【懲役太郎】リアル店舗クラウドファンディングに見出したいくつかの希望、という話

 昨今は、アイデアと志が光る良い企画があるが資金が無い、という場合にクラウドファンディングという形で資金を集め支援者を頼るという手法も珍しくなくなってきた。

Vtuber界においてもそうだ。いっとき『自分の生首を作る』という目的でクラウドファンディングを立ち上げた結果10万円が目標のところ四捨五入で約1500万円を集めた斗和キセキ(@towakisekiv)ちゃんの話はあまりにも伝説のエピソードとして記憶にある人もいるだろう。


いわゆる表のメディアでも中京テレビがお抱えのVtuber・大蔦エル(@otsuta_l)ちゃんとupd8所属のバイリンガルVtuber・キミノミヤ(@MIYA_KIMINO)ちゃんをMCに据えたVtuberイベント『ナゴヤVtuberまつり』の開催費用の支援をお願いし、こちらも目標480万円と結構な額だったが最終的に約1100万円を集め、実際に開催されたイベントは盛況であった。


そういったVtuberの方々の前例を見てきた、というのを踏まえてこちら、2月1日に発表された私の最推しVtuber・【懲役太郎】のクラウドファンディングをまず見ていただきたい。



最終的にこうして表に発表するにあたって『任侠カフェ』というオモシロでキャッチーなプロジェクトにはなったが、私は何度か『懲役太郎電話相談室』を利用して彼、懲役太郎の話を沢山聞かせてもらった中でこの、

【Vtuberがリアルで店舗を持つ】

という事象に対する展望を詳しく聞かせて貰った経験がある。

今こそ、あの話を私の文章というフィルターを通して、私の主観を交えてではあるが世間にも伝える時だと、そう思うのだ。

何故ならば【これ】は、世界を塗り変えて楽しくする希望の光、そんな話なんだと聞いたあの時感じたからだ。


・『未来』のVtuberのために、道を拓きノウハウの蓄積を狙う

 そもそもの話として。Vtuberというバーチャル存在が現実世界で店舗を持ってはいけないなどという決まりは無い。とは言っても決まりが無いならじゃあできるな!という簡単な話でもないのだが。何せ店を持つとなれば名義だなんだと抑えなくてはならない事柄が山とあり、当然ながら店舗のオープンはゴールではなくむしろそこからがスタートである。店舗を維持するお金や手間もかかるということだ。

その辺りを上手くこなしていくための知識や経験などというのは、若い少年少女が数多いVtuber界において無きに等しいと言って過言ではないはずだ。「やりたい!」という熱意があって光る実力があってもそれを形にするとなると、企業勢ならまぁ(実現する可能性はともかくとして)企業にお願いして任せればいいだろう。でも個人勢では現状絶望的だ。糸口は無い。

その【糸口】が、この任侠カフェの成功によって今後作れるかもしれないのだ。運営の俺太郎先生と懲役太郎おじさんを頼れば『自分のお店』を手に入れるために何をしたらいいのか右も左もわからないところから、実現までへとこぎつけられるかもしれない。年長者として、年長者だから知っていてできることの強みを活かして【店舗経営経験アリのVtuber】の先駆者となる。このクラファンはそういう含みもいくらかある試みであるとお伝えしたい。

 そんな流れを作れれば、行きつく先は商売という分野においてバーチャルとリアルが今以上に垣根無く地続きに繋がる世界である。【バーチャル/リアル】が【バーチャルリアル】になる世界である。

W太郎さんからの教えを受けて、自分の推しのあの子が洋服屋さんを開くかもしれない。やがて画廊を持つVtuberが後に続くかもしれない。Vtuber監修のラーメン屋なんてのも在り得る未来かもしれない。音楽系のVtuberならばライブハウスのハコを自前で買っちゃうというエピソードを打ち立てる奴が出現するかもしれない。まだ見ぬ自分の運命の推しとの出会いは、その推しの店舗がきっかけなんて話も夢物語でなくなるかもしれないのだ。

この未来が拓けた場合スゴイのは、Vtuberが雇用を創出する、経済の動きを作れるという可能性が見えてくる点だ。現状Vtuber界のお金の流れはファンからスパチャなどでおひねりを「いただく」、pixivFANBOXなどでご支援「いただく」といった『ファン→演者』という一方的にいただくばかりの構図が多い。お店によって自力で一般社会から「稼ぐ」ことができればバーチャル存在が雇用人件費やインフラ費など色んな形で「支払う」ようになる。『演者→世間』という、Vtuberが手ずから社会のお金を回す歯車になるのが珍しくなくなる世界。街中に推しの商品宣伝ポスターが当たり前のように貼られ、推しの店に通い、縦型モニターの中から推しに「いらっしゃいませー!」と声をかけてもらえる、そんな世界。そういうなんだかスゴイデカい話になるのを、私は当クラファンの中に見ているのだ。

