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家族がいても自分だけの場所をつくる方法

■空間はあるけど自分だけの場所がなかった

友人が「子供や夫には自分の部屋があるのに自分にはない!」と、日ごろのストレスが溜まって泣きながら家族に訴えたそうです。
すると


「ママにはリビングがあるやん」


平然と返答され、驚きを通り越して拍子抜けしてしまったそうです。

なるほど、主婦の居場所はキッチンとリビングという概念。

日本ではある意味普通なこと、でもそれでいいんのでしょうか…。

私も、自分のお城はキッチン、座る場所はダイニングテーブルの自分の席。家族がいないときはまだしも、いれば自分だけの場所があるとは言えません。スイッチなど切り替わることなく、ついつい家族にお茶を入れたり、お菓子を出したりと・・・、いつまでも家政婦さんのようなのです。

友人の気持ちは痛いほどわかりました。けれど、日本の狭い住宅環境じゃぁ、仕方ないよね。と私は自分の部屋が欲しいと思うことなくこれまできました。

■寝込んでみた分かった自分の部屋が欲しい

わが家は4LDKの部屋を数年前にリフォームして1階の和室とダイニングキッチンを続き間にしています。子供たちは自分の勉強部屋があるのに、みんなダイニングテーブルで勉強して、自分たちの部屋は寝る時にだけ使うという暮らしでした。わが家では家族がいつも同じ空間にいます。

一時期母とも同居をしていたので、私は寝る時だけ娘の部屋に布団敷いて寝ていました。それが、コロナで大騒ぎのなったばかりの頃、ちょうど体調を崩して寝込んでしまったのです。

コロナ罹患の可能性を考えて、母が使っていた部屋に布団を持ち込んで引きこもり生活に。食事もドアの前まで届けてもらい、その部屋で食べていました。

実は、からだはしんどくて辛いし、熱があってだるい…。だけど!なんだかとても楽しい気持ちに。実は、「自分だけの空間」が非常に心地良かったのです。そのとき、「そうだ!もう部屋をリフォームしてしまおう」と決心。病み上がりすぐに、準備にとりかかりました。

それから半年間は部屋づくりに忙しかったです。60代を見据えてモノを厳選して残し、部屋を圧迫していた婚礼家具を手放す決心をしました。風邪がきっかけとはいえ、結局自分の部屋を持つことになって気づいたことがあります。

■大きなひとりがげソファーで気づいた

リビングには3人掛けのソファーがあります。どうしても欲しくて購入したソファーなのに、家族がいる時間には私が使うことはありません。言わずもがな子供たちが優先です。

母親というのは、子供を中心・優先にしてしまいがち、相変わらず私の居場所はダイニングテーブルの自分の席でした。ほんとうは・・・私もソファーでくつろぎたい。ということで一人がけの大きめソファーを購入し、1階のリビングに置いてみました。

するとどうでしょう。自分でもびっくりしたのですが、わずが半畳ほどのスペースが自分だけのものになりました。

子供たちは、空いていても一人がけのソファーに腰かけようとはしませんでした。私がひとりのソファーで本を読んだりコーヒーを飲んだりしても、たとえ周りに誰かがいてもぜんぜん気にならず落ち着きました。

同居していた頃、母が3人掛けのソファーに浅く腰をかけて、膝を揃えてお行儀よくテレビを見ていた姿は、リラックスとは程遠いことをよく覚えています。きっとすごく遠慮していたのだと思います。今から思えば可哀そうだったなと思うこともあります。どうしても家の中で女は奉仕がちで遠慮がちになってしまいます。

■使わなくなった子供部屋を自分のために使おう

リフォーム後自分の部屋ができたことで、集中したい時は部屋にこもるようになりました。ひとりがけのソファーは2階の部屋に移動させてあり、そこで寛ぐこともあります。

次男は19歳で大阪を離れ東京の大学へ。入学前に勉強机なども持ち物はほとんど処分しました。もう、帰ってくることはないだろうと感じたので、あっさりと子離れが出来て良かったです。

帰省した時などは長男の部屋かリビングに布団を敷いて寝てもらっていました。娘もひとり暮らしを始めたので8畳のその部屋はゲストルームにする予定です。

シニア世代こそ、子供が使わなくなった部屋をどんどん自分の部屋として使うことをおススメします。親にとっては子供はいくつになっても子供でしょうが、子供の方はそうではありません。

もう、戻ってくることのない巣を残しておきたい気持ちは、親が子に対する愛情とも言えます。でも、どこか心の隅に、帰属意識が残っているのではないでしょうか。

最近よく耳にします、人生100年時代に突入しました。何かのネット情報で読んだのですが、現在60歳の女性の半数が92歳まで生きるんだそうです。ということは、子育て終了後、第二の人生の方が長いとも言えますよね。

だからこそ、子供が巣立ったら自分たちの快適な暮らしを優先すべきです

それに、老いてしまってからでは、片付ける気力も体力も残っておらず、結局は子供たちにの負担になるだけのなのですから。

■夫婦でも「個」の場所を持つべし

長年連れ添った夫婦でも「個」であることは変わりません。お互いにひとりになりたいこともあるでしょう。

「たとえ愛する家族がいたとしても、干渉されずに自分だけの時間も持ちたい!」と思っている妻は多いはずです。

私の仕事のクライアントさんの中には「今日は家族が家にいるので」とか「夫が休みなので」という理由から講座のスケジュールがなかなか決まらない人もいます。

私も家族が一緒のリビングでは、気も散りますしさすがに仕事になりません。いつでも心置きなく、自分のためだけに時間を使える、「私に還る場所」を作って本当に良かったと思っています。

■まず半畳でいい。私だけのスペースを確保しよう

シニア世代だと空いている部屋もありそうですが、子育て世代にはなかなか自分の部屋を持つことは条件的に難しいのではないでしょうか。

立って半畳寝て一畳と言われるように、人ひとり分のスペースを確保するのであれば、そこまでの広さは必要ありません。

椅子を部屋の隅に飾るように置いてみたり、デッドスペースに小さな机を置いて作業場にしたり・・・。

小さなスペースでいいのです。自分だけの特別な空間を作ってみることです。どうしても難しい場合は、大きめのクッションを椅子代わり置くのでも良いでしょう。

最近のマンションはベランダが広いケースもあるようなので、そこでカフェテーブルと椅子を置くとオシャレにもなりますよね。ポットに紅茶を入れてクッキーをお供におひとり様のお茶の時間を作っていけば最高だと思います。

いつもいつも家族と共有ではなく、自分だけの椅子やテーブルを持つことで「壁のない個室感覚の空間」を簡単に確保できますよね。

まず、

自分ひとり分のスペースを確保する場所を決めてみる。
邪魔になるものは潔く手放して空間を作ってみる。
自分専用の椅子やクッション、テーブルを置いてみる。

自分時間を過ごす場所作りの一歩です。

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