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暮らしのうつくしさを楽しみ地域の価値をあげる3日間 in 西和賀レポート⑦

1日目のプログラムを無事に終え、2日目のプログラムがスタート。雪は降っていないものの、少し肌寒い1日になりそう。今日は西和賀の『美探し』というプログラムで町内の本質的な価値に出会う1日。そして夜は山人の高鷹政明社長と中村さんの対談イベント。対談はすでに満員御礼となっており、本当にどうなってしまうのかが楽しみな1日だった。

西和賀の美さがし

美さがしということで我々がまず向かったのは、私の実家でもある廻戸という場所です。こちらには、30年前に移住してきた両親が暮らしており、毎月1回西和賀の自然の価値を伝えようと活動してきたカタクリの会というのを夫婦2人二人三脚で運営してきました。

今までは町内の観光地的なところを巡っていましたが、去年くらいから、自分の住んでいるところを丁寧に見るということをやっており、5m進むごとに、足を止めては、今ある動植物がどういう状況でどうなっているかということを丁寧に見ていきます。カタクリも咲き始めたようで、この日は寒くてつぼみでしたが、この斜面1面にカタクリが咲き乱れます。

廻戸のテラスで記念撮影

続いてはこの日の夜に行われる対談イベントの主役が10年くらい前にオープンした山人-yamado-の見学に行きました。山人-yamado-は西和賀町湯川温泉にある高級リゾート宿で、日本国内を問わず世界中からセレブ達が集う宿として、知名度が高い宿です。西和賀にある素材にきちんと価値をつけて売出し、リピート率も高い宿になっています。

宿の中を見せていただきながら、高鷹社長の思いも聞かせていただきました。西和賀の本質が詰まった宿として、その価値が分かる人に来ていただくというコンセプトのもとつくられた宿ですが、試行錯誤を幾重に重ねながら今日までに至るんだということがわかりました。今では、若者の雇用の場として西和賀にとっても重要な場所となっています。

お昼は、本屋敷という場所に2017年の暮にオープンした縄文の谷Kitchen開です。本屋敷は西和賀町の南に位置し、かつてはさらに奥にあった鉱山で栄えた場所でしたが、鉱山の閉山とともに過疎が一気にすすみ、今では人が暮らしている家は2軒という限界集落になっています。こちらのレストランはもともと山人-yamado-の料理長を務めていた鈴木智之さんが、50歳になったとき、30歳のときにやりたいことを書いたノートを見直し、今がその時だと思い、始めたレストランです。

完全予約制ですが、土日祝日はまだ春になっていないにもかかわらず、予約でいっぱいのようです。この日も我々ともう一組で満員でした。

春のほろ苦い味も料理の中に散りばめられていて、とても満足でした。遡れば、この地域は縄文の頃から人の営みがあったそうです。その営みを繋いでいきたいという鈴木シェフの思いには揺さぶられるものがありました。

鈴木シェフの料理の余韻を残しつつ、次に向かったのは大野地区です。

大野集落は、高齢化率が高い集落ですが、キーマンと呼べる人が何人もいて、自分たちの暮らしは自分たちでつくると意気込んできちんと行動にうつしている集落です。集落の人達だけでなく、町外の企業や大学の国際ボランティア団体と一緒に共助しながら、集落の運営をされているところで、とても楽しそうに活動されているのが印象的でした。移住者もコンスタントに現れており、今後の動向が気になる集落です。中村さんもおっしゃっていましたが、これからの地方は、飲んで楽しいかどうかが若い人から選ばれる指標の一つということだったので、まさにそれを実践されている集落でとても心強く感じました。

美さがしも無事に終わり、いよいよ、今回のプログラムで1番力を入れた対談イベントです。その様子は次回。
つづく。

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