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【Wine ワイン】2014 Goulée by Cos d'Estournel


Médoc格付け2級コス・デストゥルネルの醸造チームの作品。
北部グレ地区の柔和なメルロー主体。

楽天
https://a.r10.to/hDFG2a

■Producer (生産者)
Cos d'Estournel

■Country / Region (生産国 / 地域)
A.O.C.Médoc / Bordeaux / France

■Variety (葡萄品種)
78% Merlot
18% Cabernet Sauvignon
04% Cabernet Flanc

■Pairing (ペアリング) 

■Bordeaux

■プロフィール
フランス南西部の大西洋沿いに広がるワイン産地。フランスでも1、2を争う銘醸地として知られ、カリフォルニアのナパ・ヴァレーやイタリアのボルゲリなど、ボルドーの影響を受けたワイン産地は数多く存在する。この地方のワインはしばしば、シャトーと呼ばれるワイナリーで醸造される。シャトーをフランス語で直訳すれば「城」となるが、必ずしも蒲酒な城館とは限らず、納屋や民家同然の建物も少なくない。シャトー所有のブドウ畑で収穫されたブドウを用いて醸造され、瓶詰めまで一貫生産されたワイン
ミザン・ブテイユ・オーシャトーには、「Mis en Bouteille au Cháteau」とラベルに表記することが許されている。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなど、赤も白も複数のブドウ品種の栽培が認められており、中には例外的に単一品種のシャトーもあるものの、多くのワインが複数の品種をアッサンブラージュ(ブレンド)することで造られる。双壁とされる銘醸地、ブルゴーニュのワインが原則的に単一品種から造られるのと対照的である。アッサンブラージュの意義は、各品種が互いの特徴を補完し合うことによって、ワインにバランスがもたらされると同時に、天候によるリスク分散の意味合いもある。その大半が赤ワインだが、昔から甘口白ワインも有名で珍重された。80年代以降は辛口白ワインの醸造技術が向上し、近年はロゼワインの人気も高い。また生産量は小さいが、クレマン・ド・ボルドーという発泡性ワインも造られている。

■歴史
古代ローマ人に占領された紀元1世紀の中頃から、ボルドーにブドウ栽培が持ち込まれたと考えられている。4世紀に活躍した著述家でボルドー市の執政も務めたアウソニウスも、サンテミリオンにブドウ畑を所有していたことが知られており、これが現在のシャトー・オーゾンヌとみなされている。ワイン産地としてボルドーが飛躍するのは中世以降のこと。現在のボルドーにあたるアキテーヌ地方を領有していた女公爵アリエノール・ダキテーヌが、1152年にアンジュー伯ノルマンディー公のアンリと結婚。このアンリが2年後の1154年にイングランド王ヘンリー2世に即位したため、ボルドーは英国領となった。そのおかげでボルドー産のワインは海を渡って英国で売られ、繁栄を迎えたのである。しかしながらこの交易は1453年、フランスが英国との百年戦争に勝利し、アキテーヌ地方を取り戻すと同時に解消された。そして22年後の1475年、ルイ11世がふたたび英国船のボルドー寄港を認めたものの、ワインの取引量が以前の水準まで回復することはなかったという。17世紀になるとオランダやハンザ同盟との交易が発展し、ボルドーはふたたび繁栄。クラレットと呼ばれる赤ワインのほかにも、辛口、甘口の白ワインが蒸留用として輸出されるようになり、オランダ人の優れた技術によって、沼沢地だったメドック地区が千拓された。ボルドーのワイン産業は発展を続けたが、1789年のフランス革命で貴族の所有していたシャトーは国庫に没収。しかしその後、資金力をもつボルドーのブルジョワジーにより、分割されることなく買い取られたのは幸いだった。パリ万国博覧会が開催された1855年に、有名なボルドーワインの格付けが行われた。赤ワインは、当時から高値で取引されていたシャトーのワインを1級から5級まで格付けしたもので、1973年にシャトー・ムートン・ロッチルドが2級から1級へと昇格したのを唯一の例外として、改定が行われていない。この格付けを契機に、単なる飲み物に過ぎなかったワインが、階好品としての価値を帯びるようになっていくのである。



