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Livestream Overlay Managerを使用したカードゲーム配信での「カードのリアルタイム表示」の手法

今回はカードゲームの配信では常に問題になってきた「プレイされたカードを、配信上でいかに随時更新するか」という内容を扱います。

はじめに

筆者が運営する会社はライブ配信を事業の一つとしており、MTGの公式放送等も担当させていただいています。
日本選手権やチャンピオンシップ系の配信においても、掲題の「Livestream Overlay Manager(以下LOM)」を使用しており、日本のMTGの放送に無くてはならない存在です。


LOM登場以前、テロップテキストをアルファ付きで送出するいわゆる「テロッパー」は、プロダクションでの使用が想定されている物がほとんどで、個人では手が出ないような価格のものばかりでした。

LOMは基本的に「配信ソフト上での運用」を想定して作られているため、プロダクション視点で見れば大きな制約となりますが、自分のような小規模事業者やストリーマーにとって"配信ソフト上で動く"というのはメリットのほうが大きいと言えます。

カードゲーム以外でも使い方次第では色々な事ができると思うので、個人のストリーマーにも是非触ってみてほしいと思います。


本稿ではLOMのリアルタイムでのカード表示の運用方法をごく簡単に解説します。

準備と解説

それではLOMでのリアルタイムでのカード表示・切り替えの方法を解説します。
基本的な使い方は、筆者の過去の記事やLOMの公式noteを参考にしてください。

使用目的を想定してみましょう。

あなたは、MTGをメインに扱うストリーマー/コンテンツクリエイターです。
自身の配信内で、Discordを使用した紙のリモートレガシーの、ごく小規模な(10~20名の参加者)大会を開きたいと考えています。
配信にはできる限りこだわりたいと思い、本家の放送のように「カードをリアルタイムに表示できる」ようにしたいと考えています。
デッキリストを参加者に提出してもらい、カードプレイ時にはできるだけそのカードを表示させ、視聴者に分かりやすく解説を行いたいと考えています。

この条件のもと参加者を募集し、デッキリストが全て揃い、
この大会で使用されるカードをすべて把握する事ができました。


まずはカード画像を準備します。

ギャザラーで一個一個カードを検索し、任意のフォルダに保存していきます。
これは省略できないので地道にカード画像を集めましょう。
同時にカード名も変更します。

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次に、カードプールを参照するためのCSVを作ります。

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このよに、カードプールに対応したCSVを作成します。
一つ一つ書き出すのは大変ですので、PowerShellでテキストファイルに抽出しましょう。

CSVに保存する際は、「CSV UTF-8」で保存してください。

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これで準備が整いました。
それではこれらをLOMに読み込ませていきます。

LOMをインストールするとドキュメント内にLOMのフォルダが生成されているかと思いますので、その中に画像フォルダとCSVをいれます。

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まずはLOMのデータパネルでCSVを読み込ませます。
(LOM右下部に切り替えタブがあります)

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CSVがLOMに読み込まれました。
続いてレイアウトモードに移り、コンポーネントを作成します。

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コンポーネントを作成したら、画面中央左の[連動ソース]は入力したCSVを選択してください。
コンポーネントを右クリックし、[連動画像パーツの追加]を選択します。
追加したら操作パネルの下部にある[画像テンプレート]のパスを、カード画像が入っているフォルダ名にします。

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するとCSVが参照され、該当する画像が表示されます。
タブから運用モードに切り替えるとカード名の一覧が表示されているので、それをクリックする事で画像を切り替えることができます。

前回の記事で作ったアリーナ用のテンプレートに簡単に合わせてみました。

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アリーナ用のオーバーレイなので見た目がアレですが、テーブルトップ用に再構築すればかなりそれっぽく見えるかと思います。

おわりに

簡単ではありましたが解説をしました。
カード画像と共に、選手名や選手の画像、マッチ取得数等も一括で管理できるので、デザイン等にこだわればワンオペでもかなりリッチな見た目になるのではないでしょうか。

オフラインのイベントが開きにくい昨今ではありますが、工夫次第では紙でリモートイベントを開く事も可能です。
筆者は、MTG公式キャスターの「かつおぶし石川」さんと毎週金曜夜にリモートEDHのイベントを開いています。
毎週2~30名の方々とEDHをしばきあってるので、是非皆さんも殴り込みに来てください。

ショップでのイベントやGPが無く辛い期間が続きますが、オフラインの大会が再開される日まで、共にコミュニティを盛り上げていきましょう。




本稿に関する質問は@ei_sya_kenまでお願いいたします。

末筆ではありますが、ご助言をいただいた「まどがい」氏、
積極的に検証をし、情報を共有していただいた「マッサン」氏に御礼申し上げます。
マッサンはMTGのオンラインイベントを定期的に開いているので、
興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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