妹に婚約者を譲れと言われましたの感想

コミック第7巻まで読んでの感想

まず絵が上手くて、話も面白い。

面白いのだが
神の一部でもある竜が人間ごときに興味を持って助けるだろうか?
というところは引っ掛かる
「髪の毛の色が綺麗だったので失うのが惜しかった」
んんん~~~~~? まあいいでしょう

その後も実の親が長女をまるでためらいもなく放逐し無能な我儘妹の方を取る選択もありえない。
権謀呪術を展開して日夜生き残りを懸けているはずの貴族がそんなバカな判断をするだろうか?”追放物”にはよくある問題だが、追放の行為の妥当性にもう少し説得力を持たせないと流石に厳しいかな。
妹に姉に勝っているところが一つもないのだから。今まで何を見て子育てしてたんですか?

それからヒロイン。無鉄砲すぎ。
おしとやかでかわいらしいのに脳筋バーサーカーのような挙動で。見ているこちらも「イヤイヤイヤちょっと待って??」と思うことしばしば。もう少し保身に気を使って欲しい。国王妃なのだから…。
まあそうでなくては話が進まないのだからしょうがないのだが。整合性は取れない。国王妃の立場を弁えているはずのヒロインなら引きこもって守りを固めるはずではないか?

妹の最期は意外だったが溜飲を下げるものだった。分際を弁えぬ醜悪に因果が巡る。タイトルにも妹って入っているのでこれからまだ擦られるように登場するのでしょうけど。

この類の女性目線の物語特有の特徴だと思っているのだが、
「とても優れた存在」から「SSRガチャでも引き当てるか」のように「選ばれたい」という願望があるようだ。女性の求めるストーリーの一つに射幸心を動機としたものがあるのだろう。
本作はこれに該当する。
その癖選ばれる側の女性も実はすごい能力持ってました!みたいな展開が多い。本作のヒロインも後々開花した能力を有する。

”チートキャラから幸運で選ばれたい、けど本人も実はチート能力持ってます。そして結ばれて幸せになりました。”
女性目線のなろうストーリーを要約すると8割はこれに該当するのではないか?と考えている。
付言するならば男女ともに鈍感ですれ違いが起きて話が進まないのも常套手段である。

本作は絵も上手だし話の展開も面白い。手を変え品を変え楽しませてくれる。ただ通底した問題があることは指摘せずにはいられなかった。