■文化
古代ローマ時代から良港として知られたボルドーは、18世紀に栄華を極め、黄金時代を築いた。この時代の壮麗な建築物が立ち並ぶボルドー市の市街区域は、2007年、「月の港ボルドー」としてユネスコの世界遺産に登録されている。また、ドルドーニュ川右岸に位置するサンテミリオンはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の途上にあり、今なお中世の面影をとどめることから、ボルドーに先立つ1999年に、「サンテミリオン管轄区」の名前で世界遺産に登録された。ボルドーはルネサンス期の哲学者モンテーニュ、啓蒙思想家のモンテスキューを輩出した地であり、グラーヴ地区にはモンテスキューが生まれ、数々の著作を執筆したラブレード城が今も残っている。フランス革命時には裕福なブルジョワ議員を輩出し、国民公会では穏健右派のジロンド党(ボルドーワインの生産地域はジロンド県に属する)を形成した。またボルドーにはプドウ栽培学、ワイン醸造学のシンクタンクともいうべき、ボルドー大学醸造学部があり、世界中のワイナリーの子弟が学びに訪れるほか、最先端の研究が行われている。
2016年にはワインのテーマパーク「ラ・シテ・デュ・ヴァン」がオープン。ボルドーはワイン文化の世界的首都として、ふたたび注目を集めている。

■経済
ワイン産地としてのボルドー地方は、フランスの行政範囲に置き換えればジロンド県とほぼ重重なり合う。ジロンド県はヌーヴェル・アキテーヌ地域圏に属し、その最大の都市が人口25万人のボルドー市だ。LGV南ヨーロッパ大西洋線(TGV高速新線)の開通により、パリ・モンパルナス駅からわずか2時間10分でボルドー・サンジャン駅に到着可能となった。10キロ西にはボルドー・メリニャック空港があり、空路での移動も容易である。市内には3本のトラム(路面電車)が走っている。ガロンヌ川やジロンド川から大西洋に通じているため、昔から海運業が盛んな土地であり、フォードやミシュランなど自動産業の工場や、航空機の製造工場も置かれているが、当然ながら、ワイン産業の占める地位も大きい。ボルドーワインの取り引きは伝統的にネゴシアンと呼ばれるワイン商によって行われ、シャトーが直接小売業者と取り引きすることはまれである。ネゴシアンを介したボルドーワインの取り引きは全体の7割におよび、輪出の8割を握っている。2012年における全ネゴシアンの売り上げ金額は42億ユーロ。なお、CIVB(ボルドーワイン委員会)の発表によれば、2018年におけるボルドーワインの輸出量は190万hℓ(2億5.100万本)、金額にして20億9,000万ユーロとなっている。ボルドー地方には5,000以上のシャトーがあり、生産者数は14,000。およそ400のネゴシアンが存在する。



■気候風土
ボルドー市の緯度は北緯45度。日本では北海道だが、大西洋沿岸を流れる暖かなメキシコ湾流の影響により、穏やかな海洋性気候である。大西洋とブドウ畑の間には広大な松林=ランドの森が広がり、海風からブドウ畑を守っている。年間日照時間は2,000時間を超え、ブドウの生育期は晴天に恵まれているが、それでも年平均降雨量は900mmと比較的多い。それがブドウにしばしば灰色カビ病をもたらす一方、一部の地域ではブドウの貴腐化を促すことになる。ブドウ畑が広がるアキテーヌ盆地の海岸線は、ピレネー山脈と中央山塊が形成され、海の侵入がおさまった新生代第三紀の終わり(約1800万年前)に出来上がった。したがって、ボルドー地方の土壌はすべて、第三紀と第四紀のものである。
ピレネー山脈から流れるガロンヌ川と中央山塊から流れるドルドーニュ川が、ボルドー市のすぐ北で合流しジロンド川となって大西洋に注ぎ込む。ブドウ畑はこれら3つの川の周囲に広がっている。詳細は各産地ごとに述べるが、一般的に言って、ガロンヌ川およびジロンド川左岸は砂礫質土壌で、暖かく水はけの良い土地を好むカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適し、ドルドーニュ川およびジロンド川右岸は粘土質土壌のため、冷たく保水力のある土地に向いたメルロが適している。ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた中洲も粘土質で、メルロの栽培比率が高い。



■ワイン生産量(出典:開税離局(DGDDI)総計2018年度ジロンド県の数値)
ワイン生産量5,400,424hℓ(うちA.O.C.ワイン生産量5,041,735hlℓ/白11.5%、赤84%、ロゼ4.5%。I.G.P.ワイン生産量22,154hℓ)ブドウ栽培面積114,615ha(うちA.O.C.ワインの面積112,633ha:I.G.P.ワインの面積255ha)



■主要ブドウ品種
[黒ブドウ] 
Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン
Cabernet Franc カべルネ・フラン
Merlot メルロ
Malbec(Côt)マルベック(コット)
Petit Verdot プティ・ヴェルド
Carmenère カルメネール

[白ブドウ]
Sémillon セミヨン
Sauvignon ソーヴィニヨン
Sauvignon Gris ソーヴィニヨン・グリ
Muscadelle ミュスカデル



