「愛している」の響きだけで強くなりたい

電話するかも分からないけど早めにスマホを充電したり
浮かれてゼクシィを買ってみたり、
ひとりで食べるだけなのに張り切って料理作ったりして
毎日忙しいよ。

こんなにも不安にならない恋愛があるんだ。
わたしのこと、大事にしてくれる人いるんだ。
いるんだね。

気付いていない落とし穴がありそうで、
でも別にそれでもいいかとも思う。
落ちたらきっと大怪我だろうけど、また強くなれるから。
今は楽しい。大きな不満もないし。
それだけでもう充分だよ。

だけどなぜ、寂しくなるんだろう。
だんだんと物事を深く考えられなくなった気がする。
勘が鈍ってきた気がする。
幸せは人をつまらなくする。
うまく関係が続けば、出会ったこの街で
ずっと暮らしていくんだろう。
わたしたちがうまくいけばいくほど、遠く感じるふるさと。
いろんなことを知れば知るほど、離れられなくなるだろう。

出会う前の自分も忘れたくない。
週末になる度お酒を買い込んだこと。
ぼんやりしながら夜中にコンビニへ出かけたこと。
どうせずっとひとりだから、強くならなきゃって涙堪えていたこと。
ひとりでも楽しかったんだよ。

ふたりでいろんな所へ出掛けて
いろんな景色を見て、写真撮って笑い合って。
まだ序盤だけど、わたしは確実に弱くなった。
簡単に好きとか愛してるだなんて言わないで。