番です。
画像が豊富なのと、検索が簡単なのも良いです。
学校でイラストを使うには、ここから使っていれば基本的には安全です。
私もよく使いますし、授業でもよく生徒に
「イラストを使いたいときは「いらすとや」から選んで。」
と伝えています。

でも、注意が必要なものがあります。
卒業アルバムです。
卒業アルバムは代金を保護者から集め、業者に支払います(教師や学校には1銭も入りませんし、むしろ膨大な仕事量を費やしますが)。
これは、いらすとやでは商用利用になるので、1つの制作物につき20点(重複はまとめて1点)の制限があります。
公式のFAQにも載っているので、気をつけてください。

商用利用をすることができますか?

書籍・チラシ・パンフレット・ウェブ・テレビ・パッケージ・電子書籍・動画・ソフトウェア・パワーポイントでのプレゼン・卒業アルバム・名刺など、媒体を問わず1つの制作物につき20点(重複はまとめて1点)まで商用利用をすることができます。

ただしイラスト自体をコンテンツにせず、あくまでデザインの一部としてお使い下さい。素材配布目的の雑誌やサイトなどで、イラストをそのまま二次配布したり、販売することはできません。またイラストやテンプレートをそのまま商品として配布・販売することもできません。画像編集アプリの素材として収録することもできません。

このサイトを紹介していただくときに、作品例として2~3点プレビューを掲載されるのは問題ありません。

※Canva内でのご利用は商用でも点数制限はありません。

よくあるご質問|いらすとや https://www.irasutoya.com/p/faq.html

いらすと本舗

山口県のPFI刑務所、美祢社会復帰促進センターの受刑者が更生・刑務作業で作った作品を配布しています。
教育関係、福祉関係の画像も多くあります。
ただ、広告が多いので、生徒には使いにくいかなと思っています。

探せば他にもありますが、管理者がわからないようなサイトは怖いかなと思っています。

Canva

https://www.canva.com/ja_jp/

画像サイトではないですが、Canvaのイラストは自由に使えます。
教員だとCanva for Educationに登録すればPro版の機能が無料で使えます。
マジック生成でAIが生成した画像を使う手もあります。

安全なイラストかどうかを調べる方法

そのように危険性を指摘したり、安全なサイトを紹介したりしても、
「せっかく拾ってきたんだから載せて」
「外部の人が選んだ画像だから断りにくい」
などとごり押ししてくる人がいます。
その場合は、Googleレンズにアップロードすると出典を調べることができます。

パソコン

検索ボックスで右端のカメラの絵(画像を検索)をクリックして、調べる画像をアップロードします。

画像を検索

iPad

Googleアプリをインストールし、起動したらカメラの絵をタップして写真を撮ると、アップロードされます。

Googleアプリ

検索結果に同じ画像があれば、そのページからダウンロードした画像だとわかります。
そこで規約を読んで、使用料がかからないかどうかを確認します。

先日、発議されてきた原稿に載っていたイラストをこの方法で調べたところ、無料サイトと有料サイトの両方に掲載されていたものがありました。
後々問題になる恐れがあること、必ずしも必要ではないイラストだったことから、削除してもらいました。

まとめ

無料素材を使うには、本当に無料なのかどうかを判断するリテラシーが必要になります。
不必要な請求をされなくても済むように、気をつけていきましょう。


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