■地方料理と食材
Entrecóte à la Bordelaise Bordelaise アントルコート・ア・ラ・ボルドレーズ(牛リブロース肉の炭火焼。しばしばブドウの枝で焼かれる)

Lamproie à la Bordelaise  ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ(ヤツメウナギの赤ワイン煮)

Agneau de Pauillac アニョー・ド・ポーイヤック(ポーイヤック産仔羊):ジロンド県内において母羊の母乳で育てられた生後80日までの任羊。2015年2月3日の政令によりI.G.P.認定。

Beuf de Bazas ブフ・ド・バザス(バザス産牛肉):ジロンド県、ランド県の大部分、ロット・エ・ガロンヌ県とジェール県の一部で育てられたバザデ種の肉牛。2008年3月19日の政令でI.G.P認定。

Cepe de Bordeaux セップ・ド・ボルドー(セップ茸。イタリアのポルチーニと同種の茸)

Asperges du Blayais アスペルジュ・デュ・ブライエ(ブライ産白アスパラガス):砂質土壌のブライ地区で栽培される白アスパラガス。

Caviar d'Aqitaine キャヴィア・ダキテーヌ(アキテーヌ産キャヴィア)

Canelé カヌレ(カヌレ型を用い、外はカリッと、中はもっちりと焼き上げた菓子。ワインの清澄に卵白を使うため、余った卵黄の利用法として生み出されたとされる)

Macarons de Saint-Emilion マカロン・ド・サンテミリオン(サンテミリオンのマカロン):アーモンド風味の素朴な焼き菓子。サンテミリオン名物。


■ Bordeaux ボルドー全域

ボルドー地方を包括するA.O.C.には以下のようなものがあり、南西部を除くジロンド県一帯に認めらえている。最も広範囲にわたり、規定も緩いA.O.C.ながら、地区名A.O.C.や村名A.O.C.に属すシャトーが、ワインをボルドーの広城A.O.C.としてリリースすることがある。例えば、後述するA.O.C.メドックは赤ワインしか認められていないため、このエリアのシャトーが辛口白ワインを造った場合は、A.O.C.ボルドーになってしまう。ボルドー全城のA.O.C.ワインには、シャトー元詰結めのワインのほか、ネゴシアンが域内の生産者からワインを買い集めてブレンドした、ブランドネームのワインも多い。



■主要なA.O.C.ワイン
Bordeaux ボルドー(赤、白、ロゼ)
BordeauxSupérieur ボルドー・シュペリュール(赤、甘口白)
Bordeaux Claret ボルドー・ クラレ(赤)
Bordeaux Clairet ボルドー・クレレ(色の濃いロゼ)
Crémantde Bordeaux クレマン・ ド・ ボルドー(発泡白、発泡ロゼ)
いずれもブドウの栽培エリアは共通で、542あるジロンド県の市町村のうち505市町村で認められている。ボルドー・ シュぺリュールはボルドーよりも収穫時の最低糖度、収量、最低アルコール度数などの規定が厳しい。ボルドー、ボルドー・クラレットおよびボルドー・シュペリュールの赤に認められている品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、マルベック(コット)、プティ・ヴェルド、それにカルムネール。色の濃いロゼであるボルドー・クレレもこれに準じる。クレレ以外のロゼは、上記6品種を主要品種とし、補助品種としてセミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリの混醸が20%(ソーヴィニヨンブランとソーヴィニヨングリは最大10%)まで認められている。ボルドーおよびボルドー・シュペリュールの白はセミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリ、ミュスカデルを主要品種とし、コロンバール、メルロ・ブラン、ユニ・ブランの補助品種を最大30%まで用いることができる。ボルドーの白は辛口から甘口(残糖は最大60g / ℓ)まで認められるが、ボルドー・シュペリュールの白は、残糖が17g / ℓを超える甘口のみである。
2019年にA.O.C. ボルドーおよびボルドー・ シュぺリュール生産者組合は温暖化対策として、赤用にトウリガ・ナショナル、アリナルノア、マルスラン、カステ、白用にアルヴァリーニョ、プティ・マンサン、リロリーナを補助品種に認定。I.N.A.O。の承認を経て決定する。クレマン・ド・ボルドーは瓶内二次発酵による発泡性ワイン。白はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、マルベック(コット)、プティ・ヴェルド、カルムネール、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリ、ミュスカデルが主要品種として認められ、補助品種のコロンバール、メルロ・ブラン、ユニ・ブランを最大30%まで用いることができる。ロゼに認められているのはカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、マルベック(コット)、プティ・ヴェルド、カルムネールの黒ブドウのみで、果皮浸漬により色付けする。瓶内熟成期間は最低9ヵ月である。

参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier  
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