音楽の持つもう一つの力
5月19日(木)に、アキバテクノクラブ オープンセミナーに参加してきました。株式会社ヤマハミュージックジャパンの佐藤雅樹氏、安間尚美氏のお二方による音楽による街づくり事業「おとまち」についての講演です。
「おとまち」とは音楽をツールにした地域ブランディング。市民、自治体、企業が一体となって音楽を使った町おこしをするというプロジェクトです。
すでにいろんな地域でいくつものプロジェクトが進んでいて、水戸駅の駅ビルを中心にビッグバンドのコミュニティーを作ったり、渋谷で参加型音楽祭「渋谷ズンチャカ!」を開催したりと、話を聞くだけでもワクワクしてくる楽しそうなプロジェクトばかりでした。
ヤマハさんですから音楽については知り尽くしています。感動を生むのが音楽の大きな力ですが、ヤマハさんは音楽が持つ「人と人をつなげる力」というもう一つの力に注目したとのことです。
このお話は目からウロコでした。
確かにイベントやお祭り、デパートやスーパー、パチンコ屋や飲食店と、賑わいのある場に音楽は欠かせませんが、そこで人は音楽に名演奏や素晴らしい音色による感動を求めている訳ではありません。そういうものはコンサートや音質重視のホール、高級オーディオなんかで鑑賞すればいい訳で、イベントやお祭りで参加者が音楽に求めているのは、「人と人をつなげる力」の方だったんですね。
私も音楽が大好きなので、これは体験的にもよくわかります。仕事ではなかなか人脈みたいなものは広がりませんが(涙)、好きなバンドやグループ、ジャンルなどを語り合えるような、音楽を軸にした人間関係というのは年齢とか性別の壁を超えてすぐに広がっていきます。
地震や災害の後にいろいろなミュージシャンが被災地でボランティア・コンサートを開いたりするのをニュースなんかで見聞きした時、正直不思議に思っていました。被災した人たちが、聴いたこともないバンドやミュージシャンのコンサートを喜ぶんだろうか?そんなことして意味あるの?と。
でも音楽のプロであるミュージシャンは音楽の持つ力を知っています。被災地でコンサートを開く彼らは、災害で壊れたコミュニティーをもう一度構築するための「人と人をつなげる力」を届けようとしているんだということがよく理解できました。
そう考えると、まさにいま日本中でテーマとなっている地域創生、町おこしに、音楽が果たす役割は決して少なくないと改めて感じます。
ヤマハさんの「おとまち」プロジェクト、今後も注目していきたいと思います。あ、渋谷ズンチャカは参加します!
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