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猫の骨

尾道の山あいにある

美術館の企画展の展示室に

4匹の 猫が いた。


尾道には 坂に
かつて 人が暮らし
やがて離れ 風化した
空き家が沢山ある  

日本人なら
足遠のく その場所を
中国とマレーシアのハーフである
シュシ スライマンとゆう作家は


戸惑うことなく
そこを散策し
たくさんの
記憶をたどっていった。


ワタシが したたかに頭ををぶつけたり
もした 
空き家の廃材で作られた アスレチック。🙄



空き家で拾ってきた 
古い椅子で作られた 

即席の車椅子。



そして ゆく先々
一軒一軒で 彼らに出会った。

その4匹の猫たちは
そこに静かに横たわって

それぞれの場所で
眠っていたそうだ。

スライマンは 最愛の父を亡くし
落胆し 座り込み

やがて

自身の魂を 癒やすために
もう一度立ち上がり

作家になった。


彼が辿りたいのは
死の痕跡ではなく 

この世を
立派に生き抜いた者たちの  証。


通り過ぎた時間を 慈しみ
忘れないことだと思う。

登れます。
ワタシの重みで壊れないか
ちょっとドキドキ。




展示室
一番奥にいた
一匹の猫は

この世を離れた姿形のまま
布団で すやすやと 眠っていた。


その昔 

尾道の屋外の現代アートイベント
で ひとり 日だまりの 心地が
いい石段の道を散策していた時

ワタシは
美しく
カタチを たもったままの
小さな頭蓋骨に
出会った。

その子は 石段の途中
ちょうどいい木陰で 
葉っぱに 隠れて 鎮座していた。

それが アートなのか
自然に起こったことなのか

ワタシには わからず
複雑な気持ちになり
少し 困惑し 
しばらく 向き合った。

ただ

少し切ない気持ちには なったけれど

何故だが
暗く 重たい
気持ちにはなることは なかった。

しばらくしたら

何故だか
ワタシはその子の魂を
撫でてみたいな とおもった。

かわいい子。

懸命に この世界に
かかんに挑み 
大冒険し 

しっかりと 生きぬいた子。

あなたは えらいね。


その時の感情を きっと
スライマンも
感じていたんじゃないかと
思い いたるのだ。



美術館の帰り

商店街で
散歩中の八百屋の 
看板猫と出会った。

彼は現役バリバリ

4足歩行で
この世界を
散策し 

人間たちと
交流任務の 真っ只中である。

おつかれさまです。🫡👍✨


普段は 憮然としているくせに
ワタシが かがんで 話しかけると

自分も そっと座り
背中をさしだし

とてもたくさん
撫でさせてくれた。


わざわざ
この星にやってきて
人間に寄りそってくれる

猫たち。

沢山のしあわせを
あたえたり 与えらたりして

満足して

宇宙(ソラ)に還ってゆけたら
いいなぁ と 

ワタシは願う。

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