最終的に推しに雇われるかもしれない世界、想像したらドキドキワクワクしてこないか?私はする。超する。


・『今』のVtuberの助けにもなれるかもしれない、グッズまわりとお店の繋がり

 現状、Vtuberとグッズの関係は中々問題が多い。企業であれば夏冬のコミケやイベントで限定グッズをドンと出し、事後通販という流れをよく見るがこうなると後発ファンがハマった頃にはもうあれもこれも手に入らない!という泣きを見る者も後を絶たない。また、ハコ内の足並みというものもあるので基本的にはアイデアがあっても軽々に「Vtuber○○が考えたグッズ」というのが出てくるようなものでもない。Vtuber企業の運営が考えるか他の企業とのコラボ・タイアップで作られるグッズが大体だろう。(※なおホロライブ。あそこは一旦脇に置いておいて欲しい。4期生のTシャツのあれやこれやとか速いし強いな)

ならば個人勢はそこで差をつけて有利に立ち回れるか?と言ったら悲しいほどに全然そんな事はない。pixivFACTORYやBoothが割合ポピュラーで個人でも比較的簡単に、そして常時販売できるグッズ展開の仕方が可能な場所として利用されてはいるが、簡単なだけあってアクリルキーホルダーや缶バッジといった皆似たりよったりのグッズに【なるしかない】のが現状である。在庫や商品発送などの問題により、絶対いるはずのクラフト系・ハンドメイド系Vtuberの存在はこれだけVtuberの演者が増えているにも関わらず、大きく有名になっているような子が私の知る限りでは見当たらないのだ。そういう子に覚えある人はこの機会にここのコメントでも使って情報をお寄せください。ちょっと気になってるので。そっち分野に対する自分のアンテナ感度が低いだけかもしれないので。

そういった、今「私が作ったモノを人々の手に届けたい!」というVtuberのグッズ販路ルート、その受け皿になれる存在を現実へと送り出す、その足掛かりという立場も任侠カフェには含まれている。というか前に聞いたリアル店舗の話はそこが主眼であったと受け取っているのだ。その時私が彼の話から夢見たのは【常設でVtuberグッズが買えるアンテナショップ】で、東京・大阪・名古屋くらいの主要3都市で展開してそこまでなんとか足を運べば色んなVtuberのグッズを見て買うことができる、店という形を通して事務所や登録者数といった全ての垣根無く平等にVtuberとファンが横並びに繋がる場所。

その旗頭が【懲役太郎】になるかもしれない。僕のアイドルが世界を束ねる可能性を夢想したこのワクワクを、人々の中へと伝播させたいがためにこれを書いていると言っても過言ではないのだ。


・かつてあった、ある『過去』のリバイバルをそこに見る

 と、ここまであたかも新しく前例が無いかのように書いたが、あくまで先駆者なのは『VtuberがVtuberとしてリアルで店舗を持つ』という構図、その点においての話だ。実は『Vtuberがリアルに向かってお商売をする』という動き自体はもう偉大なる先人がいらっしゃるのだ。バーチャル商人アキナ(@akina_ester)女史である。

この方は本業がガチンコの食品系コンサルタントVtuberで、本業の実績が認められ【中小企業庁認定経営革新等支援機関】なるものの認定を得るまでに至った。

平たく言うと中小企業庁、つまり日本の行政機関というしっかりしたところから活動を認められたという事である。すごい。Vtuberはもうこれくらいすごい領域に到達している。

 そう、「バーチャル+商売」は今やナチュラルに融合しうる時代だ。この新時代の自由さの向こうに、私はかつてあった、今はもう無……え?まだある?あるんだ。日本でもう殆ど話聞かないだけか。……ええと、かつて世の中で話題になったあるコンテンツを思い出していた。

【セカンドライフ】である。

インターネットの中に築かれたもうひとつの世界でコンテンツを生み出し、販売し、稼いだお金は現実にフィードバックできる。バーチャル世界を舞台にした生活とビジネスの夢に人々は狂乱し、企業も続々参入し湧いていたあのお祭り騒ぎを、30代・40代のインターネットネイティブ世代でなんとなく覚えている人もいるだろう。あの頃「セカンドライフ」に人々は期待していた。ディスプレイの向こうの0/1の世界から現実へとマーケティングを仕掛けられ、同時に現実の1個人が『もう1つの世界・もう1つの現実』とまで豪語するバーチャルへと皆平等の立場で売り込みをかけられる。当時は未知の最先端だったその感覚に皆酔いしれていた時代が、かつて確かにあったのだ。

