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“あの部室”をCGで再現した話

不朽の名作アニメ「けいおん‼︎」楽曲に注目されがちだが、主人公の通う「私立桜が丘女子高等学校」のデザインも実はすごい!!!

こだわり抜かれた内装をCGで再現した。

校舎の概要と推測

まず、けいおん‼︎に登場する私立桜が丘女子高等学校の校舎は、豊郷小学校(旧校舎)という実在する学校をモデルに作成されている様だ。

そのモデルとなった校舎の概要がこちら。

1937年(昭和12年)、本校出身で丸紅の専務取締役であった古川鉄治郎が私財を投げ打って建設した。設計はヴォーリズ建築事務所、建設は竹中工務店が担当し、神谷新一が現場監督となって指揮を執った。通常「旧校舎」と言えばこちらを指す。

当時としては珍しい、壮麗な鉄筋コンクリート造の校舎は、「白亜の殿堂」ないし「東洋一の小学校」との異名を取った。また、暖房設備など当時最先端の技術を惜しみなく使用し、その総工費は365,000円に上っている(当時の豊郷町予算の10倍に相当)。階段の手摺には、イソップ寓話「兎と亀」をモチーフとしたブロンズ装飾が設置され、後述する保存運動のシンボルともなった。
<<Wikipediaより一部引用>>

思っていた10倍はすごかった。。。
先人達のマネーに感謝。やはりいつの時代も美しい空間は99%のマネーと1%の情熱から産まれる。。。

次に、作中の映像からこの校舎の構造を推測しようと思う。

映像を見る限り、おそらく鉄筋コンクリートの壁式構造。柱を極力たてず壁で支えているスタイルの建築物だ。

また、校庭を南に配置し東西に伸びる形の校舎を北側に配置している。学校としてはオーソドックスな計画だ。この場合、校舎内部の廊下は自ずと北側に配置され、両端もしくは中央に階段を配置するのが一般的である。作中の校舎はおそらく両端が階段になっている。

エピソードが既に豪華な校舎の豪華な部室。部室見学にいざ参らん!

部室のココがすごい!

まず、個人的なときめきポイントを列挙する。

・自然光が映える縦長窓
・全体を引き締めるまわり縁
・ペンダント照明
・調和しすぎている家具の数々

自然光が映える縦長窓
空間のイケイケ度合いは光できまると言っても過言ではないだろう。光は空間に緩急を与えてくれる。間接照明やスポットライトでメリハリを出した空間がなんとなくオシャレなのはこの緩急が適切だからなのだ。

ここで一枚の絵を見て頂こう。

ご存知「牛乳を注ぐ女」僕はこの絵の光が大好きだ。適度な暗がりと柔らかい日光。この組み合わせが適切で、絵全体を引き締めている。
軽音部の部室はおそらくこの絵の様に自然光を扱おうと設計が計画し、縦長プロポーションの窓を配置したのだと思う。


全体を引き締めるまわり縁

次は天井と壁の継ぎ目に注目して頂きたい。何やら小細工が施されている。洋風な印象を持たせたい場面でよく利用する手法で、一手間だが重厚感もテンションもアガル大変便利な代物だ。ただし、学校で使用する事はまずないだろう。。。

気になる方はサンメントで検索するとオモシロイヨ!!

ペンダント照明
またまた照明のお話。一室多灯という言葉がある。この言葉はいい空間に仕上げたくば細かく沢山の照明で照らしとけ!という教えであり、この部室はこの教え通りにペンダント照明で細かくライティングしてある。実にエモーショナル!ただし、学校で採用される事はまずないだろう。。。

調和しすぎている家具の数々
軽音部メンバーのみならず、教室でも使用されている机と椅子。部室に設置されている椅子とお揃いのソファー、食器棚。全てが空間と調和している。

学校と言えばカッチカチの机と椅子が一般的だが、桜高の場合はクッション付きの上代3万円は下らないであろう椅子である。張り地もおそらくファブリック。お尻にも優しい。

以上が部室をイケイケ空間たらしめている理由だと私は考える。

一通り感動したところでツッコミポイントも見てみよう。

部室のツッコミどころ!

・水!
・電気!

水!
部室に付いている手洗い。ここで水を汲み、お茶を淹れていると考えるのが妥当だろう。問題は、、、2年目から飼育しているすっぽんもどきの水槽の排水。

おそらくここに捨てている。

やや気になる。。。

電気!
もう一つの問題はコンセントだ、この広さだと2、3箇所欲しいところだが見当たらない。デザイン的にも出来れば付けたくないだろうな。

電源のない軽音部。地球に優しい軽音部。

感想

いかがでしたか?僕は今回CGを描いた事で、いくつか発見があり想像以上に楽しめました。

例えば、アニメの部室と今回描いたCG並びにモデルの小学校とではフローリングを貼る向きが異なります。真相はわかりませんが、アニメは机で集まるシーンが多いため机の周辺から背景の教室を作画する際、遠近感を表現するためにあえて変えたのでは?と想像したりするともうワクワクが止まりませんでした。

YouTubeに今回の作成工程を配信しております。blender、photoshopなどに興味があれば是非ご覧ください。

因みに僕はむぎちゃん推しです。

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