見出し画像

今日は格差関連用語です。

「格差拡大」「格差社会」と耳にしたことがあると思います。富める人とそうでない人、その差が広がっているような気もします。お金持ちの消費行動を見て、差があると直観として感じる経験をしたことがあるかもしれません。「格差が広がっている」と言った時、「何となく」では対策を打つことができません。数値に現れるには時間がかかったり、そもそも数値もどのように計るかで、必ずしも正確に計れないという意見も一理あります。だからと言って、「何となく」を放置することはできません。

このような時に、格差を計る指標として用いられる概念に「貧困率」や「ジニ係数」があります。今回は「貧困率」のうち「相対的貧困率」を取り上げました。「相対的」貧困率と一緒におさえておきたいのが「絶対的貧困率」です。絶対的貧困率は、見るからに貧しいとわかるような貧困を扱います。

対象者がわかれば、貧困で苦しむ人たちを支援することができます。所得が低い人には給付金を支給したり、生活に支えが必要な高齢者には手厚い社会保障制度があります。社会保障は格差を縮小させる役割がありますが、その分財源が必要です。支援を必要とする人が多い社会では、財政出動が増えてしまうので、格差そのものを縮小させることも求められます。

格差にはどのようなものがあるでしょうか。「所得格差」「経済格差」は経済で取り扱う代表的なものです。「男女格差」「地域格差」「世代格差」「教育格差」などがあります。また「情報格差」「健康格差」もよく目にすることでしょう。これらはそれぞれ関連しあっているものも多く、その根底に所得格差があるとも考えられます。経済関連では、所得格差、経済格差をまずはおさえておきたいです。

昨年11月の日本経済新聞「きょうのことば」からです。リンクを開けて、記事を音読含め読んでみてください。ノート、付箋などの紙に手書きで「知っていること」「知らないこと」を分けてあげてみましょう。各3つ程度で構いません。読み方がわからないものも「知らない」とし、調べてみます。読み方を確認することで、今後耳からも情報が入りやすくなります。

リンクで記事が出ない場合は、「相対的貧困率」で検索し、その内容を確認してみます。

↓ 日経新聞サイトに飛びます。

「相対的」貧困率は、貧困の度合いを「その社会の中でどうか」で考える概念です。日本なら日本の中でどうかを考えます。一般に食べる物がない社会を考えれば、スマホを持つことは贅沢かもしれません。でも今の日本でスマホを持てないとどうなるでしょうか。学生生活や就職活動も難しくなるのではと思います。これが「その社会でどうか」の意味です。

少し前になりますが、菅政権では、スマホ料金の値下げを携帯電話会社に要請し、実現させました。世界水準で見て高止まりしていた携帯電話料金を下げようとしました。この施策により人々は格安のスマホを選択することができるようになり、家計への負担が減りました。格差、貧困対策の一環とも考えることができます。

さて、新聞記事の仕分けです。たとえば、

<知っている>
ひとり親世帯は経済的に苦しい

<知らない>
貧困線
子どもの相対的貧困率
日本は米英国に比べても、相対的貧困率が低いわけではない

こんな感じです。ひとり親世帯は経済的に不安定です。ひとり親は女性が圧倒的に多い。さらに子育て世代の働き方や所得の向上が、子どもの貧困対策に影響することは想像できるでしょう。

さらに女性は仕事、賃金面でもまだまだ見劣りします。どのような仕事に就くかによっても賃金は変わります。教育の問題にもつながります。

経済関連の時事小論文でも、ここ数年、働き方などを含めた女性に関する出題が増えています。少子化対策のカギとなるのも女性であり、また高齢社会でも女性の方が平均寿命が高い。女性の経済問題は社会の問題でもあると考えることができるかもしれません。

話を戻し、格差について考えてみます。高齢世代は格差が大きいという点は、大丈夫でしょうか。若い頃の仕事・収入や消費。家族の有無など、各人の行動の結果で高齢者の経済状況が決まります。年金受給額も変わります。健康にも差があるでしょう。高齢社会は、このような事情を持つ高齢者の割合が増える社会です。つまり、今後日本はますます格差が広がると考えることもできます。少子化高齢化社会保障にもつながる話です。またその時にでも。

日本は平等な社会だと思っている方は、学生さんの世代ではどのくらいいらっしゃるでしょうか。世代によっては、日本にはアメリカに比べて格差は小さいと思っている人がまだまだ少なくないのではと思います。社会保障制度の程度も違う社会を単純には比べられませんが、客観的なデータで推移を見る力をつけておきたいです。

=経済時事ドリルはInstagram、X・Twitter、noteでそれぞれ更新しています。使い方は工夫して日々テーマを目に入れていきます。活用していただけると嬉しいです👩

Instagramで「本日のドリル」を確認 ↓ 

Xで告知や日経新聞記事のシェアをしています。


よろしければサポートをお願いいたします!いただいたサポートはクリエーターとしての活動費に使わせていただきます。ご支援に感謝いたします。