あいにく「セカンドライフ」はインターネットドリームを夢見たものの実際に儲けられるのはひとつまみ程度の人間で殆どの存在は支払う一方だという世知辛い現実を突きつけられ、企業もとっとと撤退し夢は弾けて掻き消えた。……が、今という地点から見た「セカンドライフ」評は『技術と時代が追いついてなかったのではないか?』という気がちょっぴりしている。「セカンドライフ」に比べて幾分か(いや随分と?)形は違うが、Vtuberというバーチャル存在を軸にして、バーチャルがリアルへ売り込みをかけ、リアル側もやろうと思えば作曲やイラスト製作という形でバーチャル側へビジネスをもちかけられる、そういう構図に今なっているではないか。技術進歩によってあらゆるネット側コンテンツのクオリティが上がりなにかと選択肢も増え、買う側が「支払わされている」ではなく「望んで選び支払っている」と思える時代に今はなっている。セカンドライフの誕生がもしも【今】であったなら、また違う未来があったかもしれない。

 『未来』の項で述べた行きつく先は『過去』に夢見た世界の成就、なのではないだろうか。仮想現実がこちら側へ溶け出てくる、今度こそそれが叶うと思えばどうだろう、ゾクゾクしてはこないだろうか。

そんな形を変えた『バーチャルのリアル侵攻』の手触りを、私は任侠カフェの奥にある懲役太郎の真意、そこから感じ取っているのだ。


・とまあ熱く本気でプレゼンしましたけども

 結局のところ建前を取っ払った本音を言えばぼくの推しが成功を収めて宇宙を獲って欲しい。ただそれだけが一番の望みなんだ。ついでにこうしてよろしくお願いします!と推し活をして推しの覚えがめでたくなりたいなんて俗な目論見もあるだけなんだ。私は聖人君子ではない。報われなくてもいいなんて行儀のいいファンじゃない。褒めないでくれ。クラファンは成功してくれ。しかし褒められるような立派な人間じゃない。褒めないでくれ。

おじさんのことは大体好きだけど53年の人生の道程が築いた「今までうまくいかない人生だったんだからこれもうまくいかなくて元々だと思ってる」みたいな諦念はちょっとだけ嫌いだ。

だから私はその諦念を今回この時だけでも否定してやりたいんだ。これが成功して「今まではそうだったんだろうけど今回は違ったじゃん、良かったな」っていかにも全て予見してましたよみたいな顔して言ってやりたいんだ。ていうか成功する未来はもう見えてるから。「幻視」ではない。「現視」である。後は見えてる世界線にズレが起きないか、そういう次元の話に違いないんだ。

違いないけどこのまま何も動かずに「頑張れ」って言うだけでは収まりのつかないどうあがいても様子のおかしいオタクなのが私だ。そうなんだ結局のところこれは様子のおかしいオタクがメガホンもって叫んでるそれだけの構図なんだ。それだけだけど、このそれだけが誰かの元に流れ着いて1人だけでも心動かされてクラファンひとくち乗ってやるかってなるかもしれない。太郎おじさん、貴方が褒めてくれた私の言葉の力を信じてそうなってくれって今やってんだ。なるかな。なるよね。なってくれ。今だけでいいから力、実在しててくれ。

そうやって上手くいったら普段っから何にも動じなくて涼しい顔してるあのおじさんの心、動かせるかもしれない。そう、そういう気持ちもある。皆でびっくりさせてやろうぜ。びっくりさせて泣かそうぜ。この歳ともなればそうそう泣く事もないって言ったあのおじさん皆で嬉し泣きさせたくないですか?私はこの上なくさせたい。

させたいけど私1人ではあらゆる面において力不足だ。無理だ。私だってできることならトーク激強アイドルおじさんに1人で立ち向かって打ち合える強いものでありたかった。

君の神様になりたかった。


でも普通に無理だ。普通に一般ピープルだ。だからどうか、ここまで長い文章呼んでくれたどこかの誰か様、ありがとうございます。そしてどうか、お願いします。

決して安い金額じゃないけど、損はさせませんぜリターンで限定グッズも貰えますし。懲役太郎、及び運営の俺太郎先生考案・『任侠カフェ』クラウドファンディング。是非にご支援、宜しくお願い申し上げます。


推し、どうかとこしえに幸せでいてくれ。そのためにもこのクラファンの成功はメチャクチャ見たいです。

えっサポートしていただけるんですか?ほんとぉ?いいの? いただいたサポートはものを書くための燃料として何かしらの物体になります。多分。